恋する生徒会長◇6 | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 お元気ですかー?ヾ(@^▽^@)ノちょわーっす。


 このお話は魔人sei様のリク罠№160 をお題として頂き、ドボン予約№214消化の為に連載を開始したものですよー。


 現代設定パラレル蓮キョ。すでに空回りしてすっ転びそうな勢いなのですが、それでもラスト目指して頑張りたいと思います。

 少しでも楽しんで頂けていたら嬉しいです♡


 前話こちら【



■ 恋する生徒会長 ◇6 ■





 俺より一歳年上の幼なじみ、社 倖一が強引に提案して付き合うことになった俺の彼女の名前は、最上キョーコ。


 フルネームはもちろん頭に入っていたけど、彼女を下の名前で呼ぶ男子と遭遇したことがなかった俺は、このとき後ろから聞こえて来た声が最上さんを呼んでいたことに全く気付けなかった。



「 おい、キョーコ!! 」


 買い物袋をぶら下げ二人で並んで歩いていたはずなのに、瞬間、最上さんだけが足を止めた。

 見事に翻った彼女のそれに驚いて振り向いた俺を気にも留めず、彼女は颯爽と歩数を刻んで俺から静かに離れてゆく。


「 え?…最上、さ…… 」


 見えた横顔に浮かんでいたのは俺だけに向けられていたはずの笑顔。それだけでも充分、心は戸惑いを覚えていたのに…



「 わぁ、ショーちゃん?!すっごい偶然、どうしてここに? 」



 気さくな声で目を細めた彼女の言葉が酷く俺を戸惑わせた。



 ショーちゃん、という呼び名には聞き覚えがあった。

 俺の頭の中ではとっくに女性だとインプットされていたそれが、俺の目前に現れた人物とのギャップに瞬間、俺は息を飲む。


 暗い路上で偉そうな立ち姿を見せていたのはアカトキの制服を着ている男。

 ショーちゃんと呼ばれたその男は、険しい表情のまま鋭く最上さんを睨みつけていた。



「 お前、男作ったって噂は本当なのかよ?!さっきお前と会ったって奴らが俺の所に来たんだぞ! 」


「 やだ、あれショーちゃんの友達だったの? 」


「 んなことはどうでもいいんだよ!俺に何の断りもなく、何やってんだ、お前は!! 」


 最上さんの顔に浮かんでいた笑顔はそのセリフで見事に掻き消え、彼女はムッとした顔で毅然とした態度を取った。


「 何って何?それはショーちゃんに断るべきことじゃないでしょ! 」


「 ふざけんな!俺のダチをフッたお前が勝手に男と付き合っていいと思ってんのかよ! 」


「 はぁ?どうしてそんなこと言われなきゃいけないの?!誰とも付き合う気ないって私、ちゃんと言ったのに!なのに私の気持ちを無視してショーちゃんが勝手に話を進めたんじゃない!付き合う気が無いから断った!ただそれだけのことでしょ! 」


「 俺のせいだって言うのかよ?お前みたいな女にわざわざ紹介してやったっていうのに、俺のメンツをつぶしやがったんだぞ、お前は!だからわざわざ男嫌いの言い訳まで作って周りを納得させたのに、今度は男を作っただと?本気で意味わかんねぇ!

 しかも俺に何の連絡もよこさねぇとか、ムカツクにもほどがあんだよ!言い訳があるなら言ってみろよ!! 」



 俺を無視して続けられる会話が俺を容易く戸惑わせていた。そして俺は完全に言葉を失っていた。


 知らない事ばかりが二人の口から矢継ぎ早に飛び出し、度重なる不意打ちが容赦なく俺を襲う。

 二人のやり取りから目も耳も離すことが出来ず、俺は木偶の坊のようにその場に立ち尽くしていた。



 そもそも俺は、女学園の生徒会室での彼女たちの会話から、最上さんの男嫌いの噂は彼女たちが仕組んだものだとそう思っていたんだ。


 なのに噂の出所は本当はこの男で…?


 しかもその男は俺が女性だと思っていたショーちゃんという奴で…?



 動揺を隠せなかった。

 それ以上に二人の会話を遮ることも出来なかった。


 俺の存在を完璧に無視して進む二人の会話に立ち入る余地はなく、付け入るスキさえ俺に与えようとしない。



 それでも俺が二人の間に割って入れたのは


 親し気にショーちゃんと呼んだ最上さんに向かって

 この男が激昂した顔で右手を高々と振り上げたから。


 今日、何度目かという舌打ちをした俺は半ば反射的に最上さんを自分の方へと引き寄せ…



「 ―――――― やめろっ!! 」



 そして守るように自分の後ろにかばっていた。



 俺の左腕の服をぎゅっと掴んだ感触が伝わってきて、親の後ろに隠れた子供のようにショーちゃんを見ている彼女の気配を感じる。


 暴れ馬のような男を心の底から睨みつけると、それに応じたように俺に視線を移したショーちゃんが低い声をうならせた。



「 ……なんだよ、あんた? 」


「 その言葉、そっくりそのままお返しするよ。人の彼女に手を上げるのはやめろ 」


「 …まさか、あんたがこいつの? 」


「 コイツ呼ばわりもやめてくれないか?気分が悪い 」


「 …っ…敦… 」



 俺の後ろで声を発しようとした最上さんのそれを制し、一度彼女を見下ろしてから再びショーちゃんに視線をくれた。



 言うまでもないことだが、いま俺の機嫌は最大級に悪い。


 さきほどのアカトキの連中が煽りをくれたのはいわずもがなだが、いま目の前にいるこいつの最上さんに対する暴君な態度と


 この男を他の男と全く違う扱いをした彼女の態度と


 それから彼女の事を何も知らず、いま自分は明らかに蚊帳の外にいるのだという立ち位置に初めて気付いた事で、俺の心は完璧にささくれ立っていた。



「 ……LMEの敦賀蓮だよ。名前ぐらいは聞いた事があるんじゃないのか?…ショーちゃん? 」


「 !!バカにした呼び方すんじゃねぇよ! 」



 俺はこのとき、生まれて初めて感情の揺らぎを経験していた。


 俺以外の男に何のてらいもなくあの笑顔を浮かべた最上さんを見たとき、瞬間湧いたあの強い感情。


 初めて気付いた気がした。

 俺は錯覚していたんだ。


 この子の笑顔は自分だけのものだと。

 俺にだけ向けてくれている笑顔なのだと。


 けれど違ったのだ。

 俺たちは利害が一致しただけの似非恋人契約を結んだに過ぎない。


 ただ、それだけのことだったのに…


 ――――――― 俺は打ちのめされていた。



「 最上さん、帰ろう。もういい加減、時間を取り過ぎた 」


「 え?あ、はい、そうですね 」


「 ふざけんな!話はまだ終わってねぇよ! 」


「 終わってない?そっちこそふざけるな。会話は既に終了しているだろ?彼女は少なくともお前のものじゃない。俺と付き合うことにお前の許可を求める必要も無い。

 ……けど、報告はしておこうか?いま最上さんは俺の彼女だ。その事を嫌というほど肝に銘じておけ。ついでにさきほど君に告げ口をしたオトモダチにもそう伝言してもらえると助かるんだけどね? 」


「 お前、本気かよ!?どうせ頼まれて付き合い始めたとか、そういうことなんだろ?! 」


「 想像するのは個人の自由だ。それに関してどうこう言うつもりも無い。けど、男なら彼女に理不尽な感情をぶつけるのはやめろ。俺に文句があるならいつでも相手になってやるよ。……ショーちゃん? 」


「 てめ… 」


「 つ…敦賀さんっ!そんなこと… 」


「 いいから行くよ。本当に 」


「 で……でも、敦賀さんっ!! 」


「 いいから 」



 本当に、往復だけなら10分とかからない場所に行ったはずなのに、1時間以上も経過してから帰宅したことに気付いた俺は、玄関で時間を確認するなり深い溜息をついた。


 前屈みになった最上さんが心配そうに俺の顔を覗き込む。


「 ごめんなさい、敦賀さん。大丈夫ですか? 」


「 ん、別に平気だよ。言っとくけど気にする必要ないからね? 」


「 ……はい。えと、お台所お借りしますね? 」


「 どうぞ。好きに使っていいよ。俺、手伝えないけど… 」


「 大丈夫です。期待しておりませんので 」


 そう言っていつもの笑顔を浮かべた彼女が台所に向かうのを、俺は複雑な思いで見つめた。


 アイツを置き去りにしてまた二人きりになったとき、最上さんはただスミマセンと呟くにとどめ、それ以上を口にはしなかった。


 彼女が口にした謝罪の言葉が何に対してなのか、それを判断することは出来なかったけれど


 敢えて俺も口を閉ざした。



「 最上さん、俺、部屋にいてもいいかな?あの書類、少しでもやっておきたいから… 」


「 あ、そうですよね!私もなるべく早くしますので… 」


「 ん。でも気にしないでいいよ?どうせなら俺、美味しいものが食べたいし。…と言ったところで、もし手を抜いた料理を出されても気付けない自信はあるけど 」


「 ぷっ!…じゃあ、出来たら声をかけますね 」


「 うん、よろしく 」



 彼女に気にして欲しくなくて、何とも無い風を装ってみたものの

 一人で閉じこもった部屋の中で書類に目を通してみたところで作業は少しも進捗を見せることはなく



 最上さんが約束通り一汁三菜を用意してくれて

 二人、向き合って食事をしている間も



 俺の気持ちはずっと宙に浮いたままだった。






 ⇒7話 に続く


当初の予定ではこのショータロー出現シーンまでが4話に納まるはずでした。


書いてみて、初めて判る、自分無茶…( ̄▽+ ̄*)…チーン…。

たぶん、こういうのを自損事故と云うのね。 ←言わねーわ


⇒恋する生徒会長◇6・拍手

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