あなたたちのこの先、時には、自分自身のことを恨めしく思う日も来るでしょう。周囲の人や、環境や、時代のせいにしないと、自分を殺してしまいたくなるほどの夜もあるでしょう。


それでも、生きていかなくてはいけません。私たちには、生きていくしかありません。どんなに自分の不器用を呪っても、劣等感に苛まれても、惨めでも、失敗しても、失格しても、失墜しても、雨ざらしの中で日々を生き抜くことが、生きるということだと思います。


人生の価値とか、勝ち負けとか、意義とか、意味とか、そんなのは後付けです。求めてはいけません。生きるということは、ただ生き抜くということです。


誰しもみな、そうして生きています。私もそうして生きてきました。恥の多い人生を、惨めな等身大の自分を生きてきました。何が是で、何が非であるか判らず、人との関わり方も判らず、何に対しても自信など持てず、自分の良さや、他人に勝るものなど自負できず、それでも、私は今日まで生きてきました。


そうして生きることがもたらすものがあります。命を繋ぐということです。


私が死のうとも、消えゆくことになっても、私は満足です。あなたたちに出逢えて、同じ時を同じ場所で過ごせて、私はたくさんの想いを伝えることができました。その想いはきっと、何年経ってもあなたたちに残り続けます。思い出さなくても、残り続けます。そう思える生き方ができたと、自信を持って言えます。


きっと将来、あなたたちにも、生きて出逢って、生きてきて良かったと、そう思える日が来ます。人は、出逢いと別れを同じ数だけ繰り返すけれど、かけがえのない人との別れは、割り切れないかも知れないけれど、命の繋がりは途絶えることはありません。生きて繋がる、これが私たちなのです。


だから、あなたたちは、今を精一杯生きてください。これが私の最後の願いです。