映画を見終わった後、外にいたスタッフさんに「ありがとうございました」と言われた。

私はありがとうございますを返したかったけど会釈しか出来なかった。
今にもボロボロ涙がまた止まらなくなりそうで声が出せなかった。

かつて映画を観てこんな気持ちになったことは無い。

感動した!というのはそれはそうなんだけど、感動して出てきた涙じゃない気がする。
じゃあどんな涙なんだと聞かれるとわからない。
もしくは私の認識している感動という幅が狭かったのかもしれない。

感情が揺さぶられすぎて 感情の言語化が脳内でも出来ず、つい涙になって溢れてきたという感じだった。
人体ってすごい。


約90分の上映、気付いたら終わっていた。
本当に気付いたら、っていうのが正しい。
本当にロジカルに組み立てられた映画で ずっとずっと面白いが持続する。
そして刺さる。
刺さりまくる。


テンポも良くて まさにエンタメの見本みたいな時間だった。

音楽もすごく良くて。
クレジット見たら
音楽:松隈ケンタ

私の好きなBiSHというアイドルの曲をたくさん作っている松隈さんがこの映画の音楽も担当していた。

私は松隈さんのことをBiSHを通してほんの一部分しか知らなかった。
松隈さんは音楽を作る天才であり、空気を作る天才なんだなあと。

音楽も映画も舞台もすべてエンタメと言われれるカテゴリーにあって、あれは全て共通して空気を提供してる。
感情をいかに動かせるか、それがエンタメだと思う。

松隈さんは音楽を提供してくれる方だという認識だったけれど、たまたま音楽という形なんだなあ、と。

任天堂のCMは
ゲーム画面よりもゲームをしている人間達をメインに作られているなと感じている。
どんなゲームが出来るかという
ゲームの説明では無く、
このゲームをしたらこんな楽しい空気になりますよ!と。

ゲームを売りたいのではなく
楽しいを売りたいというメッセージなのかなと勝手に解釈していたりした。

この映画は
映画であり映画では無い、そんな感想も持つ。
セラピーのようにも感じた。

めちゃくちゃ面白い。
面白いだけで済ませられない。
この感情は何!
そんな気持ち。


映画を見ている間はこんなこと考える隙も無いくらい、中身を精一杯楽しんだのだけど。
エンドロールを見ながら松隈さんの名前を見て またぶわっときた。

というか
エンドロールまでが映画というのはよく聞くが、初めて心から思ったし
エンドロールの長さを感じて
もう1回泣いた。


本当に最高の映画だった。
 

ぜひ良かったら観に行ってね!というより
観に行った方が本当に良いと思う。
こんな種類の感情になることを経験出来ることって無い気がする...

映画のタイトルは
「映画大好きポンポさん」です。
アニメ映画かよって思ったひともいますよね。

そう思った方こそぜひ。

まじおもしろい。