森絵都さんの『みかづき』

この本に出会えて良かった。
いつまでも手元に置いておきたい。
何度も何度も読み返したい。


学校と塾、文科省に、こんな時代背景があるとは初めて知った。
今の教育に国が介入しているって事は、将来の日本のためになるような教育を、私達は受けているって事なんだ!って、こんな歳になって初めて認識した。
この教育改革が、それぞれの時代で色々違うんだね。

今の小学生が大人になる頃、今ある仕事の50%は機械に取って代わられるらしい。
ほぼ、今はない仕事に就いている可能性があるんだって。
そのために、2020年、プログラミング言語の授業が始まったり、小学生低学年から英語の授業が始まる。

これからの時代を生きていくために、子供は教育を受けるんだな。


この本を読んで、教育は国のためではなく自分のために受けるんだっていうメッセージを感じた。
決して、良い学校に行って、良い仕事に就くためではないというメッセージ。
今後の人生で、自分で道を決め、目標に向かって、コツコツ頑張れる精神を養うためだと。


そんな力が、勉強する事で本当に身に付いたのかな。
自分に問いかけて、すごく疑問だな。
義務教育を受けていた当時は、学校に行く意味も、勉強する意味も、考えた事なんてなかった。
当たり前に勉強して、受験やテストのために勉強して、それが将来の自分のためだと言われたって、全然ぴんとこなかった。
そんな事よりも、周りの友達と遊べる環境っていう事の方が重要だったな。
こういう考えで勉強していたから、生きた勉強にならなかったのかも。
高校生になったら暗記するだけになってしまって、今に活きているのか疑問という…


書いていて、うまくまとまらない…
でも、こんなに教育について考えた事なんてなかった。
それだけでも、本を読んだ価値がある。
子供がいる親だからこそ、これから義務教育を受けさせるからこそ、親として興味を持たなくてはいけない問題だと感じた。
何となく普通に学校に通わせたのではいけない。
勉強を、全て先生任せにしてはいけない。


最後に気になった文章を。

『君たちの世代は、本当に欲がない。』

『社会問題や政治に強い関心をよせたことも、義憤にかられたこともなかった。国という大きな単位より、自らの身を置く小さなコミュニティのほうを常に意識の中心にすえていたように思う。これもまた時代性なのか。ある意味、教育の為せるわざか。』

『どんな子であれ、親がすべきは一つよ。人生は生きる価値があるってことを、自分の人生をもって教えるだけ。』

『あなたが真に求める人生を歩んで、生き生きしている姿を見せてあげたやら、それが何より子どもたちのためになるんじゃないのかしら。』