えーっと…( ̄▽+ ̄*)…あ、おはようございます。いちよーです。
ボーナスの行方シリーズ(私の中では既に野菜シリーズ)は、全て蓮君sideで揃えるとか口走ったのですが、続きを書こうと思って前話を読み返したら、キョーコちゃんsideが書きたくなったのです(笑)
お話的には全く進んでおりませんが、ご容赦頂けたら嬉しく思います。
このシリーズ、面白いのですよね。蓮とキョーコちゃんメインだから余計に。
両片想いは相変わらずですが、この二人がくっつくのはもう時間の問題。
つまり終わりは近い…気がする。…気がするだけかい!!Σ\( ̄ー ̄;)
ボーナスの行方シリーズ前話こちらです~
①月夜の晩に (リ作)
②一緒にお休み (リ作)
③冷蔵庫の中身 (リ作)
⑤冷蔵庫の野菜 (リ作)
⑥彼の要望 (セ作)
【番外編1】田中さんの憂鬱 (くりくり様作)
⑦補給権謀 (リ作)
【番外編2】増える野菜 (リ作)
⑧もっと増える野菜 (セ作)
蓮キョ愛捧げあい~ボーナスの行方シリーズ~
■ 願望口実 ■ ※口実野菜/sideキョコver.
「 …え?これ…? 」
敦賀さんのお家にお邪魔をして、手招きされるままに足を進めた台所の一角で、その光景を見た途端、私の脳裏に浮かんだのは困ったな…という感想だった。
「 そう。頂いちゃってね 」
「 …ちゃって…って、敦賀さん… 」
車から降ろされた段ボールはとても大きなものだったけど、敦賀さんはそれをやけに軽々と持っていたから。
箱が大きいだけなのかな?と思っていたのに…。
敦賀さん曰く、番宣目的で出演したバラエティ番組から頂いたという有機野菜は想像以上の量があって、今までのように裏技を使わないで食事を作る…という目的は、どうやら果たせそうにない。
裏技とは、もちろん冷凍保存のこと。
「 君、言ってたでしょ。野菜の鮮度が…とか栄養価が、とか。これ有機野菜だって聞いて、嬉しくない? 」
「 はあ…有機野菜… 」
実際のところ、敦賀さんがそれを本当に意識しているのかどうかは疑う余地ありだと思う。
なぜなら気を使って足されたんだろう葉物野菜の鮮度の悪さがそれを如実に物語っている。…あれを見て、疑うなって方がおかしい。
いま目の前にあるこれらをダメにしないために、下ごしらえプラス冷凍保存…なんて手を使ったら、鮮度がどうとかの問題ではないのに。
それを言ったら敦賀さんは、一体どんな顔をするんだろう?いえ、言わないけど。
「 あれ?最上さん、もしかして有機野菜のこと知らないとか? 」
「 な!!そんな事ありません!もちろん存じております!! 」
「 そう?…でね、番組のゲームでそれが当たったときコメントを求められて、毎日美味しく頂きますって言ったら… 」
「 …じゃあ、証拠の写真を送って下さいと…? 」
「 うん。まあ平たく言うとそう…言われて、いいですよ、と… 」
ここまで聞いて、思わず私の口から深い溜息が漏れた。
これは、いままでのように3日に一度お邪魔して…で対応できる量じゃない。
作った料理が写真に撮られるのはもちろん問題ないとして
誰が作ったのかについては当然、伏せるんだろうにしても
いま目の前にあるこの大量の野菜を消費するために、私がこのお家に頻繁に出入りをする必要があるだろうって、気付かない敦賀さんじゃないと思うんだけど…。
いえ、3日に一度だって充分、頻繁だった気もするけれど
毎日のように私がここに出入りしても、敦賀さんは本当に平気ですか?
たとえばスクープとかされちゃったら、私はもうここにお邪魔できなくなる。それは絶対、イヤなのに…。
「 あの…最上さん、ごめんね?これでも社さんに一部引き取ってもらったりしたんだよ? 」
「 ……一部引き取ってもらってこれ、ですか?敦賀さん…私の目から見てもこれは、例えば毎食召し上がって頂いたとしても、敦賀さん一人では全部食べる前にダメになってしまうかと… 」
どんなに性能のいい冷蔵庫であろうとも、家庭用のそれならたとえ冷凍保存したにしてもせいぜい2ヶ月保てばいい方。
つまりこれ、絶対、敦賀さんが食べきるのはムリだと思う…。
でも、だから食べないって訳にもいかないわよね。
「 いや、別に罰ゲームじゃないんだし、俺一人で食べなくても…。ただ、美味しく頂きます、と言った手前、あんまり人に譲るわけにもいかないし、と思って…。迷惑かけてごめんね? 」
「 いえ、決して迷惑などでは…そっか。敦賀さん一人で食べなくても… 」
敦賀さんの言葉を聞いて、それなら何とかいけるかな?と、頭の中でスケジュールが開いた。
もちろんメインは敦賀さんに食べてもらうとして、例えば敦賀さんのお弁当を作るついでに、現場への差し入れにして下さいって一緒に何かを作ってしまえば…。
「 最上さん、あの…ムリならそう言って?でも、出来れば協力してもらえたら嬉しいんだけど? 」
腰を屈めて私を覗き込んだ敦賀さんが、本当に申し訳なさそうに口を開く。
甘えられているみたいで何だか無性に嬉しくて
もとより、私が敦賀さんのお願いをはねのけるはずもない。
そんな勿体ないこと、絶対にしませんよ?私は。
「 …敦賀さん? 」
「 ん?あ、ごめん。…なに? 」
「 要はダメにしないようにしつつ、敦賀さんがこの野菜たちを美味しく頂きましたっていう写真を残せばいい訳ですよね? 」
「 うん。そうだね。なるべく無駄にしないように 」
「 視聴者の皆さんも、きっと敦賀さんがどんなご飯を食べるのか、とか興味津々なんでしょうね 」
「 いや、それは俺、よく判らないけど… 」
敦賀さんのそのお願いを叶えるために、私からも一つだけお願いがありますって言ったら、敦賀さんは困った顔をするのかな。
毎日通う事は決して煩わしくはないけれど、だけどもし、スクープされる危険性が同じなら。
どうせなら…って私が考えるのは、やっぱりいけない事かしら。
両手で握り拳を作って、勇気を振り絞るためにわざと笑顔を作ってみせた。
見上げた敦賀さんもふと笑顔を見せてくれて、それだけで何だか許可された気になる。
「 ちなみに、敦賀さんの覚悟は大丈夫ですか? 」
「 え…っと、覚悟? 」
「 そうですよ。これだけの量のお野菜ですよ。長持ちするように工夫をして、ダメにしないで全部いただくには気力と根性が勝負ですよ!? 」
実際、ある程度の覚悟は必要だと思った。
ここに二度と来られなくなる可能性は、決してゼロなんかじゃない。
この人の迷惑にならないように、且つどれほど自分が敦賀さんの役に立てるのか、それは本当に未知数だけど。
それでも私を見下ろした敦賀さんは、クスリ…と小さく笑みを漏らした。
その笑顔だけで、やっちゃおうって思う私は、本当に単純明快。
「 本当だ。俺は君にそれを分けてもらわないとね。…協力してもらえる? 」
「 はい!意識的に敦賀さんが召し上がってくださると言うのなら、不肖、最上キョーコ、責任をもってお料理を担当させて頂きます! 」
「 ありがとう。本当に助かるよ。最上さんなら俺も安心できるし 」
ドキン…と私の鼓動が跳ねる。
「 …安心?何にですか? 」
「 色々と。たとえば自分のプライベートな空間に来て貰うなら、心を赦した人がいいだろう?それに君は、俺の胃袋事情を正確に把握している数少ない人の一人でもあるから、安心して任せられる 」
さりげなくこぼされた敦賀さんの言葉で、胸に喜びが込み上げた。
私に心を許してる…なんて言われて、これ以上の贅沢も無いと思った。
敦賀さんのプライベートな空間に、私がいてもいいなんて言われて
思わず恋心が溢れそうになって、大慌てで自分の心を言葉で諌める。
「 え?ええええっ!!わ…私がそんなっ!!あ、でも、大先輩にお願いされた以上、精一杯がんばりますっ! 」
――――― 本当に、頑張るのは本当ですよ…?
そして、敦賀さんのそのお願いを、きちんと叶えたいのも本当です。
だから
そのお願いを叶えるために
一つだけ
私のお願いを聞いてください
「 ところで敦賀さん。それにあたって一つお願いがあるのですが 」
「 …うん? 」
「 お話を聞いた直後から迷っていたのですが、ここにあるお野菜を一つも無駄にしない為だと思って、ぜひ許可を頂きたいのですが 」
「 え?うん…なに? 」
あなたのプライベートな空間に
少しの間だけで構いませんから…
「 しばらくの間、私をこちらに泊めて下さい 」
「 もちろんOKだよ! 」
敦賀さんの返答は瞬息で
あまりの速さに目を見開いた私に向かって、敦賀さんはよろしくね、と言って右手を差し出して朗らかに笑った。
こうして、敦賀さんのお願いを叶える…というのを口実に
私は敦賀さんの住むマンションに、少しの間だけ居候することになる。
これが、思わぬご褒美のカウントダウンになるだなんて
この時の私は、知る由もないまま…。
E N D
みなさま、お気づきですか?
蓮君の意識では「同棲生活」なのに、キョコの意識では「居候」って( ´艸`)
ふふふふふふ…♡
楽しみ、楽しみ(〃∇〃)
このお話、入力終った後、なぜか内容だけ真っ白に…。1時間ほどやる気が逃げ出して復活させるのが大変でした(笑)
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※このお話の続きはこちら⇒『ボーナスカウントダウン・5』
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