皆様の胸中をお察しします、な一葉です(・ω・)ゞ
多分、タイトルを読んで、目が点になった方が大半だと思います(笑)
5月に全7話で連載しておいて、完結と言った後で最終話が出来た時も「おや~?」な出来事だったのに。
それから3か月も経って、完結したはずのその続きが来るか?って。ツッコミ入れたくなるのも当然だと思います。ハイ。
経緯の云々は置いておきますが、要は私に妄想エッセンスを下さった読者さまがいらしたのです。
◯-×▽■☆y様(多文字伏せ希望とのことでしたので・笑)本当に有難うございましたo(^▽^)o
よろしければまた、妄想エッセンスをふりかけたメッセを頂けたら嬉しいです。
皆様も、どうぞよろしくお願いしますm(_ _ )m ←ある意味、他力本願
念のため、前のお話を知らない方のためのリンク
仔ネコの誘惑<1話 ・2話 ・3話 ・4話 ・5話 ・6話 ・7話 ・最終話 >
~番外編からの派生妄想・最終話のその後~
■ 仔ネコを誘惑 ■
ドラマが放映になった後、一つだけ面白くない事が起きた。
「 あ、あれ、京子じゃね? 」
…彼女の名を呼ぶ人間の数が増えたこと自体は、まあ…いい。
「 あー…本当だー。かーわいいーよなー 」
いつもどこか自分卑下な所がある彼女を、褒めてくれる声があるのも、まあ…いい。
もちろん、内心複雑ではあるけれど、自分の彼女を可愛いと褒めてくれる声を聞いて、男が嬉しく思わない訳はない。
だが…
「 キョンちゃーん!!おいでおいでー? 」
―――――― こういうのが、嬉しくないんだ…。
仔ネコを擬人化した例のドラマは、その変わった設定故に話題をさらった。
京子がキョンという名の仔ネコを演じた事で、芸名をもじったようなその呼び名に、役のままを彼女に投影する人間が出現するようになった事がいただけない。
なまじ俺が、演技指導と称してほぼひと月の間、頻繁に彼女をネコっ可愛がりしていた事実がドラマ放映後に浸透していったことも、この現象を招くきっかけとなった。
ネコは気まぐれだと聞くけれど、哺乳動物である以上、個体にはきちんと感情表現がある。
だがその愛情表現は、ネコと生活を共にした人間でないと判らない事も多分にあるだろう。
呼ばれればいつでも飛んでくる訳でもなく
ましてや甘えた声ですり寄ってくる訳でもない。
いつでも気まぐれ。
いつでも自分本位。
それが世間一般でのネコという生き物のイメージで、それがこの自体を白熱させているのだと容易に推察出来た。
「 京子!! 」
名前を呼ばれれば、どうしたって反応して振り向いてしまう彼女。
俺を真似て彼女を呼び捨てる芸能人まで出た事で、不愉快な思いは容赦なく俺にも襲い掛かる。
それでも彼女はその分別をきちんとつけて
「 おっ!!振り向いた!かーぅ!!その薄い笑顔もいいっ!! 」
こんな風に、意味も無く名を呼ばれた時は、挨拶をすることなく顔を背けるようになった。
※注:蓮の躾けです
この、呼ばれた際、ほんの少し笑顔を乗せて振り向く様と
無表情になってそっぽを向く仕草。
これが、本当にネコのようだと一部で話題になり
余計に男たちの懐柔欲を煽り
彼女の姿が見える至る所で、この光景が発生するようになってしまったのだ。
本当に冗談じゃない!と思っているのは事実で
だけど違う感情も混ざり合う、この複雑な男心…。
察してもらえると、ありがたいかな。
「 ――――― キョーコ!おいで? 」
「 ……っ!!敦賀さん!! 」
君の名を呼んで
ほんの少し笑顔を乗せて振り返った君が
さらに笑顔を深めるのは俺にだけ。
一目散に俺を目指して駆け出す君を、全身で受け止める。
これだけが、俺の機嫌を回復する特効薬 ―――――― …
でも、ごめんね?
こんな事になることも、俺が事前に予測しておくべきだったのに。
「 今日、何人に呼ばれた? 」
俺の存在を知っていながら、それでもちょっかいを出す男がいるなんて
俺も案外大した事ないんだと、改めて思う、今日この頃。
「 それは、正確な人数ですか?それとも延べ人数ですか? 」
「 延べ…って 」
「 面白がって、何回もチャレンジする人もいるんです。本当に、こんなに長い間からかわれるのも久しぶりです… 」
「 …………… 」
――――― この場合、ちょっかい出されているのだという事を
彼女に認識させるべきか否かを躊躇せずにはいられない。
そして、もう一つ起きた弊害…
「 きゃぁぁぁ!!敦賀さんだー!!敦賀さーん! 」
所構わず俺に飛びつこうとする野良猫が増えた事。
だけどこの場合…
「 ネコパンチ!! 」
「 痛ったぁ~…。もぉ!何するのよぉ~!!いいじゃない、ちょっとぐらい~!! 」
「 ダメです!大体あれはドラマだけのお話です。気軽に抱きつかないで下さい! 」
「 京子ちゃんは飛びついているじゃない! 」
「 それはっ!! 」
俺の仔ネコが、かわいいネコパンチで俺を守ってくれるから…。
正直これだけは、幸せすぎて笑いを止めることは出来ない。
「 ああ…ごめんね?俺の仔ネコが失礼な事を… 」
爽やかに笑顔を振りまいて、可愛い仔ネコを腕の中に閉じ込める。
「 やん!なんで抱っこするんですか!…敦賀さんっ!? 」
「 ダメだよ、じっとして?じゃあ、失礼するね 」
「 ええ?もう行かれるんですか~? 」
「 うん。時間が無いから。ごめんね? 」
抱き上げた小さな身体を独り占めして、早々に歩き出す。
こうするのはもちろん、自分の欲望だからっていうのもあるんだけど
俺と彼女の関係を、とにかく徹底的に周知させて
彼女に声を掛ける男たちを牽制するのが、本当の目的。
同時に、このドラマの続編がたとえいい条件で来たとしても、もう絶対に受ける気はないと心に固く誓った。
そんな俺の、目下の敵。
それは―――――― …
「 キョーコ!! 」
「 ……っ!!せ、先生!! 」
「 父さんだ! 」
「 お父さんっ!! 」
「 わっ!!ちょっと… 」
俺の腕の中にいても
するりと身を翻してしまう君。
俺のそばから、父の元へと駆けていく君を見るのは
本当に面白くないのだと、気が付かないところも面白くない!
「 おおっ!!可愛さに増々磨きがかかったな 」
「 昨日、会ったばかりですよ?それに、そんな事言うの、お父さん位です 」
「 うん?お前の尊敬する先輩俳優とやらは、そんな事も言ってくれないのか? 」
「 は?え!?いえ、あの!!敦賀…さん、は… 」
「 俺が、なに? 」
「 な、何でもないです!!…っていうか、敦賀さんっ!!手っ!! 」
思いっきり細い腰に手をかけて、赤くなった君を逃さない様にと指に力を込める。
本当に面白くないんだと、いい加減、気が付いて欲しいよ。
ただでさえ、父は俺にとって目の上のタンコブなんだから。
「 …やあ、敦賀君。いつもわたしの娘がお世話になっているね 」
「 …こちらこそ。いつも俺の彼女がお世話になっております 」
どさくさまぎれの紹介で、浮かべた笑顔を凍らせて目を見開いた父の顔に、少しばかりの満足感を覚えなくもないけれど。
こんなことをする自分を、我ながら小さい男だとも思ってしまう。
完璧な、八つ当たりってやつだよな。これ。
「 お?あれ…京子と敦賀君と、クー・ヒズリ?すげっ!! 」
耳に届く噂話。
芸能人なら慣れもするけど。
「 京子、顔真っ赤じゃん。かーわいー 」
「 あ、本当だ。可愛いよなー 」
今日、何度目だか判らない彼女を呼び捨てる男の声に
さすがに漏れる溜息は最大級の深さになった。
「 呼んだら振り向くかな? 」
「 お?呼んでみようぜ? 」
「「「きょーこー!! 」」」
親衛隊かと思う数人の男の叫び声。
声がダダ漏れだっただけに、無視しようと決め込んだ俺と彼女とは反対に、鋭く反応を返したのは父だった。
「 …ほぅ…?わたしの娘を、呼び捨て、か…? 」
「 すぅ…!!すみませんっ!! 」
それこそ大慌てで、逃げて行く男たちを俺たちは呆然と見送った。
この、低く唸った父の喝がくだって以降
面白半分に俺の仔ネコを誘惑する男の数は激減し
彼女を呼ぶのはまた、俺だけになった。
…が。
「 …どうした、蓮?元気ないな? 」
「 ちょっと…。自分の今後の在り方について、少し思う所がありまして… 」
ありがたいと、感謝の念を沸かせるよりも
「 お前、勝手なイメージチェンジはやめてくれよな。どうせキョーコちゃん絡みだろ? 」
「 社さん、冷たいです。当たらずとも遠からずですけど… 」
父を超えられるのはまだ当分先になりそうだと
苦い思いだけが俺の胸中に宿った事は、見なかったことにしようと思った。
E N D
一葉がどうしても書きたかったシーン。
キョコの「ネコパンチ!!」
蓮じゃなくても腰砕けだと思う(笑)
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