みなさまこんにちは(*^-^*)
腕時計の心臓とも呼べる
ムーブメント
このムーブメントを時計メーカー自身で作ることを
マニュファクチュアール(自社一貫生産)
といいます
マニュファクチュアールの時計ブランドは
そうでないものと比べてどんな特徴があるのでしょうか
本日は時計のマニュファクチュアールについて
詳しくお話ししていきます
マニュファクチュアールとは
マニュファクチュアールとは、冒頭で軽く触れた通り
時計のムーブメントを自社で製造している
時計メーカーのことを指します
もともとの『自社一貫生産』という言葉に則るなら
ムーブメントの部品ひとつひとつまですべてを
自社製品のみで作っているもの
のことをいいますが、
実際にはそこまで厳密に考えられることは少なく
現在『マニュファクチュアール』とされている時計ブランドの多くでは
時計の外装以外の機械部分も自社で作っていますよ
というくらいの、ある程度ふわっとした定義として使われています
メリットとデメリット
マニュファクチュアールの最大のメリットはといえば
メーカーの独自性を発揮できる
という点です
たとえば高度の耐水性や耐磁性を求めたり
特殊な形のケースを使って腕時計を作りたい場合
既製品のムーブメントでは条件に合わず
また、その製品の為だけに他社に
特殊ムーブメントの開発を依頼することも難しいです
そういったとき、自社でイチからムーブメントを作る技術があれば
作りたい理想の時計に合わせて
自由にムーブメントを開発することができます
逆にデメリットはというと
価格が高価になりやすい
というところでしょうか
こだわりを反映しやすいぶん
大量生産が可能な既製品ムーブメントと違い
手が届きづらくなってしまうのは玉に瑕ですね
完全な『マニュファクチュアール』
現在のマニュファクチュアールの定義は
外装以外の機械部分も自社で作っていること
だとお話ししましたが、
当然その範囲もピンからキリまでございます
ムーブメントの中でも細かな部品などは
自社生産するのに技術的な問題があり
一部パーツについては他社から仕入れている…
といったメーカーが多いのが現状です
特にヒゲゼンマイと呼ばれる部品の製造には
非常に高度な技術が必要とされており
ヒゲゼンマイも含めたすべてのムーブメント部品をも
完全自社生産で行っているのは
世界でも一社のみといわれています
その唯一完全なマニュファクチュアールといえるのが、
われらが日本の
セイコー SEIKO
だったりするんです
世界で一社だけの完全マニュファクチュアールが
日本の会社だなんて、なんだかちょっと嬉しいですよね
マニュファクチュアール以外の時計は?
マニュファクチュアールとは違い
ムーブメントを自社以外のメーカーから仕入れて
時計を作っているブランドのことを
エタブリスール
と呼びます
実は時計の本場であるスイスでは、もともと
ムーブメントメーカーが作ったムーブメントを
時計メーカーが仕入れて組み立てる
という分業制が主流でして
既製品ムーブメントであるからといっても
けしてその品質が悪いということにはつながりません
たとえば、みなさまもよく知る
オメガやタグホイヤーなどは
有名なエタブリスールです
エタブリスールの利点としては、
やはりマニュファクチュアールの時計に比べ
お財布にやさしい価格で販売が可能という点が挙げられます
飛びぬけて専門性の高いムーブメントが求められる時計には向きませんが
比較的安価に一定水準以上の時計を量産できる点において
エタブリスールも時計界に欠かせない存在です
マニュファクチュアールが増えている?
さて、マニュファクチュアールとエタブリスールについて
それぞれお話ししてまいりましたが、
実は近年エタブリスールの体制をとっていたメーカーが
マニュファクチュアール化する現象が進んでいます
そのきっかけは2010年に起きた
ETA2010年問題です
時計がお好きなかたならすぐピンとくるかと思いますが
ETAとは、長年スイスでムーブメントを提供していた
世界最大のムーブメントメーカーのことです
このETA社が2010年
「私たちのグループ会社以外には
もうムーブメントの提供はしませんよ」
と発表をしました
これが『ETA2010年問題』です
さきほどお話ししたように、エタブリスールのかたちをとっていた
時計メーカーは、ムーブメントの供給が止められてしまうと
自社で時計を作ることができなくなってしまいます
ETAが供給をやめるなら他社と取引をすればいい…となるには
ETAの業界シェア率は大きすぎました
そのため、これまでエタブリスールであったメーカーの多くが
ムーブメントの自社開発に乗り出し
結果として時計業界全体のマニュファクチュアール化が進んだ
とされています
現時点での品質の良し悪しはあれど、
マニュファクチュアール化がさらに進むことで
これからの時計はもっともっと
独自性も技術も高くなっていくことが予想されます
もしかすると数年後、数十年後には
あっと驚く性能の新ムーブメントが誕生…
なんてことにもなっているかもしれませんね
最後に
本日は時計のマニュファクチュアールについてお話ししました
いかがでしたでしょうか
みなさまの時計選びの参考のひとつになれば嬉しいです
ではまた