夜8時頃、汗だくになってふたりの子供をお風呂に入れ、寝かせる準備をしていた時のことです。

電話が鳴りました。

出てみると、まるで119 や110に掛けているような焦った感じで話す女の人の声。しかも何を言っているのか聞き取れません。

間違い電話?

少し争うような物音も聞こえます。


すると「奥さんですか?」と今度ははっきりとした声で問われました。

不倫相手からでした。

緊迫した感じの声はそのままで

「お宅の旦那に暴力を振るわれています。別れたくても別れてくれません。奥さんから別れるように言ってください!」 


バカなの?こいつ。


後ろで騒いでいる元夫の声も聞こえます。

あぁ、暴力を誰にでも振るう人なんだ...。

私が気に入らなくて私にだけ向かってくるのかと思っていたので、この不愉快な電話もそれなりの収穫がありました。


「知りませんよ、そんなこと。」


と言って電話を切りました。

この対応が正解かどうかわかりませんが、これだけ言うのが精一杯でした。


傍らでは子供達が遊んでいて、なんだか時空がねじれて今一瞬、違う世界に足を踏み入れたかのような、何とも後味の悪い気持ちは当分消えませんでした。


そして、後日また不倫相手から電話がかかってきました。「一度お話したい事があるので、会ってくれませんか?」と。


マジで頭がおかしい。

これって不倫をされた妻が愛人に言うお決まりのセリフでしょ。

どの立場で言うんだか。


「私にはありません。あなたのような非常識な人と話をしても、まともな話になるとも思いません。ちなみに旦那もいりませんので、お好きにどうぞ。」

と言って一方的に電話を切りました。