相も変わらず両片想い蓮キョ増殖中、一葉でっす。 ←スゴイ挨拶
夏だ!猛暑だ、容赦のない酷暑だ!!ヾ(@^▽^@)ノ
でも多分、一葉が住んでいる場所は自然がそれなりにはあるので、近くの森林公園とか行くと木陰が涼しいです。(〃^ ^〃)ちっさい公園ですけどね
それに、ここ2~3日ほどは窓を開けたまま寝られるほど夜間が快適。寒くて目が醒めることも∑( ̄□ ̄;)
昼間はまだ35℃とかですのに!
夏が終わり始めているのかな…と感じている一葉はおかしいのでしょうか?皆様はどうですか?
それにしてももう夏終わりって!まだ8月半ばじゃん!それはちょっと早すぎるぅ!!
さてそんな中、続き物ばかり書いていると頭がパンクしてしまいそうで、気分を変えるつもりの両片想いSSをUPです。発掘品だけど
…ン…( ̄▽+ ̄*)…だから言ってるじゃん。一葉、基本的にSSが好きなんですって。
■ シンクロハート ■
ドラマ撮影で一時的な休憩に入り、熱気のこもった、けれど空調の効いている撮影現場の扉を抜けて廊下へと出た俺は、まるで暑い夏を感じようとでもするかのように窓際に寄り添い外に視線を投げた。
陽射しは日を追うごとに苛烈さを増していて、そのまばゆい煌めきにふと目を細める。
この季節を迎えるたび自然と蘇る優しい思い出に心を委ねた。
…また夏が来たね、キョーコちゃん。
君との時を重ねる最後の日となるはずだった別れの時。
もう二度と会えないと思う。そう君に伝えたのはもう10年も前のこと。
なんの因果か判らないけれど、それでも俺は、再び君に巡り合えたことにいまは凄く感謝している。
あの頃が懐かしい。
そう思えるほど色々なことがこの身に起こったんだ。
控えめに瞼を閉じ、顎を引いて踵を返しガラス窓に背中を預ける。
ざわめく気配に耳を澄ませ、一度足元に落とした視線をまるで誰かに呼ばれたかのように上向かせると、少し離れた場所に、ラブミーツナギに身を包んだ最上さんを見つけた。
さっきまでの俺と同じように彼女も窓の外を眺めていて、吸い寄せられるように自然とあの子の方へと足を向けた。
俺の気配に気付いて顔を跳ね上げた最上さんは、静かな笑みを浮かべて俺に小さく頭を下げた。
「 敦賀さん、こんにちは 」
「 こんにちは。偶然だね。今日は最上さん、ラブミー部のおつかい? 」
「 はい、そうなんです。これから事務所に戻る所です。今日、酷暑と呼ぶにふさわしい暑さですよー。敦賀さん、夏バテとかしていないですか? 」
「 俺?俺は平気。鍛えているからね。それに今日は一日この撮影現場だから暑さ知らずになりそうだよ 」
「 …そうなんですか?缶詰撮影、大変ですね 」
「 そうでもないよ?好きでやっている事だからね 」
俺を見上げる無邪気な笑顔に笑顔を返すと、近くを過ぎった車の窓ガラスに当たった太陽の光が、灯台の灯りのように俺たちをかすめてすぐ鳴りをひそめた。
反射光線に目を細め、この子と同じタイミングで外へと視線を投げる。
そのときふと疑問が生じた。
テレビ局の撮影スタジオから見える窓景色に目を引くものなどあるはずもない。
知り合いでもいたって言うなら別だけど…。
「 まぶし… 」
「 最上さん、さっき何を見てたの? 」
「 え? 」
「 窓の外を見ていただろう?なにを見てたの? 」
俺の質問に少しの間を置いて、最上さんはクス…と嬉しそうに笑った。
「 …過去を見ていました 」
「 過去? 」
「 はい。敦賀さんだから言っちゃいますけど、実はさっき、コーンとの夏を振り返っていたんです。懐かしいな…って思いながら… 」
特に夏はつい思い出しちゃうんですよ、と続けて、急に照れくさくなったのかエヘヘ…と笑みを漏らした最上さんが、右手で頭の後ろを掻いた。徐々に彼女の頬が優しい色に染まってゆく。
その仕草がどうしようもなく可愛くて、同時にとても愛おしくなった。
――――― 嬉しくて、胸が苦しい…
綻びそうになる口元を右手で覆い隠し、照れくさいのは俺の方だ、と密かな微笑を浮かべる。
「 そうなんだ。そっか…君も… 」
……俺と同じタイミングで、俺と同じ事を考えていたんだ…。
たったそれだけのことなのに
こんなにも幸せが拡がってゆく
この胸を焦がす、君へと向かう熱い想いはきっと猛暑にも負けないだろう。
「 …???君も…なんですか? 」
「 内緒 」
「 なっ!!内緒??なんでそんな意地悪な! 」
「 ぷっ!すごいふくれっ面。君は感情表現が豊かでほんと、飽きないね 」
「 おもちゃじゃないんですから、からかわないで下さい! 」
「 心外だな。からかってなんかいないよ。少なくとも今は 」
「 今は…って、じゃあ、からかってる時もやっぱりあるんじゃないですか! 」
「 おや、判っちゃった? 」
「 もぉ!!敦賀さんっ! 」
じゃれ合うように手を振りあげた彼女の手を受け止めた所でスタッフから声がかかった。
「 敦賀さん、スタンバイお願いします! 」
「 あ、はい。じゃあ最上さん、またね 」
本当は、夕食でも一緒にどう?って誘いたかったけれど、この炎天下を彼女に行き来させる気にはなれなくて、自分の願望は押しとどめて名残惜しげに最上さんの頭に右手を乗せる。
「 気を付けて帰るんだよ? 」
「 …はい。あの、敦賀さん? 」
「 なに? 」
少しだけ笑みを薄めて俺を見上げたままの最上さんが、躊躇いながらも口を開いた。
「 あの、今日もお忙しいだろうってことは判っているんですけど、あの…夏バテ防止の夕食とか召し上がりたくないですか? 」
「 …夏バテ防止? 」
「 はい。あの、でも無理ならいいんです!ただ、敦賀さんってばあんまりお食事を意識的に口にする方じゃないし、だから… 」
最後の方は尻つぼみで、自分の胸の前で指をもじもじさせている姿がいじらしい。
もう、何なんだ君は。
どうしてそう、俺の考えを読んだみたいに…。
「 …なら、お言葉に甘えて最上さんのお誘いを受けようかな 」
あのさ、そこまで俺と思考を重ねるなら
いっそこの恋心もシンクロしてくれないか…?
「 は、はいっ!この最上キョーコにお任せ下さい! 」
「 うん。全面的にお任せするよ 」
「 はい!もう、大船に乗ったつもりで! 」
俺の目の前で、バレリーナになったみたいにクルリと一回転した彼女の肩を強引に引き寄せ、じゃあまた後で、と約束を交わした。
「 でも無理しないでいいから。こっちに来る前に一度電話して? 」
「 はい……きゃああ!! 」
ごめん。今度は押し殺すの無理だった…。
彼女の誘いが嬉しくて、満たされた想いを噛みしめながら俺は不意をついて彼女のおでこにお礼のキスを授けた。
E N D
蓮くん、手、早ッ!!♡
この後、撮影現場に戻って、相変わらず仲良いですねーとか言われたりしてちょっと上機嫌になったりするんだろうな…とか、微笑ましい妄想を続ける一葉。
きっとキョーコちゃんもラブミー部のおつかいついでに、「敦賀さんが撮影しているはず~」とか考えながら足をのばしたんだろうな、とか。
じれったい両片想いに萌える私は、やっぱり両片想いスペシャリストなのだろう(笑)
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