12話
電話がかかってきた
毎日楽しくワクワク彼とLINEしてたら
あっという間に深夜になる
そろそろ恋愛ボケしてたら
いかんわー
と思いつつも自分がなんで
結婚を考えてたか
1本の電話で思い出した
海碧のママからだ
まーだ相手ば選り好みしよっとね！！
そぎゃんことしよるうちに
相手から相手されんごつなるたい！！
あた、もうそぎゃん若か訳じゃなかっだけん！
いつうちば継ぐつもりとね
熊本にゃ戻る気はなかと？！
死ぬまでひとりで
東京で暮らすっとか思いやせんかとおもてから
電話したたい！
結婚せんなら
見合い写真でも撮って送んなっせ！
私が探してやるけん！
訳すのもおぞましいが
地元熊本のママンは
穏やかに電話口で話してきた
ママンのバースデー
12月13日に会いに熊本へ
それが余計に
地元に戻らんとかい！！
に拍車かけた
ママンが住む城
竜宮城というか
まあ、居城ね
映り込んでるのは
敷地の半分で
手前に駐車場や
家庭菜園ありで
もっと広い
花が好きで
植木鉢だらけ
何を植えてあるかもよくわからん
ママンが
海碧亀の乙姫でもある
テグスネ引いて
待ち受けてることもわかってる
ベランダから見える遠い阿蘇山が
お気に入り
これがもう半分の敷地から見た風景ね
もちろんこの竜宮城も大好き😘なんだけど
一条家の掟で
女も
苗字を継がないといけない
兄も結婚して子供いるし
一条ワールドは増えてるんだけど
父の掟というか
遺言というか
お前が名前を変えたら
運が落ちる
確かにそういう
結婚間際、婚約まで行った人もいたけど
字画が悪いという理由で
破談へ
あー一体なんなんだ
猛烈に恋愛したとしても
婿養子なんて誰も予想してないから
そこで朽ちる愛だった
だけど珍しく
乙姫が引いた
もう嫁に行け
そしてうちに住めばよか
やっぱ妥協してない💦
とにかく
あと2年以内には
結婚しなさいよ！！！
親戚の集りで、説明すっとが面倒かったい！
と
バリバリ熊本弁の
一条城の
乙姫様
海碧亀に、浦島太郎でもイケメン亀でもいいから
連れてこい！
って言ってる。
それもあってマッチングアプリも始めたんだった。
アカウントはまだ生きてた。
そっと見ると
通知が千件超えてた
ぞわっと思ったけど
＃本気で結婚したい
で検索してみた
割と少なかった。
＃尾崎豊
で検索したら・・・
LINEがきた
浦島Q太郎からだった。
相変わらず、飛びついてみると
ミウさん、もしかしてマッチングアプリやってます？
ぎょぎょ！
なんとなく、似た人いたから・・
と送ってきた写真は
別人だった
てか、これどっかのモデルの写真使ってるよ！
こんな人絶対現れないから！現実には！
そして
マッチングアプリ？
やってないやってない！
とついその場で嘘をついた。
ん、まてよ
見たってことは彼はアプリやってるってこと？
それを聞いたら
うん、半年間はやろうと思って、結構気が合う人もできたし
悪くないですよ
だと！！
意外な分野で、友達探し、いや、彼女探ししてんの
てことは、この人結婚願望もあるし、あもちろん独身だから当然か
恐る恐る聞いてみた
結婚とか願望あります・・？
彼の答えは
前に女性では色々嫌な思いもしたし
トラウマもあるんでなかなかすぐ結婚とはいかず
正直女性と話すのも苦手やし
けど、親には
それでも
エエ人おればええなあ、と言われてます
なんと！
結婚を意識されてるじゃあないの！
ムクムクと海碧によからぬたくらみが思い浮かんだ。
あの！
ずっと大阪で会うまで
ダラダラ時間かかるのもなんですから
LINEでオーディオ通話とか
できませんかっ！
へ？
って思っただろうなーー
今はなんか
乙姫に脅されてて
今すぐにも大阪湾まで浦島Q太郎を
道連れにしなきゃいけない！って洗脳されてて
そんなのも含めて
ちゃんとこの人でいいか、顔みて話したくなった
説明したかった
だけど
しばらく返事が来なかった
誰かに相談してる？
もしかしてマッチングアプリの女性らと
こんなこと言ってきてる女いんねんけど
どないする？
なんて大阪界隈の相談女たちとざわついてるのかも
あーあ
あ、すみませんでした
なんか
顔が見たくなっちゃったんで・・
急にごめんなさい
と書き込んどく
トホホ
乙姫のせいで、結婚しなきゃいけないモードになってしまった
亀は亀だから、今があるんや！
そこらへんの踊りがうまい、タイやヒラメちゃうわ！！
恋愛には全く鈍な海碧亀や！
いつのまにか大阪弁で物事考えるようになってるし
30分後
LINEがきた
一言のみ
ええよ
は？
ええよ
って
イエス？ノー？
熊本弁で
よか
ってことばあるけど
これもイエスノーどっちも使うのよね！
と考えてたら
コールが鳴って
もしもし
俺、Q太郎ですけど
海碧は焦った
思ってた以上に
尾崎豊！！そのまんまやん！
寝ながらLINEしてた海碧は
ベッドに座りなおした
すこしでもいい角度探して
スマホのカメラポジションをはかる
そのまえに
ほとんどすっぴん！
ぎょえ！
そのことを先に言うと
すっぴんの方がかわいいで！
謎の爆笑
こ、この人、めちゃくちゃ
明るくてよく笑う！
わ、私は・・
どぎまぎして、初めて見る浦島Q太郎の
普通の話し方をガン見していた。
第12話終わり
