「おつ~!」
「コッ…」
 プラスチックコップの音は響きません。


 本日のカレンさんちの小さなバルは番外編。戸塚、柏尾川でお花見です。





「いや~!のぞみくん!お花見日より!だね!暑くも寒くもなく風もなくて!桜は満開じゃあないけど!ね!」
「そうですね。カレンさん。やっとの春が来たって感じで、気持ちがいいですね。で、湘南名物のこれを用意しました」
「お、なに?」


「『大船軒の鯵の押寿司』です」


「おー!なんかおひさだけど!うまそー!」
「あと、酒肴弁当というのも買ってきました」


「へー!『つまんでよし食べてよし』っておもしろいじゃん!」

 
「お味はいかがですか?カレンさん」


「うんうん。これこれ!うまうま!このアジの酢じめ加減がゼツミョー!やっぱたまに食べるとうまいわ!こりゃ!」
「それはよかった。そういえば、かれんさん。サンドイッチを作ってくれていたんですね。ありがとうございます」


「うん。実はなにげに、このブログで、わたしの料理、お初が、このサンドイッチなのよね。どう?
「おいしいです。はい」


「しかし、あれだねー…のぞみくん」


「なんですか?かれんさん…」



「黒沢明の『夢』みたいだねー」
「夢?ですか?
「うん。天国てば天の国て場所限定されてるけど、ここが天国じゃないかって思うのよね。花が咲いてて、川があって、三途の川じゃないけど、わったわんだふるわーるど?結局、生きてるうちだよね。天国?極楽?楽園?ここにいたのよ。青い鳥は。そう思わない?」
「ですね」