会員のご活躍を紹介するシリーズ、今回は 杜の都信用金庫 理事長 星倫市 氏(昭51卒)へのインタビューです。リモートでお聞きしました。

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仙台支部会メンバーご活躍状況(第2回)

杜の都信用金庫 理事長 星 倫市 氏(昭51普卒)

 

令和3年12月2日(木)

聞き手:仙台支部会 副会長 畠 敏郎

 

【 黄綬褒章 おめでとうございます 】

畠)星理事長、この度はご多忙のところ、仙台支部会のインタビューに応じていただき、誠にありがとうございます。

 また、遅くなって恐縮ですが、昨年秋には、永年、業務に精励され功労があった他の模範となる方に贈られる「黄綬褒章」を若くして受賞されました。おめでとうございます。

 コロナ感染症で、例年は国で行われている伝達式が中止され、県からの伝達になったと記憶しておりますが、伝達式はどのような様子でしたか?

 

星)ご記憶に留めていただき、ありがとうございます。黄綬褒章受章については、まだまだ頑張れよとの意味合いがあると先輩諸氏から聞き及んでいましたが、私個人がいただいたという感覚はなく、杜の都信用金庫が評価されたものと認識しております。

 

 昨年の令和2年11月20日に当金庫において、監督官庁である東北財務局の田村理財部長様から伝達いただきました。業務上たいへんお世話になっている方からの伝達式でしたので、特段緊張することなく終えることができました。

 

【 就職 】

畠)理事長は、昭和55年に当時の仙台信用金庫に就職されていますが、どのような志を抱かれて同金庫を選ばれたのですか?

 

星)迫町(現在の登米市)の農家の長男として生を受けましたので、東京での学生生活は4年間、兼業ではあっても農業は続けると決意しておりました。幸い当時は両親とも元気で、私は農業に専念する必要性がなかったものですから、宮城県または一関市周辺で就職をしようと考え就職活動を行っていたところ、就職氷河期が幾分緩和された時代背景もあり当時の仙台信用金庫に就職することとなりました。

 

 従いまして、ご質問にあるような高い志をもっていたかと問われますと、度胸はあったかと思いますが甚だ心もとないものでありました。

 

【 従事されてきた業務 】

畠)杜の都信用金庫は、東北最大の信用金庫であり、平成17年には塩竈信用金庫と合併して現在の名称となった歴史をお持ちです。星理事長は、これまで主にどのような業務に従事されてこられたのでしょうか?

 また、合併時のご苦労などありましたら教えていただけますか?

 

星)合併はその2年前から水面下で進められ前年の平成16年に公表しました。当時、私は北仙台支店長でして合併作業等の指揮を執る立場にはありませんでしたが、支店長として目標の必達を基本に、合併に係る諸事案についてお客さまの反応なり申出なりの対応を行っておりました。

 

 杜の都信用金庫となってからは、北仙台支店長、執行役員一番町支店長(現在は本店営業部に統合)、執行役員総務部長を経て平成20年から常勤理事、同22年常務理事、同25年専務理事、同26年に理事長に就任し現在に至っております。

 

【 理事長就任 】

畠)理事長に就任されたのは、平成26年6月とのことですが、ご就任が決まったときの率直なご感想や、実際に就任されてから特に感じられたことはどのようなことですか?

 

星)当金庫なりの段階を経験させていただいた上での理事長就任でしたので、徐々に覚悟を決めていく時間がありました。ただしトップとなって初めて実行に移すことが出来る事柄は多くなりましたが、激変ではなく金融環境の変化に即しつつ柔軟に決断していくことを実践してまいりました。

 

 なお、信用金庫業界の組織では、当金庫で申しますと宮城県信用金庫協会に属していますが、その上部団体に東北地区信用金庫協会、さらに全国信用金庫協会があります。またセントラルバンクとして信金中央金庫があり、私自身各組織の役員を兼務しています。その経験値と情報入手など刺激的であり当金庫経営に大いに活用できていると感じております。

 

【 経営環境 】

畠)信用金庫は、預金や貸し付け、為替など銀行と殆ど同じサービスを提供しているわけですが、信用金庫法に基づく「協同組織金融機関」として会員の相互扶助を基本理念とし、地域に、より密着した非営利法人という位置づけと伺っています。

 宮城の金融機関は、七十七銀行が圧倒的に強いと思うのですが、杜の都信金の強みはどういうところですか?

 

星)おっしゃるとおり、歴史を誇る県都銀行である七十七さんのシェアは今も昔も質量とも圧倒的です。その環境の下、私ども信用金庫業界が存在し70年から90年間にわたり地域ごとの金融円滑化を図ってきた経緯があり、一定の役割を果たしてきたとの思いがあります。

 

 信用金庫は中間法人と申しまして税金面で一部優遇される点は有しております。一方で適正な利益はいただきつつ地域での貢献を求められているということでもあります。当金庫は主力とする営業エリアは仙台市・塩竈市周辺2市3町そして一部ですが大崎市を中心とした県北地域です。その中にあって「うれしいこと、ご一緒に」を合言葉に「もっとも相談しやすい地元のしんきん」たらんと、機動力をその地域を知っていることが強みであると考えております。

 

畠)仙台も今後、少子高齢化、人口減少は避けられないと思います。個人事業主や中小・零細企業では、後継者がいないということで、廃業するところも増えているように聞いています。

 杜の都信金として、今までと異なるサービスの提供が求められているかと思いますが、今後に向け、どのようにお考えですか?

 

星)当金庫ではプラットフォームを制定し、お客さまの抱える諸問題のお手伝いができるよう活動しているところです。具体的には、従来からある相続対策を中心に、M&Aと言われている事業承継の橋渡しの強化、税務相談、年金相談等々を専門家集団と連携して対応しています。

 

 もちろんこれで十分とは言えませんが、ニーズに即しかつ当金庫の身の丈に合ったサービスを展開してまいりたいと考えております。

 

【 余暇・趣味 】

畠)トップとしてお忙しい日々をお過ごしと伺っていますが、気分転換とか、休日はどのように過ごされていますか?

 

星)ほっとする質問ありがとうございます。先ほど申し上げましたとおり私の家業は農業です。

特に春と秋の休日は伊豆沼を眺めながらの農作業が何にも増して気分転換となります。また業務上必要なことから始めたゴルフと冬場のスキーも大いにストレス解消となっております。

 

【 高校時代 】

畠)星理事長は新田中学校のご出身ですが、一高時代はどのような高校生活でしたか?

 

星)味わいのある新田駅から県境を越えて東北本線で通学しました。文武両道の一高生であったと胸をはりたいところですが、勉学はそこそこに剣道に精を出したことが昨日のことのように思い出されます。剣道部主将として原田源治先生のご指導を得て、当時強豪校であった遠野高校、福岡高校、盛岡一高と競い合ったことは良き思い出です。

 

【 同窓会活動への提言 】

畠)星理事長には日ごろ同窓会活動にもご協力いただいているところです。同窓会は個人情報の取り扱いや卒業生の考え方も多様化して、会員が減少しており、コロナでますます厳しくなっています。今後の同窓会活動について、ご要望や感じていらっしゃることがあればお聞かせください。

 

星)多様性が主流の昨今、ひと頃のような活発な同窓会活動は困難であろうと考えます。その意味で仙台支部会の役員の皆様のように母校を想う方々により運営されていることに敬意を表しますとともに感謝しております。

 

 あまり携わっていない私から申し上げることはおこがましいことですが、敢えて申し上げれば、在仙ですから転勤族も多く出入りの多い支部でもあること、個人情報の保護に万全を期すことを前提に、同窓会と連携して在仙OB名簿の充実、仙台の住人となった同窓生が簡単に事務局に会員登録できる仕組みと周知が可能であれば、ありがたいと考えます。

 

【 後輩へのメッセージ 】

畠)一関一高も中高一貫校となるなど、頑張ってはいますが、高校の定員も1学年200人まで減っています。アフターコロナを見据えて、若い方々へのメッセージをお願いします。

 

星)母校が時代の変遷とともに変化しながらも県南の雄として存在していることは素直に嬉しく思います。我慢の時期もあと少しかと予想されますので、現在は勉強中心の日々でしょうが、併せて自分の目指す方向性も思い描きながら一度しかない青春を悔いのないよう、後でもったいないと思わないよう一高生となれ!でしょうか。

 

畠)本日は大変、ご多忙の中、お時間を頂戴しありがとうございました。星理事長には、地域経済の大動脈である金融機関のトップとして、同窓生の皆さんも注目しています。ご健康に留意され、今後益々ご活躍されることを祈念いたします。

 

杜の都信用金庫ホームページ

  杜の都信用金庫 | 理事長ごあいさつ (morinomiyako-shinkin.co.jp)

 

写真上段: 執務室での星理事長、下段: 黄綬褒章の伝達式