おはようございます(。-人-。)一葉梨紗です。
宝物シリーズ6で一葉がほざきました通り(笑)無事に8月を乗り切る事が出来ましたので、続きをアップしてみました。
実はなんとなく考えていたものが何とかまとまったってだけなんですけどね。
うんとね、いつもの事なんですけど( ̄▽ ̄;)長いんです…。あ、だいじょぶ。1話で読める許容量の長さですから(笑)まあ、一葉的見解ですけどね。
でも、そろそろ話を動かさないとねッ
ゴール目指して突っ走れ~♪
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蓮キョ愛捧げあい(応酬)宝物シリーズ
■ 宝物は誰のモノ?8~side社~ ■
話は、一月ほど前にさかのぼる。
去年のエステのCM以降、キョーコちゃんの仕事の内容について、蓮はとにかく敏感になっていた。
それでもまだ、敏感になっていた程度だった。
そんな折、社長から呼び出しが入った。
エステのCMで、とにかく蓮はキョーコちゃんが肌を晒したのが気に入らなかった。
その事実を知っていた社長は、あらかじめ釘をさすために今度は靴メーカーのCM内容を、事前に蓮だけに話して聞かせると言ってきたのだ。
廊下で待っていた俺の隣に戻って来た蓮は、見るも無残なほど不機嫌オーラを明確に発していて、それに眩暈を覚えつつ、苦笑を浮かべながら何を言われたのかを蓮に確認してみると…
「 何を言われたんだ? 」
「 最上さんの…新しいCMの内容に、一切口を出すな、と… 」
そう、一言だけ告げて以降、蓮は一切の口をつぐんだ。
不機嫌オーラが明確に半径1mに及んだだけでなく、時間を見つけてはこめかみに青筋を立てていた蓮を思い出すだけでも胃が痛くなりそうだ。
結局、この後キョーコちゃんの件に関して蓮が口を開くことはなかった。
靴メーカーのCMで、社長から先だって釘を刺されるほどの内容とは一体何だという疑問だけが俺の中に残ったまま、俺的には転機の一週間後を迎える。
「 社さん… 」
「 うん?なんだ? 」
「 今日、見に行ってもらえませんか? 」
マグマの様に静かに怒りをふつふつとさせていた蓮を横目で眺める日々が続いていた俺は、詳細こそ知らないものの、それをどうしようもない事なのだと割り切る事も出来ず、ただ悶々とし続けている蓮に対していい加減修行が足りなさすぎる…と思っていた矢先の発言だっただけに目が点になった。
「 ……何を? 」
「 …最上さんの…CM撮り… 」
いま思えば、見に行ってくれと俺に頼んだだけまだマシだったと思う。
本音を言えば自分が行きたかったんだろうが、それが出来ないと判っていたからこそ、自分の代わりにせめて見張りに行ってくれと言いたかったに違いないんだから。
「 そんなに気になるのか…。どんな内容なんだよ? 」
「 CMと一緒にポスター撮影もするらしいんですけど… 」
「 だから!!どんな内容なんだよ!? 」
「 ……見れば、判ります…。あ、やっぱりいいです…。聞かなかったことにして下さい 」
実に煮え切らないその態度に、俺の我慢がピークに達した。
実際、どんなCMなのかという興味もあったにはあった。
だけど…
「 お前…簡単に覆すお願いなら最初から口にするなっ!どこだよ!? 」
俺は、こんなにも肩を落としたこいつを見ていたくなかったんだ。
事実、キョーコちゃんはそのCM撮影のためにほぼ休みを返上していて、まともに蓮と顔を合わせる機会は皆無だったことも拍車をかけていたのだと思う。
…蓮のお願いを背負っていざ向かった現場。けれど、俺はそこには入れなかった。
「 すみません。京子ちゃんの撮影に関しては、女性スタッフonlyなんです 」
「 え?全員ですか? 」
「 はい。全員です。メーカーのチェックの方も、カメラマンもスタイリストも全て全て女性オンリーなんです。京子ちゃんがOKと言わない限り、社さんでも入る事は出来ません 」
もちろん、残念だという気持ちはあった。
それと同時にどこか安堵した思いもあった。
少なくとも、これを報告することで蓮の気持ちも少しは軽くなるんじゃないかと思えたから。
キョーコちゃんに付き添うと言ったマリアちゃんにヨロシクとお願いをして、それでもなんとなく立ち去り難くて廊下で一息ついていた時、スタジオから出てきた緒方監督に気が付いて、一気に俺の背筋が凍った。
「 お…緒方監督!! 」
「 え?ああ…社さん。お久しぶりです… 」
「 お久しぶりです。あの、いま、キョーコちゃんの撮影を…? 」
「 ああ、はい。特別に入れていただいて、拝見していました。若手トップ女優の京子さんにお話があったのですが…。撮影を見ていたらまたの機会でいいかと思い至りまして… 」
そう言って丸めた右手を口元に押し付けてスタジオの扉へ視線を移した緒方監督は、しばし黙った後まるでいま思い至ったとばかりに目を見開いてから再び俺に視線を戻した。
「 そういえば、敦賀君はお元気ですか? 」
「 は?…蓮、ですか?ええ、はい。おかげさまで… 」
「 京子さんと敦賀君って…今も良く会ったりしているんですか? 」
「 え…? 」
唐突で意図の見えないその質問に、戸惑いが無かったわけじゃないけど。
誤魔化す必要はまるでなかったから。
「 いえ…最近は。このCM撮りでむしろキョーコちゃんの方が忙しくしていたようで、あまり… 」
「 ああ…そうだったんだ。だから、京子さん… 」
ふふふ…と柔らかく微笑んで、肩をすぼめた監督のその言葉に俺は、海よりも深い意味が含まれている気がした。
「 あの…?キョーコちゃんがどうか…? 」
「 いえ…ただ、飛んでいきたいって、可愛い願いですよね 」
明るくこぼれた話題はキョーコちゃんのCMの事だろうと勿論すぐにピンと来たけど。
要領を得なかった監督の言葉は、オンエアになったそれを見たとき、一気に点と点がつながった気がした。
爽やかに吹き抜ける一陣の風を、俺の心に送り込んで…。
――――― リズムに乗って軽やかにステップを踏む動き。
( これを、練習していたから休みを返上していたんだ… )
――――― 高く蹴り上げた身体が真っ白の羽に覆いつくされて画面から消える。
( 監督が言っていた飛んでいきたいって、これのことだ… )
『 羽の様にかろやかな靴を履いて、自由に舞い上がろう! 』
靴メーカーお馴染みのキャッチフレーズが流れると同時に、まるで津波の様な激しさを伴う、監督の言葉が一気に俺の脳裏を駆け巡った。
『 振り向いて思わず好きな人の名前を呟くなんて、女の子ってどうしてああも可愛いんでしょうね 』
海底に降り注ぐ、細い光明を見た気がしていた。
この言葉だけを聞いたなら、俺はこんなこと、きっと思いもしなかった。
恐らくは海底深くまで落ち込んで、どうやってお前を慰めたらいいのか。それをただ悶々と考える日が続いたに違いない。
だけど、俺はこう思ったんだ。
いや、俺だけじゃない。俺の立場でこの話を聞いた人間なら誰だってこう推察したはずだ。
もしかしたら…蓮のことじゃないのか…って。
好きな人がいるなんて聞いた事も無かったけど。
――――――― 監督が言った、キョーコちゃんの好きな人って、もしかしてって…
だから、さ…蓮?
俺がお前に、すべての事を報告しなかったのは、理由が…あるんだよ。
あの日、自分が出逢ったすべてのことを蓮に報告するのを控えたのは
オンエアで、俺が確証を得たかったからだった。
CMの最後…
上向き加減の横顔から、視線のみを背後に向けた所で映像は唐突に終わりを告げる。
振り向いたときの顔も
呟いた唇の動きも
画面上で確認することは出来なかったけど
俺の脳内で蠢く確証。
降り注いだ光明はいまも一筋の瞬きを見せたまま。
だけど結局、俺はお前に何も打ち明けなかった。
――――― 蓮…お前、頑張れよ?
心に満ちるのは蓮に対するエールの気持ちだけ。
そして俺は今日もまた、切なげに瞳を細めてポスターを眺めるだけのコイツに苦笑を漏らす。
監督から聞いたこの話を、蓮に聞かせることは酷く簡単な事だと思う。
だけど…
仮にも、人気、実力とも№1と謳われる男が、棚ボタで美味しい現実にありつく姿なんて、見たくないだろ?
「 蓮、新しい仕事のオファーが来た 」
「 …何の仕事ですか? 」
「 前に打診があった、緒方監督のドラマの仕事…。受けるか? 」
この仕事を受ければ、久しぶりにキョーコちゃんと現場を一緒に過ごせる。
その情報さえ与えず、返事を待った俺に向かって、受けたいですね、と言った蓮の言葉に俺は思わず強い笑顔をこぼした。
「 よし!!お前、頑張れよ!!? 」
蓮が突っ走ってくれることを心の底から願って
俺は、力いっぱい大きな背中を元気よく叩いた。
E N D
ガンバレ蓮くんо(ж>▽<)y ☆
ガンバレ次の人!!(笑) ←だって決まっていないから
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※リ作「宝物は誰のモノ?9◇前編」 へ続きます。
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