SS コーヒー>恋>砂糖 | 有限実践組-skipbeat-

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こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


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 おはようごじゃります…にゃふ( ̄▽+ ̄*)…波にさらわれ海底に沈んで貝になった挙句に口を閉じたい気分の一葉梨紗です。


 そろそろ連載に手を付けたい気分なのですが…アナログで書き散らかしたモノをある程度整理しておかないと、また嵐のように困ったちゃんになるので頑張っております…。

 …てかね、もうすでに収拾つけられない事態にまで発展しておりまして、また見ないフリをしそうな自分がちょっと怖いです。

 季節半年ずれとかは、いっそあと半年待つかと思案中…| 壁 |д・)


 時が巡るのが早すぎて、どーしたらいいのか…( ̄ー ̄;なのに今日のSS、季節ガン無視です。書いたはずの真夏ネタが行方不明で…取り敢えず上げられるモノからUPしております。


 ああ…修行が足りない…

 どなたか集中力を下さーい\(゜□゜)/


~ 恋はコーヒーより苦く砂糖より甘い ~

■ コーヒー>恋>砂糖 ■





 少しでもあの人に近づきたくて

 今日はほんの少しだけ背伸びをして、ブレンドコーヒーをオーダーした。


 ミルクは落とさず

 砂糖だけをこっそり入れる。


 見た目だけでもブラックコーヒーを気取ってみると、幸せな苦笑が自然と漏れた。



 たった4歳の違いなのに

 もうひどく大人に見える大好きなあの人。


 見た目を似せただけのなんちゃってブラックコーヒーで

 内緒でお揃い気分を味わってみたかった。


 ただそれだけの為に。



「 いただきまーす…熱っ!!苦っ!! 」



 …恋は、コーヒーに似ていると誰かが言っていた気がする。


 砂糖を入れて

 かき回さずに飲んだとき


 最初は確かに甘い気がするのに

 後で訪れる苦みがやたらと喉に刺さるこの味覚が


 好きだと思うだけなら幸せいっぱいな恋の甘さと

 欲望が頭をもたげはじめると辛くなる心の苦さが


 似ていると言われればそうかもしれないと、つい納得してしまいそうになる。



 でも、違うような気もした。



 苦みを乗り越えて飲み続けるコーヒーは、きっと最後には砂糖が甘さをもたらしてくれるはず。

 だけど現実の恋はといえば、どんなに頑張っても最後に甘さを味わえるとは限らないから。




 苦いままかも知れない

 辛いままかも知れない


 それを想像するだけで萎えて行く勇気がはっきりとわかる。




 瞼を閉じて

 混ぜないコーヒーをひとくち、口に含んだ。


 いつも入れているミルクは入れずに

 砂糖だけを混ぜ込んだ、なんちゃってブラックコーヒー



 ――――― それは、ほんの少しだけ見栄を張った

 大人気分を味わうための内緒の儀式…



「 あれ?最上さん、今日はミルクいれてないんだ? 」


「 つ……!!敦賀さん!?社さんも!! 」


「 ヤッホー!キョーコちゃん。いつもお茶系なのに、今日はコーヒー気分? 」



 瞬間沸騰したように羞恥心が凄い勢いで駆け上った。

 頭に一気に血が上って、恥ずかしさで顔が真っ赤になった事が自分でも判る。



「 …ど…どうして、こちらに…?あ、こんにちは!! 」



 誰にも見られないと高をくくって

 背伸びをした自分を見られたのが妙に恥ずかしくて…。


 ぎこちなく動く身体をムリヤリ起動して

 急いで立ち上がって取り敢えず頭を思いきり下げた。



「 そりゃ、ここLMEだし…。な? 」


「 ええ、ですね…。うん?どうした? 」



 もう、本当に恥ずかしい!!

 どうしたらいいのか判らなくて、俯いたまま体の前で両手を組み続ける。



 ――――― 大人気分を味わおうなんて

 思った時点でもう、自分を子供だと認めたも同然なのに…。



「 き…今日は…その…気分、だったんです… 」



 そんな自分が、とても嫌だと思った。


 いつまでたっても子供な自分じゃ

 対象外なのは当たり前…。




「 よし!じゃあ俺、抹茶オーレ頼んじゃおうかな?キョーコちゃん、ここ、いい? 」


「 え?あ、はい。どうぞ? 」


「 社さんがそれなら…俺はコークでも行ってみましょうか? 」


 柔らかく言葉を交わしながら椅子へと腰かけた二人の会話に、思わず目を見開いた。


「 いいんですか?お二人とも、そんな、普段飲まないもの…? 」


「「 そういう気分だから!! 」」


 ハモったその言葉に、瞬間ぷっと笑いが噴き出した。


 理由なんて、判らない。

 ただやっぱりこの人たちは、優しい大人なんだと実感した。


 気付かれているに違いない。


 そう想像するだけでも本当にひどく恥ずかしいのに…



 気付かぬふりをしてくれる二人の温もりが


 肩ひじを張らないナチュラルな優しさを私に与えてくれるから。



 いつか、私もこんな優しい大人になりたいと思った。



「 あ、すみませーん!抹茶オーレとコーラを一つずつ! 」


「 ええっ?本当に頼むんですか? 」


 クスクスと漏れた私の笑い声に、二人が小さく安堵の息を吐いたのが聞こえた。


「 そりゃあね… 」


「 気分だから? 」



 本当だ…。

 やっぱり、恋はコーヒーに似ているのかも知れない。


 ときどき甘くて

 油断するとほろ苦い



 努力をしても甘くなるとは限らなくて

 どんなにかき混ぜても苦みが取れる訳じゃないのに


 だけど、

 もう少し大人になったら、この苦味も美味しく感じる事が出来るのかな?


「 キョーコちゃん、コーヒー美味しい? 」


 それが大人になるという事なら、私はまだこのままでいいのかもしれない。


「 えー…まあ…それなりに… 」


 ミルクを落とさず

 砂糖だけをこっそり混ぜ込んで


 もう少しだけ偽りのブラックコーヒーを、味わおうと思った。



 恋はコーヒーより苦くて、砂糖より甘い…







    E N D


なんとな~く、雰囲気だけでも伝わればいいかと♡(*^.^*)

ちなみに、コーヒーが恋に似ていると言ったのは一葉でっせ(笑)


キョコちゃんがナツの特訓を受ける前、蓮がコーヒーを淹れたじゃないですか。

あのとき蓮が、「砂糖とミルク!」と思ったのがちょっと疑問で…。


私、独り暮らしの時、自分が使わない調味料なんて家に置いていませんでしたぜ?砂糖はともかくミルクって…。

それとも時々は蓮も使っていたのかしら?けど、キョーコちゃんの言葉を借りるなら


「敦賀さんはコーヒーでも紅茶でも必ずストレートのはず!!」


キョコちゃんの為に用意してありました!とかだったら可愛い理由よね♡



⇒コーヒー>恋>砂糖・拍手

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