え?ぶたれた...。
痛みより、何が起こったのか信じられない気持ちで呆然と相手の顔を見つめました。
私は寿退社をし、当時は九州地方に住んでいました。実家からも遠い場所。翌月に実家で法事があるから帰りたいと言う事と、その時に包むお布施の話をした途端ぶたれたのです。
法事ってなんだ!
そんなものに金がいるのか!?ふざけんなっ。俺は1円も出さねえからな。おまえは金食い虫だ、あぁ貧乏くじを引いたなあ!
というような事を言われたと記憶しています。
驚いた事に、法事が何なのかを知らないようでした。
それにしても、すぐ手が出るとは...。
目も座っています。
まさか、酒ぐせが悪い?
水のようにビールを飲む人で、毎日晩酌はかかせませんでしたが、ここまで酔っぱらった姿は初めてでした。
まさにメッキが剥がれていくように、元夫の本当の姿が次々に露見していきました。
結婚してもまとまった生活費は渡してくれず、毎日500円をテーブルの上に置いて会社に出かけていた元夫。
食料品は元夫と週末にまとめ買いしていたのですが、自由に使えるお金はありません。自分のものは退職金とわずかな貯金で買っていました。
核家族で育ち、転勤族で転々とし、リタイヤした義両親は関東近郊に住んでいました。
義両親は私の実家と同じ県の出身者で、大事な長男の嫁は東京出身者ではなく、自分達と同じ出身の娘さんを希望されていたと後々仲人さんに聞きました。
その義父もお酒が強く、家計も握っていたので、元夫もこれが普通の形だと思っていたのだと当時は解釈していました。
が、元夫はとんでもなくケチでとんでもない酒乱だったのです。