SS 秘めごとsweets | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 新たな両片想いSSを書いてる場合か!ってツッコミ来そうだな、と思いながらそれでも書いてしまう一葉でっす。


 ふふ…(〃∇〃)♡

 だって二人、両想いになりそうなんだもん♡♡

 なったらなったでそれに沿うSSは腐るほど書けるだろうけど、原作が両片想いを脱却したらもう両片想いSSは書けなくなるじゃない?


 なにしろ有限実践組は基本、原作沿いだから。

 思い出話って感じで書くことは出来るだろうけど、それだと1~2本が良い所でしょうしね!

 書けるときに書いておかないと!!しかも夏ネタだし。


 …ってことで、今日のはキョーコちゃんです。

 恋する女の子ってかーわいーい♡♡(///∇//)


■ 秘めごとsweets ■





 芸能学校と言えど8月は夏休み。

 出席出来なかった授業の補講を受けたあと、私は学校からLMEまでの移動にもっぱら自転車を使っていた。

 正確に言うと、夏休みに入ってからずっと、どこからでも自転車でLMEに向かう。


 理由は単純明快で、多少の事ではバテない体力をつけたいがため。

 夏休みの間は時間の融通が利きやすく、頑張るにはもってこいだった。


 敦賀さんだってずっと、身体を鍛えているんだもの。

 私だって俳優の端くれ。同じように頑張りたかった。


 そして夏休みに入ってからずっと、私は毎日欠かさずLMEに顔を出していた。



「 あ―――――― っつい―――――― っ!! 」



 今朝起きた時は少し肌寒いぐらいだった。

 気温はだいぶ落ち着きはじめていて、テレビが教えてくれる予想最高気温も30℃を超えない日がある。


 特に今日は見上げれば曇り空だったし、風があるから涼しいかも…なんて思っていたけど、LMEビル入り口ドアをくぐる時には蒸し暑さで死ぬんじゃないかと本気で思った私は、浅はかな予想だったと右手で相手のいない壁ドンをしながら瞼を閉じ、深く頭を垂れ下げた。


 自動ドアが開くとともに肌に触れた冷気が、心地よく感じられたのは瞬きの間だけ。

 有酸素運動で熱を持った身体は、ラブミー部に到着して荷物を下ろそうと立ち止まった途端に汗を一気に吐き出した。


 誰の気配も無かったのを幸いに、廊下の壁際に急遽取り付けられた据え置きエアコンの吹き出し口に近づき、ガンガンに放出されている強冷風をすぐさま浴びる。

 ほてった身体が一気に熱を冷まし、少しの肌寒さを覚えた気もしたけれど、離れればすぐ汗が吹き出すので私はその態勢を維持した。



「 あー…涼しいー。もうこんな暑い日にはのど越し爽やかなものが飲みたーい。でも私、炭酸系苦手だからそれはムリだしー。もういっそアイスてんこ盛りでも食べようかしら 」


「 それなら俺がご馳走してあげるよ、最上さん 」


 背後から届いた声にあり得ないほど目を見開き、目にもとまらぬスピードでギュルンと後ろを振り向く。

 視界に入った人の姿に私の頬がカアッと火照った。


「 敦賀さ…。やだ、聞いていたんですか?どなたもいらっしゃらないと思っていたのに… 」


「 うん、ごめんね。聞こえちゃったんだ。それよりどう?時間があるなら一緒に行かない? 」


 私の方に歩みながら、敦賀さんが小首を傾げてそう訊ねる。

 私は唇をかみしめて少し肩をいからせた。



 あ…あのっ!!それはムリですっ!!!


 不意打ちで出逢えただけでなく、さらに誘って頂けたのはとてつもなく嬉しいのですけど。


 でも私いま、汗だくの制服姿できっと物凄く汗臭いに決まっているから、この格好でまさか敦賀さんのお誘いを受けるわけにはいきません!


 慌てて首を横に振ると、遅れて顔を出した社さんの言葉と私のセリフが重なった。



「 いいね、蓮のおごり?サンキュー、蓮 」


「 いえ、結構です!いま敦賀さんのお供はムリですっ!! 」



 3人の間に微妙な空気が流れる。


 冷気漂う吹き出し口から離れた私の全身は再び汗まみれになろうとしていて、額から首からみっともないほど流れ落ちているだろう水滴を感じる。


 …――――― そう。

 この汗は自然現象であって、同時に生理現象でもあって、決して微妙な空気感に冷や汗を流している訳ではないのです。

 ましてや大先輩の誘いを袖にしている訳でもないんですよ!?


 私の真剣な断り顔から視線を逸らした敦賀さんは、自分の後ろで気持ち前屈みになりながら笑顔を崩さず固まった社さんの方へ、少し目を細めた呆れ顔で振り向いた。


「 …どうして俺が誘った最上さんが俺に断りを入れているのに、社さんが俺に礼を言うんです? 」


「 ん?それは俺がそう言えばキョーコちゃんは付き合わないわけにはいかないし、キョーコちゃんも奢られるしかないから 」


「 いえっ!社さん、私は結構なんです! 」


「 そんなこと言わないでよ、キョーコちゃん!!俺、このくそ暑いのにネクタイ、ワイシャツ、スラックスだよ? 」


「 …はあ、そうですね? 」


「 お似合いですよ、社さん 」


「 うるさい、蓮!他人事だと思いやがって。…ね?キョーコちゃん。俺も冷たいもの口にしたいなー。休憩したいなー。キョーコちゃんと3人で楽しく過ごしたいなー。たまには蓮にねぎらわれたいなー… 」


「 …へ? 」


 社さんのおねだり姿なんて見たことも聞いた事も無かったから、珍しいな、って本気で思った。


 もしかしたら社さん、この暑さで壊れちゃったとか…?


 そのとき、私たちの会話が耳に届いたのか、松島主任が扉向こうから顔を出し、そのまま社さんに近づいた。


「 おい、社。蓮が喫茶フロアに行くならお前まだ時間あるだろ?ならもう少しこっちにいろ 」


「 嫌ですよ!今日はもう充分でしょう? 」


「 そう言うなって。もう少しだけでいいから 」


「 松島主任!俺だって休みたいんですけどー… 」


「 あともう少しだけだから、な? 」


 ズルズルと引きずられていく社さんのその姿を、敦賀さんと二人でそっと見送り私はポカンと口を開いた。

 えっと…?一体いま、何が起こったんだろ…?


「 …社さん、連れて行かれちゃいました… 」


「 プッ!!…だね。やっぱり日頃お世話になっているだけに松島主任には頭があがらないから… 」


「 どうして、社さん…? 」


「 それは社さんが優秀なマネージャーだから。担当している俳優が夏休みを取ったりすると、マネージャーは割と手が空くだろう?だから、時間がある時で構わないから手隙になった後輩の育成をしろってそう言われたんだって。指導する以上、ラフな恰好が出来ないからちょっとキレ気味になっててね 」


「 …ああ、それで… 」


「 そ。だからここの所、俺たち毎日LMEに来てるんだ。スケジュールを調整しながら時間を作って。松島主任のご意向で 」



 そう言って敦賀さんは優美な立ち姿で私を見下ろし、口元を緩めてふわりと笑った


 とろけるような優しい笑顔。

 全ての女性を虜にしそうな、デザートより極上な敦賀さんの微笑…。


 一人で目の当たりにするなんて、なんて贅沢…。



「 敦賀さんは夏休み取らないんですか? 」


「 俺?俺は適当に休憩しているから平気。社さんには悪いと思っているけどね 」


「 …そうですか 」


 実は8月に入ってから、敦賀さんが毎日LMEに顔を出しているらしいってことは風の噂で聞いていた。

 さすがに理由までは知らなかったけど。


「 最上さん?そういう事情だから、社さんを休憩に連れ出すための理由になってくれない? 」


「 そ…それは構わないんですけど…。でも私、いまものすごい汗だくで… 」


「 あ、そっか、ごめん。もしかしたら着替える所だった?俺、ここで待ってるよ。だから着替えが済んだら社さんと3人で喫茶フロアに行こう?もちろんご馳走するから。…なんだっけ?アイス、てんこ盛りだったっけ? 」


「 てぇ…てんこ盛りでなくてもいいんです!すみません、敦賀さん。5分…いえ、3分お待ちください!! 」


「 焦らなくていいよ? 」


「 はい、了解ですっ! 」


 勢いよくダッシュをかまし、私は手早くラブミー部のドアを開けた。すぐさま閉じたドアに寄りかかり、秘かに目標としていた本来の目的が達せられた事実に頬を緩める。


「 ふふ… 」


 芸能学校といえど8月は夏休み。

 LMEに用事なんかなくても、私がここに足を運んでいた本当の目的は、敦賀さんに会えるかも知れないっていう淡い期待を抱いていたから。


 毎日来ているらしい…って話だったのに、なかなか顔を見る事が出来なくて…。

 だから、姿を見られるだけでもラッキーなんだ…ってそう自分に言い聞かせていたのに、こうして会えた上に言葉を交わして、さらに一緒の時間を過ごせるなんて、信じられないほど嬉しい。


 たとえそれがどんなに短い時間だとしても…。


「 なのに私、敦賀さんの神々スマイルまで見ちゃったー!!自分だけに向けられた笑顔なんて、もう究極…幸せすぎ… 」


 夢見るように瞼を伏せ両手を自分の胸に置いて、真っ赤に熟した大きなハートを心の中で抱きしめる。


 これは、自分だけの大切な秘密。

 誰にも話さない甘い感情。


 育てると決めたのは他ならぬ自分自身…。


 今日は最高に倖せです。



「 敦賀さん、お待たせしました 」


「 ん。じゃあ、社さんを迎えに行こうか 」


「 はい 」



 恋心を隠したまま、私は演技力を駆使して敦賀さんの横に並び、笑顔を浮かべて社さんを迎えにいった。


 敦賀さんと社さんの3人で夏のデザートに舌鼓を打ち、幸福感に身震いを覚える。

 すっかり汗が引いた肌では冷房の風が少しだけ寒く感じたけれど、珍しくブチブチと文句を口にした社さんの面白い講義に笑いが絶えることはなかった。



 楽しい夏休みが終わるのも、もうあとわずかです。






     E N D


ニュースとか見てるといま「◯◯アナウンサーは夏休みで…」とか良く耳にしませんか?

実際、芸能人でも夏休みを◯日取りました、とか事後報告で聞いたりすることもあって、じゃあその間マネージャーは何をしてんだろってちょっと疑問に思ったりしました。しかしヤッシー、超気の毒…


夏休みで発生するスケジュールの空き時間を、蓮くんに会いたいがためにわざと口実を作って頑張るキョーコちゃんと、同じくヤッシーの事を口実に、LMEに毎日顔を出す蓮くん(笑)

可愛い両片想い♡



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