SS 関係者以外立入禁止 | 有限実践組-skipbeat-

有限実践組-skipbeat-

こちらは蓮キョ中心、スキビの二次創作ブログです。


※出版社様、著作者様とは一切関係がありません。
※無断での転載、二次加工、二次利用は拒断致します。
※二次創作に嫌悪感がある方はご遠慮ください。

お早うございます。今日はお休み音譜なので、ぼ~っと幸せを噛みしめようと目論んでおります一葉梨紗でございます。


はぁ…(  ゚ ▽ ゚ ;) メロキュンの策略プレゼントの続きが…続かない。

続きなのに続かないとはあせるこれいかに!?


ってことで(←どんな事だ)、先にまとめ上がった(…のか?)が

まさか!のドン☆フェス話。

ゆみーのん様を筆頭とする著者皆様の甘々ニタニタのお話に肩を並べられないレベルなのは判っていますが汗


もうこれ以上はどうにも出来ないし…(;°皿°) 波

moka様ごめんなさ~い。もぉこれでいっぱいいっぱいです…o(TωT )


あの…念のために最初に申しておきますが、このお話に関してはぬる~くお付き合いいただきとう存じます。(いつもだけど)


※キョコがナツになる為に蓮とモデルアクション特訓をした次の日の妄想です


ACT127の続き妄想とも言う、ドンフェス☆捧げもの

■ 関係者以外立入禁止 ■






 ダークムーン撮影の合間の休憩中。

 キョーコはパイプ椅子に座りながら、今にも転げ落ちそうなほどにウトウトとしていた。


 無理も無い。

 10代とはいえ、仕事の後でモデルアクションを体得するために、一晩中身体を使っていた挙句、寝る間を惜しんでプリンセスローザを使ったペンダントを手作りしていて、ほぼ眠っていないのだ。


「最上さん … 大丈夫?」


 出番が終わり戻って来た蓮はキョーコにそう問いかけたが、キョーコの方はその声を聞くなり意識を瞬時に取り戻し、大丈夫ですと大急ぎで返答する。


 しかし、次の瞬間にはもう瞼が落ちそうになっていた。



( 無理も無いよな。ベッドに頭を預けてウトウト位じゃ… )



 白熱しすぎてあれこれと叩き込み過ぎたかと、さすがに蓮も反省してみたものの、いまそれを思っても後の祭りに過ぎない。

 いつも元気印のキョーコだったが流石の寝不足には勝てないらしく、そうしている間にもイスから転げ落ちそうになっている。


 蓮は浅く息を吐き出すとキョーコの隣の椅子に腰を掛け、穏やかな口調で囁いた。



「最上さん。俺に、寄り掛かって寝ても良いよ?」



「えええぇぇっ !! いえいえ !!! そんなっ … !!



 自分の欲望など微塵も乗せずにそう口にしても、瞬時に覚醒して目を見開いたキョーコは予想通りにそれを拒む。


 ま、判っていたけどね、と蓮は内心で思わず舌打ちをしながら、遠慮しなくてもいいのに…と続ければ、私は大丈夫です!と極めて強い口調でキョーコは言う。

 しかし瞼はすでに半開きの状態で、ちっとも大丈夫そうには見えなかった。



「 じゃあ … コーヒー、買ってくるから、待ってて?」


「 え?いえ。いいですよ、敦賀さん 」


「 ん?飲みたくない?それともやっぱり寄り掛かって寝る?」


 至極嬉しそうに両手を拡げた蓮にそう言われれば、既に2択となっている選択肢の一つである『 現場で蓮に寄り掛かって寝る 』なんて恐れ多いとばかりにキョーコは素直にぺこりと頭を下げて、コーヒーをお願いしますと言うしかない。


 ほらやっぱり…と言いたげな笑みを浮かべ、蓮は大きな身体を優雅に立ち上げると、表情を蕩ける笑顔へと変貌させて待っててねとキョーコに声をかける。

 瞬間、そのまばゆい笑顔に驚きキョーコは目を見開くものの、やはり寝不足には勝てないのかすぐに目をしょぼしょぼとさせた。



 本来ならば、自分が買いに行くのが筋というものだろう。

 しかし、正直な事を言ってしまえば、キョーコにはその道中でさえ意識を手放してしまうのではないかという危機感すらあった。

 歩いて行く蓮の後ろ姿を目で追いかけながら、朦朧とする意識を何とか保とうと立ったまま先輩俳優の帰りを待つ事にした。



 目前で繰り広げられている現場では、撮影は順調に続いている。

 今はキョーコ一人が現場前の休憩スペースにいるので、意識を手放した所で誰にも迷惑を掛ける事は無い様に思える。

 しかし仕事として現場に居る以上、眠るのはご法度だとキョーコが思うのは、仕事に対する彼女の責任感の強さの表れでもある。


 立っていれば平気だろうと考えたものの、キョーコの身体は自然と壁際に吸い寄せられ、無意識に背中を壁に押し付けると、その姿勢のまま静かに目を閉じてしまった。



 一方、蓮はといえば。

 コーヒーを飲むのであれば濃いめの方が良いだろうと考え、缶ではなくコーヒー豆を挽きドリップしてくれる最新式の販売機から本来の目的であるキョーコの分と、ついでに自分の分とを買い求め両手を塞いだ状態で現場へと戻った。


 壁に寄り掛かって立っているキョーコの姿を認めると、彼女の泳ぐ頭が既に眠りに誘われている事を暗示していて、蓮はそこで小さくため息をこぼす。



( どうしてそこで無理するのかな… )



 座っていた時でも床に転げそうな勢いだったのに、立った状態で意識を手放してしまえば頭を打つどころの騒ぎではない。



 足早にキョーコの元へと近づき蓮が声を掛けようとするが、キョーコの肩が壁伝いに落ちそうになっているのに気付き、慌ててキョーコを抱き止めようと手を伸ばす。その瞬間、紙コップに入ったコーヒーの存在を思い出し、それが愛しい少女の身体にかかってしまうと瞬時に手の動きを止めた刹那、思わず出たのは左脚だった。



 ズガァン!とスタッフの度肝を抜く大きな音が現場に響いた事に蓮本人も驚いたものの、冷静になろうと溜息を一つ吐いてからキョーコが床に激突落下するのを防止できた事に胸をなでおろす。



 何事が起きたのかと音の正体を探るべく、共演者もスタッフも誰もが周囲を見回している。

 蓮はその事には一切気付かずに、両手に分けて持っていた二つのカップを左手に持ち替え、空いた右手を壁に押し付けた。



 壁をなめている靴底を徐々に下ろし、右脚を器用にずらしながらキョーコとの間合いを狭めていく。

 蓮の脚に寄り掛かる形で寝ているキョーコを起こさない様にと、慎重に左脚の膝を壁に押し当てることに成功するとそのまま脚を固定した。



 当然、そこに至るまでの経過を知らない共演者たちは、蓮の脚に巻きつかん体勢のキョーコと、そのキョーコを壁と身体とで挟み込み、左脚と右手で囲う様にしている蓮の姿にそれが濡れ場以外の何に見えようかと、赤い顔で固唾を飲み込んだ。



( えーっと … 。なんか、間抜けだな … )



 コーヒーを二つ持った左手をあけることも叶わず。

 かと言って脚をそれ以上動かす事も出来ず。

 撮影が中断され、自分たちが注視されている事にも気付かずに、蓮はこの場をどうしようかと考える。


 こんな事態になっても、キョーコは眼を覚ましていない。

 無理矢理起こすのも可哀想な気がするのだが、このまま寝かせておくにはいささか体勢に無理があり過ぎて、どうすればいいのかと悩んでいる時、救世主が現れた。



「何してんだ?蓮?」


「ああっ!! 社さん、助かりました。ちょっとこれ、持っててくれますか?」


 もちろん差し出したのはコーヒーで。


( はぁ?普通、こういう場合、彼女をお願いしますって… )


 言うんじゃないのか?と考えてから、社は首を横に振った。


( いやいや…。相手がキョーコちゃんなら蓮がそう言う訳ないよな )


 色めく野次馬に背中を押されて蓮のそばに来てみたものの、案の定色っぽい理由などは一つも無い事に、社はやっぱりな … と心の中で溜息を吐いた。


「 はいよ… 」


 蓮は左手がフリーになるとホッと安堵の息をもらし、自分の足に落ちたキョーコをお姫様抱っこで抱え上げる。


 少し離れた所で、蓮の一挙手一投足を見ながら異様な喧騒を見せている現場スタッフや共演者たちの存在にはまるで気付かない風に、自分の腕の中で眠るキョーコを見下ろし、蓮は優しい笑顔をこぼした。



「 社さん。少し最上さんを寝かせてあげたいので、監督にそう言っておいてもらえますか?」


「 ―――― まさか、自分の楽屋に連れて行くのか?」


「 ・・・・ダメですか?」


「 ダメだ。現場の休憩室にしろ 」



 既に現場のスタッフも共演者も、この場の成り行きを凝視している。

 実際にはキョーコは寝ているだけだが、この状況では何かがあって意識を失っている様にも見える。そのキョーコを蓮が自分の楽屋に連れて行く事が、どんなうわさをまき散らす事になるのかを考えれば、それはマネージャーとして避けねばならないと社は思った。


 そしてこれは、敦賀蓮の為以上に、何より未成年の京子を守る為でもある。


 蓮の気持ちを知っていればこそ、どんな時でも応援してやりたいのは山々だが、いちいち昨夜の事情を全ての人に説明して回る訳にはいかない。

 社はごめんと思いながらも心を鬼にした。



「 俺はどっちでも構わないんですけどね 」



 現場の控室は出番待ちの部屋なので、関係者なら誰でも出入りできる。

 なるべくなら安心して寝かせてあげたい気持ちがあったが、社が危惧している理由は蓮にも見えた。

 そっけなく社に返答した後、軽々とキョーコを抱き上げたまま蓮は静かに歩きだした。



 東の窓から明るい日の光が差し込んでいる控室に入ると、蓮はキョーコの顔に太陽の光が当たらない場所を選んで静かにソファに座らせる。その隣に自分も腰を下ろすと、自分の肩にそっとキョーコを寄り掛からせた。



 身体にかかるのは信頼の重み。

 肌に伝うのは安寧の体温。


 健やかに寝息を立てるキョーコの呼吸を聞きながら、蓮は再び静かに笑みを浮かべて、少し長めに目を閉じた。



( 昨夜 … 頑張ったからね・・・・・・ )














「 ・・・・・あれ?寝ちゃってるみたい?」


 控室の入り口で、優しく囁くような声が、小さい笑い声になった。


「そうみたい… 」


 共演者である大原と逸美の会話に、後から続いた社が加わる。


「 あ ――― … すみません。昨日、二人でキョーコちゃんの新しい役柄の特訓をしていたみたいで… 」


「 え?そうだったんですか?」



 様子を見に来た緒方監督も加わり、肩を寄せ合って寝ている蓮とキョーコを眺めながら、4人はその場でほんわかと笑顔を浮かべた。



「 いいですよ。もう少し寝かせてあげて下さい。まだ他に撮れるシーンがありますから 」



「 そうよね。そーっと…しておきましょ 」



「 本当にすみません… 」



 結局、ダークムーンの専用控室だったそこは蓮とキョーコのために隔離され、関係者以外立ち入り禁止の札が3時間、けなげに見張りを続けた。





     E N D


信じられない… Σ(~∀~||;) 入力と編集に3時間もかかっちゃった…。


このお話で一番書きたかったシーン…。

蓮とキョーコが寄り添いながら寝ているとこ。

つまりダン☆フェスは付け加えただけっす。

お粗末でしたっ  ((((((ノ゚⊿゚)ノ



⇒関係者以外立入禁止・拍手

Please do not redistribute without my permission.無断転載禁止



◇有限実践組・主要リンク◇


有限実践組・総目次案内   

有限実践組アメンバー申請要項