(旧) 霜月十四日

 

 
 
日本語より異国の言葉の多々聞こえ
魔界の主の見えなくなりぬ
 
雲端
 

 

大阪新世界。

かつてここは、高度経済成長を支えた

出稼ぎを始めとした、日雇い労働者の街だった。

ジャンジャン横丁は、そんな男たちの社交場。

僕らが子どもの頃は「危ない所」というレッテルが

貼られ、近寄りがたい場所だったのだ。

(本当は気のいいオッサンが多かったのだが)

魔界の主とは、そういう彼らを指す。

けれど、いつの頃からか観光地化が進み

今ではインバウンドで賑わう。