通常運転に戻ったはずの一葉です。
テレビを見てても通勤中でも仕事の合間でも、ふと思い浮かぶのは揺るぎもしない蓮キョ妄想。
…愛溢れすぎ(笑)
本当に、スキビスキーの妄想って果てしなくて、通常生活中に降りて来る妄想に身もだえする時、我ながら本気で恐れを覚えちゃったりする事があります。(主に真面目書類を読んでいる時)
仕事場がね、若干いま空気悪くて居心地悪いのです…。春の人事異動は職場に大地震を起こすよね。その波動っていうか、反動っていうか。とにかく人の言い争いでここまで自分の気持ちを落ち込ませたのも久しぶりって感じで。
だから、たぶん、気持ちを浮上させたくて。メルヘン…?
うん。まぁいっか。
初メルヘンパラレル童話調
でも展開はバレバレだと思われます。多分、ベタで王道?なんです。すみません。
~蓮キョでメルヘンパラレル~
■ 一緒に住もうよ ■
冬も間近に迫ったある日。
幼馴染のキツネとウサギは、自分たちが冬を越すためのそれぞれの家を、それぞれの好みで建てました。
キツネの名前を尚。
ウサギの名前はキョーコと言いました。
尚は何事にも派手好きで、人と同じことを好まない性格でしたので、誰も作った事のない氷でできた光あふれる大豪邸を建てました。
たいしてキョーコは、木の皮を上手に編み上げて作った木の皮の家を建てました。
内装は可愛く凝りに凝って。
家の大きさはそれほどでもありませんでしたが、納得のいく出来栄えにキョーコは頬を染めてホクホクと喜んでいました。
そんなキョーコの家を見て、尚は声高らかに笑います。
「 なんだ?お前の家、そんなしょぼっちいのか。俺の家を見てみろよ!光あふれる豪華絢爛な家だぞ! 」
幼馴染からのヤジに、キョーコは長い耳をうなだれさせて、これでいいんだもんと可愛く呟きました。
二人はそれぞれの家で冬を過ごし、やがて春がやってくると、あれほど光を弾いてキラキラと輝いていた尚の家は跡形もなく溶けて消えてしまいます。
家を失った尚は舌打ちをし、変わらず立ち続けているメルヘンチックなキョーコの木の皮でできた家を疎ましく眺めていました。
とある晴れの朝。
久しぶりに原っぱに野草を摘みに行こうと鼻歌交じりにキョーコはお出かけをします。
木の皮で作ったお家は鍵がかかっていませんので、不用心といえば不用心なのですが、特に困ったこともありませんでしたので、キョーコはそのまま出かけてしまいました。
それがいけなかったのです。
キョーコが出かけるとすぐ、尚はキョーコの家へと上がり込み、入り口に鍵をつけてキョーコがお家に入れないようにしてしまいました。
メルヘンチックな内装は尚の好みではありませんでしたが、お茶やお菓子のそろっているキョーコの家は至れり尽くせりです。
何も知らずにキョーコは原っぱに出かけ、たくさんのキノコや野草を摘んで帰ってくると、窓から顔を出した尚にこう言われてしまいます。
「 おう、キョーコ。持ち主がいない家があったから、俺様の家にしたぜ 」
キョーコはウサギの耳をピンと立てて尚に抗議をしましたが、ずるがしこいキツネの尚はケッケッケ…と嗤うばかりで家を明け渡してはくれません。
悲しくなったキョーコは泣きながらその場から立ち去ります。
とぼとぼと歩いていると、亀に似た小ぶりのスッポンに声をかけられました。
ちなみに、スッポンの名前は光と言いました。
「 あれ?ウサギのキョーコちゃんじゃない?そんなに泣いてどうしたの? 」
「実は、キツネの尚に私のお家を取られて帰れなくなっちゃったの… 」
赤いお目目が潤んだキョーコの可愛い瞳に、光の心臓はドキュンと撃ち抜かれます。
自分の心臓をドキドキさせながら、彼女の役に立ちたいとばかりにこう言いました。
「 じゃあ、俺がキツネの尚を追い出してあげるよ!だから泣かないで! 」
「 本当に?そんなことが出来ますか? 」
「 もちろん。俺はスッポンだよ!?一度食いついたら離れない強さを持っているよ。大丈夫。キツネは恐れをなして逃げ出すよ 」
その言葉に少しの笑顔をこぼしたキョーコ。
よろしくお願いしますと頭を下げて、二人は木の皮の家に戻りました。
「 やい!キツネ!キョーコちゃんのお家を彼女に返せ!そうしなければお前のしっぽに食いついて離れないぞ! 」
しかし木の皮の家には鍵が付いていますので、スッポンの光は家の中に入ることは出来ず、尚の尾っぽを噛む事も出来ません。
キツネの尚はケタケタと嗤いました。
「 何を言ってやがんだスッポン!お前こそ俺がスッポン鍋にして食っちまうぞ 」
そう言われて大きな鍋を窓から見せられると、光は食べられたくないとばかりにすごすごとそこから逃げてしまいました。
キョーコがまた泣きながら道を歩いていると、今度は通りがかりのクジャクに声をかけられました。
クジャクの名前はレイノと言います。
「 おや?そこの可愛いウサギはキョーコじゃないか?何をそんなに泣いているんだ 」
キョーコは瞬間、悪寒を感じたのですが、今はそれどころではありません。
春とはいえ夜はまだ寒く、家がどうしても必要なのです。
光の時と同じように、キョーコは事情をレイノに話しました。
「 実はキツネの尚に私の家を取られて帰れなくなっちゃったの… 」
「 ふむ…それは気の毒だな。じゃあ、俺がそのキツネを追い出してあげよう 」
「 でも、スッポンの光さんは出来なかったのに、クジャクにそれが出来る? 」
するとレイノは口角を上げて妖しく笑みを漏らしました。
「 何を言っている、俺はクジャクだ。この美しい羽を広げてバカなキツネに突進していけば、あいつは俺の美しさに恐れをなして逃げ出すに違いない。ふふふ… 」
その言葉に引きつった笑顔をこぼしたキョーコ。
それでもよろしくお願いしますと頭を下げて、二人は木の皮の家に戻ります。
「 おい…そこのキツネ。キョーコの家を素直に明け渡せ。そうすれば俺はお前を見逃してやるぞ? 」
しかし尚は木の皮の窓を閉め、レイノの姿を見ようともしません。
恐れをなすどころか、ずるがしこいキツネの尚はケタケタと嗤いました。
「 相変わらずうっせー奴だな。お前のご自慢の羽を全部引き抜いて、お前を痛い目にあわせてやってもいいんだぜ? 」
そう言われたクジャクのレイノ。
死ぬのは怖くないが痛いのは御免だと言って、すごすごとその場を立ち去りました。
キョーコがまた泣きながら歩いていると、今度は通りがかりのイノシシが声をかけてきました。
イノシシの名前は村雨と言いました。
「 あれあれ?どうしたのウサギの女の子。何か悲しい出来事が? 」
キョーコは目に涙をためたまま、正面から村雨を見上げます。
村雨の心臓がわずかに跳ね、脳裏にはこの子、ちょっとかわいいんじゃないか?などと素直な感想が過ぎります。
キョーコはそんな事には気付かずに、光やレイノの時と同じように事情を村雨に話しました。
「 実はキツネの尚に私の家を取られて帰れなくなってしまったんです… 」
「 それは可哀想に。じゃあ俺がこの腕っぷしでキツネを追い出してあげるよ 」
キョーコは不安になってこう言います。
「 でも、スッポンの光さんでもクジャクのレイノでも出来なかったんです。イノシシの貴方に本当にそんな事が出来ますか? 」
「 大丈夫。俺はこう見えても若い頃かなりやんちゃしていたから、腕には自信があるよ 」
不敵な笑みを浮かべた村雨の言葉に笑顔をこぼしたキョーコ。
よろしくお願いしますと頭を下げて、二人は木の皮の家に戻ります。
「 おーいキツネ。この子にその家を返してやれ?じゃないと勢いで突進して家ごとお前を潰してやるぜ? 」
けれど、その言葉に青ざめたのは尚ではなくキョーコでした。
「 それは困ります!お家が無くなったら帰るところが無くなっちゃいます!村雨さん、もういいですっ!! 」
「 ええ?でも… 」
キョーコは本当にもういいですと言って村雨を追い帰し、また泣きながら道を歩き始めました。
もう日が暮れようとしています。
自分に協力を申し出てくれたスッポンの光さんも、綺麗な羽を持ったクジャクのレイノも、力強いイノシシの村雨さんでもキョーコの家を取り戻す事は出来ませんでした。
もうこのまま、あの居心地の良かったお家には帰れないのかもしれないと、昼間、野草を摘んだ原っぱに座り込んでキョーコが思うがままに泣き叫んでいると、今度はオオカミが優しく声をかけてきました。
ちなみにオオカミの名前は蓮と言います。
「 うん?ウサギのキョーコちゃん?どうしたの、そんなに泣いたりして。何か、悲しい事でもあったのかな? 」
優しく声をかけて来たオオカミの蓮を見上げて、キョーコは悲嘆に暮れた真っ赤な目から涙をこぼしながら、光やレイノや村雨の時と同じように事情を蓮に話しました。
「 実は、幼馴染のキツネの尚に私の家を取られて、家に戻れなくなっちゃったんです… 」
「 それは可哀想に。君が頑張って建てた家だったんだろう?じゃあ、俺が一緒に行って、キツネを追い出してあげるよ 」
蓮の顔から優しい笑顔がこぼれ、キョーコの頬を滑る涙を優しく掬い上げます。
…この人を信じてもいいのかしら?
優しい笑顔を見つめながら、キョーコは不安になって蓮にこう言いました。
「 でも、スッポンの光さんでもクジャクのレイノでも、イノシシの村雨さんでも出来なかったんですよ?本当にオオカミの貴方にアイツを追い出すことが出来ますか? 」
瞬間、蓮の心に魔王が降り立ち、怒りを込めてキョーコを睨みつけます。
「 …最初から俺に言えばいいものを。君はそんな男たちに助けを求めたんだ…? 」
「 ひっ?すみませ… 」
ビクリを身を震わせたキョーコの両肩に両手を伸ばし、魔王を引っ込めると、今度は神々しいほどの笑顔をたたえて蓮は優しくこう言いました。
「 大丈夫だよ。俺にすべてを任せて。…ね? 」
そう言って、キョーコを優しく胸に抱き締めます。
トクンと聞こえる蓮の心臓の音に安心して、キョーコは笑みを浮かべながら素直にコクンと頷きました。
「 …はい、お願いします… 」
二人が木の皮の家に戻る頃には、もう夕闇が迫っていました。
これで追い出せなかったら今夜は野宿決定です。
尚は木の皮の家の窓から顔を覗かせて、フフンと不敵に笑います。
その姿を認めた蓮は、腕を組んで深く溜息を吐き出した後、きわめて穏やかな口調でこう言いました。
「 そこのキツネくん?その家をキョーコに返さないなら、ありとあらゆる方法で君を陥れた後、息の根を止めて毛皮のコートにしてやろうと予定しているんだけど、経験…してみる? 」
言われた瞬間背筋がざわつき、キツネの尚はブルルと震えた後、ぶつぶつと文句を言いながらも木の皮の家の窓から一目散に逃げ出していきました。
驚いたのはキョーコです。
本当に尚を追い出してくれた蓮に目を見張り、心からの礼を述べて頭を下げます。
「 本当に有難うございました!おかげで野宿をしないですみます。あの…もし宜しければ夕食をごちそうさせてください。昼間、原っぱで沢山の野草を摘んできたんですよ! 」
蓮の瞳がキラリと輝き、柔らかな笑顔がこぼれます。
「 そう?ありがとう。じゃあ、せっかくのお誘いだから遠慮なくご馳走になろうかな 」
「 はい!どうぞ!あの、決して広くはない家ですけど、私のお気に入りのお家なんですよ 」
そう言って、二人は無事、木の家に入ることが出来ました。
尚が付けた鍵はそのまま家に残っていましたので、これで多少の不用心さも解消されそうです。
けれど蓮は、ずるがしこいキツネの尚はまたキョーコの家を狙うかも知れないと彼女に注意を促します。
美味しいキョーコの食事を頂きながら、蓮は不安だよね?とキョーコに同意を求めました。
「 そうですね。もっと鍵を買ってきた方がいいのかもしれません… 」
キョーコがそういうと、蓮は食事の手を止めてキョーコに優しく囁きます。
「 もっと、良い方法があるよ? 」
「 え?それは何ですか? 」
にっこりと笑う蓮の笑顔にキョーコは心臓の高鳴りを覚え、頬を赤く染めます。
改めて蓮を見ると、彼の類稀なる美貌に視線は釘づけです。
片手で頬を支えながら、蓮は静かに言葉を続けました。
「 君さえよければここに俺も住まわせて?そうしたらキツネに家を取られることはなくなるし、もう少し頑丈な家に補強することも出来るよ? 」
その申し出に、キョーコは胸をときめかせます。
光さんにも、レイノにも、村雨さんにも追い出すことが出来なかった、あのずるがしこいキツネの尚を、オオカミの蓮だけが簡単に追い出すことが出来たのです。
彼が一緒に住んでくれるなら安心、安全であることはまず、間違いありません。
「 本当ですか?とっても助かります!でも、本当に良いんですか? 」
何度も何度もお礼を言っては、大丈夫なのかとキョーコは確認をしますが、その度に蓮は大丈夫だよと柔和な笑顔を咲かせてくれます。
「 本当に…そんなに何度も確認しなくても大丈夫だよ。君は何も心配しなくていいんだから。俺、精一杯頑張らせてもらうね? 」
「 そんな…こちらこそ、よろしくお願いします 」
こうして無事に家を取り戻せたウサギのキョーコは、頼もしい用心棒であるオオカミの蓮と一緒に暮らすことになったのですが…。
「 …んン…あん…ぃやぁぁ…ん…ん…蓮…さ 」
「 ――――― うん。もう本当に、最高の晩餐だよね… 」
毎晩ウサギのキョーコちゃんが、オオカミの蓮に美味しくいただかれることになるのは、また別のお話の様です。
E N D
…まぁ、つまりアレだ。本当に危ないのは誰なんだろうねっていう…教訓話?
いや、今日キュン話?違うな(笑)
でも童話って、色々な事を教えてくれますよねヽ(~∀~||;)おい…
このお話の元ネタは、ロシアの童話、ウサギとキツネです。
突っ込みどころ満載の童話で、そもそも氷の家で冬を過ごすキツネって…って思って吹き出しました。
そして、この童話でウサギを助けるために順番に出て来る動物が、オオカミ→熊→カバ→雄鶏っていうね…。そして雄鶏が用心棒になるのですが…。
いやもう、本気で突っ込みどころ満載って気がするのは私だけでしょうか??
一葉が持つイメージでスキビキャラに勝手にそれぞれを充てがってしまいましたが…。イノシシを村雨(あえて呼び捨て)にしたのは、貴島さんだとそのイメージに重ならないから。ただそれだけです。
そしてやっぱりオオカミは蓮でしょう(笑)それ以外ありえないだろうって…思いました…。
これをメルヘンと呼んでいいのかどうかはさておき、童話いじり初めてだったので、なんか新鮮で面白かったです。
お付き合い頂きまして有難うございました!(‐^▽^‐)
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