SS 青空の向こう側 | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 おはようございます、未来のみなさま( ´艸`)

 現時点の私、一葉の時間軸…。2015年1月6日です。


 そう。このお話は、お正月休みに溜まりにたまった妄想を整理していた時に発掘したもので、そのときは季節外れだったSSです。

 夏が巡って来た時にUPしようとすればまた行方不明になってしまうやも知れませんので、こちらは予約投稿でサクッと処理いたしました。


 たぶん、いまもって蓮キョは両片想いの真っ最中だろうと思う。半年しか経っていないもんね…。

 そんな訳でこちら、両片想い蓮キョです。

 キョコ・サイドゥ♡о(ж>▽<)y ☆


■ 青空の向こう側 ■





 夏の熱さを跳ね返す勢いで一気に階段を駆け上がる。


 一歩、また一歩と進むたびに近づくのはあの人の気配。



 日を追う毎に高まっていく気温

 太陽の下にいるだけで、おかしな熱に浮かされそう。


 それでも私は目的地を見失わずに、ただ一心にそこを目指した。



 たどり着いた部室の扉を勢いよく開いて

 どこか雅な雰囲気を醸しながら着席していた恋しい人の元へ一目散に走り寄る。



「 つ……敦賀さんっ!! 」



 上ずった私の声に反応して、敦賀さんが私に視線を向けた。




「 …やあ 」



 私の姿を認めて静かに椅子から立ち上がり

 柔らかい笑顔のまま

 落ち着いた物腰で彼は優美に腕を持ち上げた。



「 最上さん、どうした?そんなに息を切らして 」



 眩しく煌めく優しい笑顔

 溢れる笑顔が嬉しくて、ドクンと鼓動が悲鳴を上げる。



 大きな手がいたわるように私の頬に触れただけでどうしようもなく高鳴るこの胸。



 きゅっと締め付ける甘い痛み。

 何度も走り抜ける甘美な衝撃。


 味わうたびにこの人が好きなのだと

 恋心が柔らかく私の耳元で愛を囁く…。



「 あの、外を見て下さい!空を見て下さい!! 」



 でも、あなたは知らないんですよね?

 こんな短い接触ですら

 それが私の大きなエネルギー源になるってことを…



「 え?空? 」



 激しく乱れた呼吸は走って来たせい。


 そう心の中で自分に言い聞かせると、額に浮かぶいくつもの雫がポタリポタリと床に呼ばれた。


 でもそんなこと、いまは気にしていられない。

 鼓動を弾ませ、何度も肩を跳ね上げながら勢いよく窓へと指を突き出した。



 ただ一緒に

 敦賀さんと、この景色を見たかったがために…




「 あ…虹…? 」


「 は…あはは…良かった、間に合った…。すぐ消えちゃったらもう、どうしようかと… 」


「 もしかして、そのために走ってきてくれたの? 」



 自分の膝に両手を預けて、安堵した途端に腰を曲げた私はそのまま大きく溜息をついた。



 かけられた言葉に反応し、ゆっくりと視線だけを上に向けると


 伏目がちに私を覗き込んだ敦賀さんの瞳の中に


 自分の姿だけがいま映り込んでいるのがハッキリと見える。


 それは決して、特別な事ではないと判っているのに



「 不可抗力の成せる業ですぅ。エレベーターがなかなか来なくて、階段使って一気登りしちゃいましたー!!あはは…いい運動になりました 」



 なのにそれを意識するだけで、バカ正直な私の鼓動は

 幾度も息を弾ませてしまう。



 ううん、ダメよキョーコ。これは違うの!


 この心臓が踊っているのは

 敦賀さんに見つめられているせいじゃない。



 言い訳しないと、平常心すら保てなくなっちゃうんだから…。



「 こんなに顔を赤くして…。暑いのに、ありがとう。おかげで素敵なものが見られた 」


「 …え、えへへ? 」



 そうよ。それでいいの。


 いま私の頬が赤いのは、この気温のせいであって


 敦賀さんに逢えたから

 …じゃないんですからね…?



「 良かったです。でも、我ながら子供っぽかったですね 」


「 そんなこと。最上さん、汗だくだね。ほら… 」


「 きゃあ!!つ…敦賀さん!!冷たいですー!! 」



 ほてった頬に押し当てられたのは汗をかいた缶コーヒー


 スポンサーからの差し入れだけど、と

 敦賀さんはひっそりとほほ笑んだ



「 俺の飲みかけだけど、まだ冷たいよ? 」


「 え?いいんですか? 」


「 最上さんが嫌じゃないなら、どうぞ? 」




 いや ――――― っ!!もう、どうしよう!?



 どうしたらいいの?

 胸がどうしようもなく熱くって

 この人の笑顔を見るだけで


 こんなにも、こんなにも、倖せに包まれる…


 それなのにきっとこの人

 いま私に何を言ったのかをちっとも判っていないんだわ…




「 い……いただきます!! 」


「 はい、どうぞ? 」



 口を付けるその瞬間、クスリ…と小さく笑う声が聞こえた。


 喉元を通り過ぎる味の判らない缶コーヒー



 これって間接キスになるわよねって

 そう思うだけでまた頬に熱が灯りそう




 仰いだ顔に注ぐ太陽光線



 嬉しさで込み上げた涙で潤んだ視界の向こう



 この嬉しいきっかけを作ってくれた

 あまかける虹が


 青空の中にぷっかりと浮かんだまま

 笑顔で私たちをそっと見守っているのが見えた…







    E N D


にょふ♡(〃∇〃)…うん。ただね、間接キスをさせたかっただけなんですよ(笑)

リーちゃん、見事、宿望達成!イエーッス★


⇒青空の向こう側・おまけ話つき拍手

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