今、読んでいる、『戦略PR』 本田哲也著(アスキー新書)の中に、おもしろい記述を見つけました。
アメリカ・オバマ大統領が当選する背景に、[空気をつくって商品を売る」という綿密な戦略があったこと。
オバマ氏が掲げた『CHANGE!』」という一言に集約されたメッセージは、大規模な調査、プロフェッショナル集団によって生まれたということ。
今の日本の全く国民感情を無視した、どこへ向けてメッセージを送るべきか、さっぱりわからなくなっている
政治家たちには、まさにこういう戦略PRのプロフェッショナル集団が必要なのかもしれません。
下記に少し長くなりますが、抜粋し転記します。
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オバマの選挙キャンペーンには4000人ものスタッフが関与したが、その中心はたった9人のロフェッショナル集団。その一人が戦略プランナーだ。彼のミッションは、アメリカ国民の関心や興味を調査し、そこにどんな世論を喚起して、どんなメッセージを発信すればオバマ支持に繋がるか、という戦略をつくること。
そして、それを実行することだ。つまり、どんな空気をつくれば、「オバマ」という商品が売れるのかを考え、その空気づくりをしかけて行く役割だ。
彼らはまず、「多くの人々が、アメリカ国民としての『誇り』は失っていないが、『自信』を失っている」という状況分析を、大規模な調査から導きだした。このことから、「自信を取り戻すには何かを変えなきゃ」という空気、「変化が必要」という世論を喚起することを決めた。
そして、オバマを「その変革ができる人」として位置付けるという作戦だ。ここから「Change] というキャッチフレーズが生まれた。この作戦は見事としか言えないだろう。なぜなら、この方向にしたことで、「黒人」「経験不足」などの、ともすると不利に働きかねない要素を、逆に「差別化点」に変えてしまったからだ。「変化が必要」という空気が広がれば広がるほど、「Experience」を売り物にしていたクリントンやマケインが劣勢になるしくみだ。
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この上記の9人のプロフェッショナル集団の中には、イメージコンサルタントもいるはずです。
「Change!」を視覚面で、伝えていくことも非常に重要です。あの赤いネクタイ1本にも、そういったメッセージが込められ、発信されていたのです。
戦略でなく、政治家自身の立志により、正しい方向へ動いてほしい、とは思いますが
どんなに強い意志をもっていても、あの魑魅魍魎とした世界で、志を持続するのは想像を絶するほどに難しいことでしょう。
あのすっかり輝きを失ってしまったた管さんのうつろな目。
管さんにもそういうブレーンがついていれば、もう少し状況が変わっていたのかもしれません。
そして些細なことかもしれませんが、管さんのあのレジメンタルのネクタイはまずい。「挑戦者」というメッセージを発信するレジメンタルを今の段階になっても絞めているようではだめなのです。
そういうことすら、誰も指摘してくれない状況・・・。
例えばたかがネクタイ1本、ですが、そういう「されど」から見えてくるものの「連続」と「積み重ね」がとても大きいのです。