去年のある時期、何故か今まで手に取ることがなかった「海外の未知なる場に飛び込んでいく」系の本にはまった時期があり、これはその時期に購入したうちの1冊。

とりあげている対象は「未知なるものシリーズ」のようだが、簡単に言えば東南アジアの旅行記。それも観光的な要素を一切排除した、不確かな歴史をひも解く系の旅。なので一般的な冒険譚がもつ物語としての魅力や妖艶さのアドバンテージは少ない。

しかし文章がうまい。ただ、どのように上手いのかは説明がしづらい。
「Getting lost will help you find yourself」という言葉があるけれど、その言葉を体現するとこうなるのだろうか?という感覚に近い。そこでFindしたものがきちんとシェアされているわけではないので、物足りなさも感じる人も多いだろうけど。

なんだか素直にお薦めするレビューではなくなってしまったけど、1つお気に入りのパートを紹介しておく。これはビジネスシーンに置き換えても同じことが言えると思う。なんでもかんでもビジネスに置き換えるのは、読書スタンスとしては品がないかもしれないが。

私がクガルに、中国の成句「中国人は死を恐れないが貧を恐れる」というのを教えると、彼は急に思慮深い顔に戻ってこう言った。
「とすると中国人は永遠に成功しないな。貧を恐れるっていうことは金になれば何でもやるということだろう。そこにはモラルは生まれない。そして、モラルを持たない人間は集団として決して成功しない。」

西南シルクロードは密林に消える (講談社文庫)/高野 秀行

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この本のkey lineは読み始めて数ページ目に書かれている。

「それがあなたのやりたいことなら、やりなさい。しっかりやりなさい。」

これは著者ジョン・ウッドがマイクロソフトを辞め、
NPO団体を立ち上げることを両親に報告した際の、両親からのアドバイスのワン・シーン。

これは本には書いてない完全な推測だけど、
ジョン・ウッド自身NPO立ち上げにあたっては、
「現在の地位や財産を投げうって犠牲にしてでも、恵まれない子供たちのために」
というヒロイズムを多少は感じていたんじゃないかと思う。

この言葉はそんな息子に対して、
苦労して、きつくて、一切うまくいかないとしても、自分が決めたことならちゃんとやりなさい、
という厳しさも含まれていたのではないかと思う。
そしてその上で、
あなたがそういうふうに向き合い続けるのなら、少なくとも私たちはずっと応援しているから、というあたたかさを添えて。

この本の中では”Think Big”というフレーズが頻繁にとりあげられているし、
ビジネスをスケールさせるためのkey wordとしてはそっちの方がわかりやすいと思う。
実際に読者の多くはそういう点を読みたくてこの本を手に取っているらしい。

とはいえ、もし何かいま、現在新しい物事を始めようと考えているのであれば、
上述の言葉こそ最も力強く、そして丁寧に自分の考えを整理する手助けをしてくれるのではないかと思う。

僕の「天職」は7000人のキャラバンになった マイクロソフトを飛び出した社会起業家の成長物語/ジョン・ウッド

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