前編(6月6日掲載)から続くインタビューです。

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会員活躍状況(第7回/後編)

利府町議会議員 及川智善 氏(昭45普卒)

令和4年5月29日(日)

聞き手:仙台支部会 副会長 畠 敏郎

 

【 いよいよ立候補 】

畠)退官後就職された会社をわずか1年で退職されて、いよいよ平成19年4月に利府町の町会議員に立候補されるわけですが、その辺の経緯は、同窓生の皆さんも知りたいところだと思いますが。

 

及川) 前述しましたように営業業務は未知の分野で、正直、営利を追求する業務は馴染みませんでした。まだ55歳に到達したところで社会から引退できる年齢でもありませんし、家計の維持のためにも働かなければならないことは明白でした。

 

 自分の経験や能力を活かせる仕事はないかと模索していたところ、町の広報誌で利府町の議会議員の選挙が4月に施行される情報得て、これだ!と直感的に思いました。当時利府町に居を求め21年が経過していました。今まで利府町に具体的に何も恩返し出来ていなっかった事も立候補を決意した理由の一つであったかと思います。しかし、無名の私が選挙に出馬して当選するだろうかという不安な思いは当然有りました。

 

【 選挙 】

畠)不特定多数の町民の方の言わば洗礼を受けられるわけですが、選挙に臨まれるときのお気持ちはどんなものですか?

 

及川) 選挙は勝たなければ意味がありません。勝つために何をしなければならないのかをしっかりと分析し、立候補準備を早めに進めることが肝要です。「不特定多数の町民に洗礼を受ける」ためには、①名前=知名度を広める、②町民に共感される独自の政策を立案する、③自分の後援会を設立することでしょうか。現在まで4期連続議員選挙に当選していますが、運が味方してくれたものと思っています。選挙に確実性はないので、毎回不安な思いで祈るような気持で選挙に臨んでいます。

 

選挙遊説中に有権者と(令和元年8月)

 

【 町長選立候補 】

畠)平成19年、23年と連続当選を果たされますが、平成26年2月の町長選挙には、新人候補として現職の鈴木勝雄町長に挑まれました。3,700票を上回る票を得るも、残念ながら落選という結果になりましたが、振り返ってみて、その時のお気持ちを教えていただけますか?

 

及川) 当時の私は、「首長は3期以上政権を継続してはならない。」との考えを持っていました。理由として、①人事権を含めすべての権力が首長に集中する(長期権力は腐敗する。)。②職員は首長に意見が言えなくなる。(組織の風通しが悪くなる。)

 

 これらから町政刷新の思いで、立候補しました。私の実力不足で落選しましたが町民有効投票総数の3分の1は私に投票してくださいました。「波紋」までは至りませんでしたが「さざ波」程度の影響力はあったのかなと自分で慰めています。

 

【 再び議員として 】

畠)翌年27年の議員選挙では3回目の当選を果たされて議会に戻られ、現在4期目です。この間、総務財務委員長、議会活性化特別委員長、議員報酬・定数特別委員長、副議長、会計監査委員を歴任されています。

 それぞれご在任当時のエピソードなど教えていただけますか。

 

及川) 役職はその時の議員構成メンバー相互で「推薦・指名・選挙」により決定します。

 

 古い順から最初は議会活性化特別委員長で2期目当初に就任しました。当時、議会に対する町民の理解が得られていないとの思いから「開かれた議会」をテーマ中心に議論して参りました。町民との接点を設ける手法として、議会懇談会開催計画を立案して行政区毎出前懇談会を実施したものでした。初の試みで町民の厳しい意見も生で聴く事ができる貴重な機会を得られました。コロナ禍の現在実行は困難ですが今後も継続されていくものと思っています。

 

 次の総務財務特別委員長は2期目後半に就任しましたが、町長選立候補のため5か月程度で下番したので実績はありません。

 

 副議長の就任は3期目後半でした。前半の副議長に就任していた方が町長選挙立候補のため辞職したことによるものでした。当時の議長は全国町村議長会の会長に就任されていましたので留守を守る私が議長代理の仕事を引き受け忙しくも充実した日々でありました。

 

 4期目の現在は、町の議選監査委員に就任しています。監査の種類・対象は幅広く、月例出納検査・定期監査・決算監査・入札監査などです。監査は対面式で各セクション毎、ヒヤリングにより行うものなので事前の書類下調べに時間をかけて実地監査に臨んでいます。

        

選挙遊説中に地元神社で当選祈願/選挙戦5日間を戦い終えた最終日自宅で(令和元年8月)

 

【 議員として心掛けていること 】

畠)その時々で、課題に取り組んでいらっしゃるわけですが、「議員」として常に心掛けていらっしゃることはどのようなことでしょう?

 

及川) 我々は議会での発言・質疑が仕事です。いわば言論の府です。議員の資質の涵養のため常に調査研究が必要であり、心構えとしては問題意識と当事者意識を持つことが肝要かと。

 

 また、議員は4年ごと改選されるので選挙活動も大事です。町民に寄り添う姿勢を堅持していくことも必要です。この両輪が基本です。

 

【 利府町の可能性と解決すべき課題 】

畠)利府町は人口が3万人を超え、仙台のベットタウンとしてこれからも発展が期待されますが、可能性とり組んでいかなければならない課題についてはどのようにお考えですか?

 

及川) 町の人口は現在3万6千人です。全国的な人口減少時代の中、利府はいま、県内で最も勢いのあるまちだと思っています。一年前に東北最大級の大型商業施設もオープンし、益々賑わいにあふれて勢いは加速して行くと思います。新幹線車両基地や町に4か所の高速インターチエンジがあることもシティーセールスの一翼を担っています。

 

 課題としては、東部沿岸部地域の須加・浜田と西部の中央・団地周辺の開発に開きがあるので、均衡策を考慮して是正のため企業誘致や住宅の再開発などが考えられます。また新たな施設建設や人口増のために道路の自然渋滞が発生しています。バイパスの建設など、これらの解消策も考えていかなければならないと思っています。

 

【 休日・趣味 】

畠)日々住民の方と向き合わなければならないお立場ですが、お休みの日はどのように過ごされているんですか?

 

及川) 議員は原則休みがありません。休みの日は町の行事や地域のイベントの参加などに時間を費やされます。趣味としてはクラッシックからニューミュージックまで音楽鑑賞、今はコロナ禍で行けませんがカラオケ歌唱、プロ野球・大相撲のスポーツ観戦などです。また、健康管理のため散歩をしています。一日の目標歩数は7500歩です。

 

【 同窓会活動への提言 】

畠)さて、今後、仙台支部会の活動を活発にしていくためには、どのようなことが必要だと思われますか?

 

及川) なかなか妙案は思いつきませんが、まず持続可能性に焦点を当てることかと思います。つまり、若い人に参加を促す方策を考える.SNSを活用し広く意見を収集してはどうでしょうか。

 

【 後輩へのメッセージ 】

畠)一関一高も中高一貫校となって、学業も部活も頑張って良い結果をもたらしていると思います。一方で、少子化で定員も減って昔とは違う状況下にありますが、後輩へのメッセージをお願いします。

 

及川) 月並みな言葉ですが勉強でも部活でも目標に向かって真摯に取り組む。そこから忍耐力が生まれ感受性も涵養されることと思います。人生は選択の連続です。よもや、選択に誤りがあったとしても修正すれば済むことです。県南の雄に在籍されている皆さん、誇りをもって充実した学生生活を送っていただきたいと思います。

    

青春と友情はいつまでも (同級生と)

 

畠)本日はお忙しい中、インタビューにお付き合いいただきありがとうございました。及川先輩には、これからも議会の重鎮として町勢の発展に尽力されることは勿論、健康に留意され、益々活躍されますことを祈念いたします。

 同窓生で議員を目指す方がいるときは、是非アドバイスしてあげてください。

 

及川) ありがとうございました。私の拙い経験でよろしければ門戸開放の精神でお手伝いさせていただきます。

 

利府町議会(議員名簿)… 議席番号: 13番

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利府町監査委員について

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