前回のブログで「その問題の解法ととともに基礎学習を徹底することになりますが、一問一答的な反復だと効果はまったく同じ問題に限定されています。」と書きました。

少々一問一答式の学習に対して批判的なコメントかと思いましたので、フォローを入れておきます。

一問一答式の学習というのは、単語帳のような学習方法のことを指しています。

赤シートで解答を隠す方法や、同様に理科や社会の問題集で、一問一答で練習する方法もあります。

これは、『良い、悪い』というより、学習の場面やターゲット層に応じて有効な学習方法です。

そもそも人間は読んだだけの場合、つい『覚えたつもり』になりがちです。

このため、Q&A方式で自らに問う形式にしないと、覚えているかどうかがわかりません。

よって「問題を解く」という行為は非常に重要です。

加えて時間の問題があります。

一定以上の学力をつける場合、学習スピードも重要になります。

ここは非常に匙加減が難しいのですが、じっくり考えなければならない場面と、スピーディに展開させないといけない場面があります。

でないと、学習時間がいくらあっても足りず、反復による記憶の定着が難しくなります。

よって、深慮できる上位層でも一問一答式は必要不可欠です。

下位層はそもそも「覚えようとする」ことに難がありますので、テスト対策としての非常時には優先度が上がります。

問題なのは中間層でしょうか。

本来、理解フェーズは習得フェーズより前段階にありますが、定期テストで結果を残すためには一問一答式を多用せざるを得ません。

しかし、下手にこの方法で結果を出してしまうと、ほとんどの場合本人及びご家庭に油断が出ます。

一問一答=一夜漬けの延長で得た成績を実力と勘違いしてしまうのです。

また、一問一答の際、その問題と解答しか覚えていないというケースも生じます。

いずれも中学3年時、ひいては高校進学後大いに困ることになってしまいます。

よって、当教室では次の対策を行っています。

①   理解フェーズがとても重要であることを説明する。

最初は問題と解答を同時に見てOK。ただし、その際になぜそうなるのかを理解しておくことと、単なる答えではなく、+αの情報を解説部分から抜き出して同時に暗記する。

②   一問一答演習時は、その解答だけでなく、理屈or付加情報を含めて解答する。

③   その後の学習で付加できる情報が発生した際は都度追加する。

④   ミスした問題はわかるようにチェックを入れておき、すき間学習でチェックの多い問題のみ余計に反復演習しておく。

これで十分とは言えませんが、何分他人の頭の中は覗けません。何度も何度も説明、チェックします。ここでも取り組み姿勢の問題に通じるのですが、取り組もうとする生徒とそうでない生徒では結果に大きな違いが生じることは否めません。