不倫相手と揉め始め別れてからも、それが私のせいだと思っているのか、矛先がこちらに向いてきました。

鍵を持っているにも関わらず、深夜帰宅してインターフォンを鳴らし、ドアを開けるといきなり平手打ちです。5秒以内に開けなかったからというのが理由だそうです。

口答えをするとクローゼットの中の私の服をハサミで切り刻み、口癖は俺の金、二言目には誰に養ってもらっているんだと言い、ネタが尽きると田舎モノのくせにと暴言を吐く元夫。

全くいい気なものです。

本人は酔っ払っているのだから、シラフで聞いているこちらはたまったものではありません。


今は一度でも手をあげられたら、通報すれば身柄を拘束してくれますが、当時は全く警察もあてになりませんでした。

一度、深夜に子供を連れて駆け込んだ交番では、「ただの夫婦喧嘩でしょ?お子さんいるのに、こんな夜に出てきちゃ駄目だよ。早く帰りなさい」と言われ、ビジネスホテルに泊まろうとしても、どこに電話をかけても満室だと警戒されました。

DV、モラハラ、アカハラ、セクハラなどという言葉がまだ無く、周囲の理解もなかなか得られませんでした。


毎日のように人格を否定され続けると、自分の意に反して思考が壊されていきます。

自信を奪われ、価値の無い人間だと思い込まわされ、起こりうる全ての事の責任を押し付けられ、気力も無くなっていきます。


ところが2001年に放映されていた「カバチタレ」というドラマの第8話 「暴力夫に気づかれないで離婚する方法」というのを観て「これ、私じゃん」と客観的に自分を見つめることができました。

ここから逃げ出そう、私は何にも悪くない!

でも、どうやって...?


気持ちはあっても、行動を起こす事に今一歩勇気がでませんでした。

専業主婦で自由に使えるお金もなく、独身時代にためた貯金もすでに無く、持っていたブランドバッグ

や貴金属を売り、生活の足しにしていました。

息子達の学資保険から元夫に黙って貸し付けをし、その場をしのいでいた暮らしで、家を出ようにも経済的に難しかったということもありました。

家計を任されていない上、最低限の生活費しかもらえず、その中から捻出できるのは子供のお小遣い程度の金額。


子煩悩だった元夫は子供達の為にかかるお金は惜しみません。習い事もそれなりに通わせていました。

子供達に不自由な生活をさせるわけにもいかない。

かといってもう我慢も限界にきている。

自分の自由と引き替えに、子供達から今の幸せを奪っていいのだろうかと悶々とした日々を送っていたある日、ある事が私を突き動かし、突き進む原動力になりました。

いわゆるターニングポイントです。