私の誕生日がすぎたころ、先生から電話がきた

私の尊敬するこの先生は、タイ、カンボジアなどのアジア各国

の首相関係者やお偉いさんとの人脈が豊富。

有名な手相占い師である。

 

ひょんなことから知り合いになり、

いつも仲良くさせてもらっている

 

一昨年、彼女の身体に乳がんがみつかり、手術もできないほど

手遅れと主治医から余命宣告をされた。

私は悲しくてしょうがなかった。

 

しかし、彼女は、自身の生命をまっとうし、あの世へ旅立つ日

までみなさんの幸せを祈り続けますと告げていた。

その言葉は有言実行どおり、

彼女はいつも迷えるひとびとを導いた。そして今でも。

 

闘病中も、姉と彼女の好きなフルーツや食べられそうなものを

お土産に、よく会いにいっていたが、励まそうとする私たちの

ほうが、いつも先生の明るく穏やかな笑顔に励まされ、

癒されていた。

 

 

今年になって、

なんと先生の癌が身体から検出されなくなったのだ。

これには主治医も驚きをかくせなかった。

先生は自分のパワーで癌をやっつけてしまったのだ。

 

これは嘘のようで本当のお話。

 

 

 

 

 

先生から99日、午後おうちに迎えにこれるかしら。

アミちゃんだけでいいんだけど、

どうしても一緒に行きたい場所があると。

ジーンズかなんか、ラフな格好でいいわよ。

なんて、いわれたので、1時ごろお迎えにいきますね。と。

 

先生を乗せて車が走り出すと、先生はドライバーへ私のまったく

聞いたことのない道を告げている。

行きついた先はなんと大きな大きなお寺。

 

ここはね、あみちゃんの為のお寺なのよ。

ポカンとしている私に先生が優しく微笑んで

優雅に車から降り立った。

 

 

 

 

走っているときは快晴だった空がいつの間にかグレーにな

はじめ、雨はふらないものの、とおくに稲妻がはしっている。

 

先生は紙袋と、先生のオレンジのバッグ。

私はなにも持たずに車から降りた。

 

先生に誘導されて、お寺から本堂へ続く道を、先生の荷物を

先生と手をつなぎながら歩いていく。

なんという安心感なんだろう。

 

 

 

 

お寺のあちこちで、私のためにお線香(数字がきまっている

らしい)やお花(こちらも数字がきまっているらしい)など

先生が着々とそろえていく

 

この数字は、先生が私の生年月日、生まれた曜日、時間など、

以前にお伝えした情報をもとに、数字をわりだし事前にしら

べてくれていたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

先生の荷物が少しおおいな 雨がふりそうだな。。。にだけ

気を取られ、

あ、しまった。。。あたしが買わなきゃいけないのに

お財布車においてきちゃった。。。

 

先生は気にしない気にしないという顔をして、私についてきて

と優しく導いくださる。

私は先生の指示通り、先生の隣に座って先生の高く澄んだ美しい

読教を聞きながら手をあわせる。

 

 
本堂へ入ると、いきなり雨が来た。豪快な雷と豪雨。

 

先生は微笑んで、テワダー(神様)たちがみーんな

アミのことを祝福しているのよ。と。

 

本堂のなかはほぼ人でうまっていたが、先生がお坊さんと話して

一番前へ案内された。

そして、ここにはいるのよ と、神様がつけているオレンジ色の

袈裟の中へいれてもらう。

私の隣にはいつも先生が。

袈裟の中へはいっているときも、先生が祈りの言葉をずっと唱え

てくれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今まで味わったことのない不思議な感覚に包まれた。

身体が軽く感じた。

そして袈裟の中はとてもあたたかくて、袈裟を通して、私の背中

先生の手から感じる愛情がとても心地良かった。

 

先生は私ひとりのために2時間もお祈りを続けてくれた。

 

本堂で最後のお祈りが済んだあと、先生が

アミ、自分の願いを神様に伝えてと。

私に伝えなくてもいいから、

自分の心のなかでお願い事をいいなさい。

 

~ん。。。

私は普段からあまり神様にお祈りことをしたことがないから、

一瞬なににしよう?とおもったのだが、頭で考えるより先に

思い願っていた。

 

強い心を私にください

もっともっと強くなって、自分の心と体を自分で

面倒がみれるように。

自分が元気であれば、

自分を取り囲むひとたちへ、常に愛情と優しさ

をもって接することができるから。

 

どうか神様、強くて優しい心を私にください

 

 

 

と お願いしてきました。

 

お祈りのがおわったあと、本堂の外周を鐘がぐるっと一周

している。

 

 

 

 

 

 

 

 

私はその鐘をひとつひとつたたいていく間中、先生と手を

つないで、先生はお祈のことばを美し声で歌われながら、

私と一周してくださった。

 

帰り道は夕暮れどき

 

雨もあがって、とても心地の良い風がふいていました。

 

 

 

私はこの日のことを忘れられないでしょう。

そして、心から先生に尊敬と感謝を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕暮れ時のお寺の帰り道より