『自作童話「おおぞらだいすき」』とJALのB777-200の退役 | 人生を夫婦で楽しむ方法

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食べることが大好きで、一食一食を大切にしております。人生は一度限り、後悔無く暮らしたいです。その為のヒントになるブログにしていきたいです。

昨日のいちろうのもう一言に書きましたが、流石に記事が長すぎて読んで頂けなかったようなので、

独立の記事にしたいと思います。(ちょっと図々しいですが、)


昨日の新聞に掲載されましたが、JALのB777-200が全機、退役していたのですね。

JALのB777-200は、JASからお世話になった機体で、JAS時代はレインボーセブンと呼ばれ、

機体の虹のリボンが美しかったです。

スーパーシートやレインボーシートの3シート体制で運行されており、現在のJALの3クラスシートの

ルーツは、JASのこの飛行機からもたらされていますよね。

+1,000円の快適(クラスJ)は、ここからきているのですね。

JALに移管されてからは、ファーストクラス付き、機材として幹線で運行されていましたので、

一番良く乗った飛行機かもしれません。

国内線ファーストクラスに初めて乗ったのもこの飛行機でした。エンジンの問題はありますが、第3の人生をしっかり歩んで欲しいです。

私のブログには、童話というテーマがありまして、(笑) 私の自作の童話を掲載しております。

yahoo時代から読んでいる方はご存じだと思うのですが、

読んでいない方は、読んで頂けたら嬉しいです。ちょっと恥ずかしいですけど。(笑)

10年以上前にB747が退役した時に書いた童話です。

いちろうのもう一言

ついにアシアナ航空が消滅することが決定したのですね。

大韓航空に吸収され、吸収後2年で、アシアナブランドの廃止が決定されたそうです。

コロナが無ければ、消滅は無かったのですかね。

また、アシアナ消滅後は、
ANAのマイルで乗ることも、SFCでラウンジ利用もできなくなるということですよね。

コロナ後の航空業界って、大きく変わっているのかもしませんね。
 
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題名のイラストは、Tsugumiさんに書いて頂きました。
                                       Tsugumiさん、素敵なイラストをありがとうございます。
 
おおぞらだいすき
イメージ 1
 
                         
  
 今日の大空は輝く青空です。
 輝く青空はどこまで続いているか知ってますか。                
私は知っています。
 輝く青空の果てはどうなっているか知ってますか。
               私は知っています。
  なぜって、大空を飛び回るのが大好きだからです。

 今日のように青空がいっぱいの時は、気持ちよく
息を吸い込み、元気よく吐き出すことができます。
そして、安心して空へ飛び立つことができるのです。
 
 こんな日は、いつもにもましてワクワクしてきます。
 今日の青空の向こうはどうなっているのだろう。
 今日の青空の上はどうなっているのだろう。
 
 食事をしてお腹も心も満たされて、そろそろ飛び立
つ時間がきたようです。
 今日は、どんな風に出会い。どんな雲に出会える
だろうか。風も雲も優しいといいな。
 
 だって、空を飛ぶのは今日が最後なのだもの。
 
 私は、体が重いので飛び立つまでが大変です。
一生懸命に走って、スピードを付けなければなりません。

 飛び立つときがきました。
 重い体に鞭を打って、走ります。スピードが足りな
いので、もっと走ります。ゼイゼイと息が切れてきた
けど走ります。そして、足が地上から離れる瞬間が
やってきます。
 
 心の中で「エイヤー」とかけ声かけて、舞い上がりました。
 飛んでしまえば大空は私のものです。
 
 グングンと高度を上げます。みるみる地上の人も車
も小さくなります。
 
 青空のかなたに向かって高度を上げていきます。
 青空はもう青空ではありません。
 青から藍色へと変化し、黒くなっていきます。
 そう、青空の上には真っ黒な宇宙という空間が無限
に広がっているのです。
 
 私は青空の果ての宇宙には行けません。宇宙には
私が呼吸できる空気がないからです。
 
 
 そう言えば、私の名前を言うのを忘れていました。
私の名前はジャンボ。
正式にはB747っていいます。
初めて空を飛んだのは、今から50年も前のこと。
 
 みんなは私のことを年寄りって言うけど、若いもの
に飛ぶ速さだって距離だって少ししか負けていません。
 
 そろそろ、高度を上げるのは終わりになったようです。
今日が最後の大空ですから、もう少し高いところに行っ
てみたかったけど、わがままは言いません。
 最後まで胸を張って若かったころの夢を抱きながら飛
ぼうと思います。
 
 みんなは私のことを大飯くらいだと言います。確かに
若いものより、いっぱい食べないと飛ぶことができません。
 
 高い高い山を越えました。山の向こうは真っ白な雲の
海がどこまでも続きます。
 いつ見ても美しい景色です。
 でもこの美しい景色を見るのもこれが最後です。
 
 さあ、そろそろ、高度を下げなければなりません。
 そうです。最後のフライトが終わろうとしています。
さっきまで、ずっとずっと下にあった雲の海が、
                 どんどん近づいてきます。
雲の海の底に沈んでいくような錯覚に襲われます。
でも、私の心の中には果てしなく広がる雲の海が永遠に
続いています。
 もっともっと空を飛んでいたかった。
 
 みんなは私のことを旧式で、心配だと言います。確かに
年をいっぱい重ねましたが、整備士の人たちが、私をい
でも凛々しい姿に保ってくれました。
 
 最後の着陸の瞬間が迫ってきました。着陸は、何十回、
何百回、何千回、何万回繰り返しても緊張します。だって、
離陸はやめることができますが、一度飛び立ってしまった
ら、いつかは着陸しなければなりません。空を飛んだら着
陸は必ずしなければならないのです。
 緊張していても最後まで堂々と着陸をしようと思います。
 
 今日の風はとっても優しく、正面から吹いてくれています。
この風に抱きかかえられるようにフワッと着陸することが
できました。
 
 何十回、何百回、何千回、何万回の着陸を繰り返した
ことでしょう。たった一回の失敗もすることもなく、
最後の着陸ができました。
 
 何十回、何百回、何千回、何万回のフライトで、多くの
出会いと喜びと悲しみを運びました。楽しいことも哀しい
ことも全て受け止めてくれたのが大空でした。
 「 おおぞらだいすき。」
 
 私は、ジュラルミンという金属でできていますので、この
フライトが終わったら、ドロドロに溶かされて金属の固ま
りに生まれ変わるらしいです。溶かされるのは、痛いの
かなあ。
 ちょっと不安だけど私は平気です。だって、何十回、何百
回、何千回、何万回のフライトで、多くの出会いと喜びと悲
しみを運び、みんなの心の中に生き続けるはずだから、、、、、、
 
 それから何年の月日が流れたことことでしょう。
 
初フライトを迎えた飛行機に、タラップがかけられました。
「すごいね。すごく新しい飛行機だ。なんていう名前なんだろう」        
乗客たちも大喜び。
 
 僕の名前は、まだありません。正式にはB7×7っていい
ます。最新鋭の飛行機です。いよいよ今日は初フライト。
 
 今日の大空は輝く青空です。
 
 ああ、空があんなに青い。この輝く青空はどこまで続いている
んだろう。
 あの青空の果ては、いったいどうなっているんだろう。
 
 心がワクワクしてきました。滑走路をあっという間に加速して、
さあ、飛び立ちます。大空へ。
                                 おわり