みなさまこんにちは(*^-^*)
安価なジュエリーでときどき見かける
Pt100
の刻印
Ptはプラチナのこと…
え じゃあプラチナジュエリーがこんな値段で買えちゃうの
と、驚かれることもあるかと思います
ですが、Pt100は「プラチナ」と呼ぶには
ちょっぴり疑問が残る金属なんです
本日はプラチナ100という金属について
詳しくお話していきます
プラチナの純度
プラチナ100のことをお話しする前に
まずはプラチナの純度の表し方について解説します
24分率で純度を示す金と違い、
プラチナの純度は1000分率で記載することになっています
つまり、
100%のプラチナのことをPt1000といい
90%のプラチナをPt900
85%のプラチナをPt850
というように呼ぶのです
そして、85%よりも低い純度のプラチナ合金については
「もうプラチナと呼べるだけの純度がない」
と判断され、プラチナ表記はしないこととなっています
あれ
じゃあPt100っておかしくない
と思われた方。
それがこの話のミソなんです
Pt100はプラチナじゃない!
Pt100とは、実は
プラチナが10%含まれた金属のこと
もっと正確に言えば、
プラチナ10%と銀90%の銀合金のことを
Pt100と呼んでいるんです
銀90%っていったらもうそれはプラチナではなく銀ですよね…
日本ジュエリー協会では、
『市場価格が高い元素が少量の合金の表示』について
【例】プラチナ100%と銀900%の場合
①Agのみを表示する…Ag900
②Ptを続けて表示する…Ag900(Pt100)
の2パターンどちらかにしなさいね、と規定しています
ですので、Pt100表記は
本当ならルール違反の表記の仕方なわけです
ではどうしてこんな表記が生まれたのでしょうか
消費者思考から生まれたPt100
突然ですが、銀とプラチナが並べられたときに
より高価に思えるのはどちらでしょうか
たいていのかたは「プラチナ」と答えると思います
そして実際に現在の貴金属相場で見ても
Pt1000がgあたり4,900円台なのに対し
純銀はg90円台がせいぜいです
一般的に「プラチナは銀より高価」という意識は
かなり浸透していますよね
そして、私たちが普段の生活で慣れ親しんでいるのは
1000分率ではなく100分率(%表記)です
そういった消費者意識を加味して
改めてPt100という表記を見ると
「えっ あの高価なプラチナが100%なのに
こんなに安く買えちゃうの」
となってしまう方も多いわけです
もちろん、良心的な業者さんなら
Pt100表記を使う場合でも
「銀90%とプラチナ10%を使用した…」
と注釈を入れている場合がほとんどです
ですが、なかにはこの意識のミスリードを利用して
必要以上のお得感を出しているメーカーもあります
Pt100の性質をしっかり理解していればなんの問題もありませんが
知識不足で想像と違うものを購入しないようにするのには
充分ご注意くださいね
Pt100のメリット
ここまでの話だけだと、なんだかPt100に
ネガティブなイメージばかりついてしまいそうですが
もちろんPt100自体は悪い金属ではありません
銀製品は、硫化と呼ばれる黒ずみがつきものですが
変色しにくいプラチナが混ぜられたことによって
Pt100も黒ずみが出にくい金属になっています
シルバージュエリーは本当にお手入れがたいへんなので
プラチナよりは安価に、それでいて銀よりは変色しにくいPt100は
いいとこどりの貴金属、ともいえるんです
最後に
本日はPt100についてお話ししました
いかがでしたでしょうか
パッと見勘違いを呼んでしまう貴金属ですが
中身をよく理解したうえで選ぶぶんには
メリットのある素材でもあります
もし今後「Pt100」表記のジュエリーに巡り合われた際には
ちょっと注意して購入をご検討くださいね
それではまた