自分が理解できているか、覚えられているかということを自覚することは難しいです。

仕事の世界ではよく「やっているつもり」という言葉が使われます。

本人は仕事をしている(できている)つもりですが、客観的にはやっていない(できていない)状態のことです。

これは勉強の世界でも当てはまります。

効率的な学習ができているかという問題もさることながら、そもそも自分がどこまで理解できているのか、覚えられているのかということに、人間はとても無自覚です。

したがって、『テスト形式』で覚えることが重要になります。

ただ、テスト形式の学習はときに一問一答式学習に陥りがちです。

そこで重要なのが『説明』です。

以前TV番組で、クイズに強い芸人が学生時代にやっていた学習方法として、「その日の授業を帰宅後自分が先生になったつもりで、一人で説明していた。」という話をしていましたが、これはとても効果的な学習方法だと思います。

その日の授業の復習だけでなく、単元のまとめにも使えます。

『まとめを読む』というインプットだけでなく、「まとめをどこまで説明できるか』というアウトプットをどこまでできるかで理解度が問われますし、それを訓練すると学力は自ずと上がります。

ただし、指導者側からすると難点があり、これを指導しても実行しようとする生徒はほんの一握りで、かなりレベルの高い進学校へ進める生徒はやろうとしますが、それ以外の人はまずやろうとしません。

使えるとすれば限定的なものでしょう。

例えば理科の化学分野は実験単位で覚えることが重要なので、実験ごとに重要な化学反応式(イオン式)、実験上の注意点、何を使って、なぜ、どのような反応によって、何を確認しているのかというまとめを覚えさせ、それをすべて書けるような演習をさせるなど、限定的な使い方は一定レベル以上の生徒には有効です。

一定レベルに満たない生徒の場合、それを覚えさせようとしても、時間をかけるだけかけて結果まったく覚えていない(=学習成果ゼロ)ことになるため、それならば一問一答を増やした方が学習成果は増えます。