オザキ男 第4話 車内トラブルで危険な目に!この人が運命の人?!


結婚したい相手の条件は

顔だ!!

と第3話に書いたら、色んな反響あり

良くも悪くも異議ありだろうけど

別にイケメン探しの旅してんじゃなく

尾崎豊に似てたらいいな

からの段階少しずつ落ちて、部分似てたら

いーな

でいいし

しまいには、ジーンズ👖Tシャツ似合うと

いいなくらいになる


どんな仕事も目標を高く設定して

それに見合う仕事でトントンの成果


恋愛を仕事に置き換えるのが海碧の性格。

だからうまくいかなかったんだよね。


というわけで

好きな顔の特徴を書き込めば

設定できるアプリを使ってみたら

この顔になった。

ちなみに海碧は



これだって!

もう一つの理想の顔

がこれ。


そうか!これをインプットして

人をセレクトすれば良いんだな!

とりあえずスマホの待ち受けにしといた。


昨日友達にすすめられた

カラオケアプリ🎤


演奏会の先輩の独唱を聴いて

素直に素晴らしい👍と思ったから

海碧も真似して、声楽を学びたくなってた。

アプリを入れるだけ入れておく。


さて帰ろう。

もう夜の9時だ。

一体何時間働いてるかわからなくなる。

駅に貼られてた、食堂列車🚃

いいなあーー

電車に眺め良しに、素敵なお食事💓

行きたい!!


でも、女友達は意外とこういうのは行ってくれない

かと言って、電車オタク友達に言うと

ずっと電車うんちく聞かされるから

いや!何より

一緒にいて、気分が上がる人と過ごしたい!!


となると

また一人旅か、友達に頼み込んで

お金出すから一緒にきてえー

もしくは旅好きな叔母と行くか

叔母は上京した18歳からの長い

東京仲間。今は江ノ島にいるけどね。

旅好き❤️だから気が合う。

やはり旅を一緒にできる人が

パートナーでいて欲しいなあー😩

旅オトコ!とか新しいジャンルの男友達を

探してみるか。

オンナ!でもいいけどさ。

何かと男女の方が、雰囲気出るやん?


旅の妄想恋愛を考えてたら、電車がきた。

いつもの帰りの通勤電車に乗ると

休日の車内は様子が違ってた

奥の方で、人が言い合いしてる

家族連れのおしゃべりなのかもしれないけど


隣のおじさんが

やたら買い物袋を気にしてた。

すぐにでも車両変えようと思ってるんだろう。


よく見ると白髪の小さな老婆が

若い男性2人に怒鳴ってた

こんな時、東京では

見て見ぬふり


が基本。これに逆らうと、危険なだけ。

相手がどんな狂気で凶器持ってくるか

わからないからね。


男性2人はリュックが老婆に当たったらしく

よろけたので

老婆が2人にその場で文句を言い

止まらなくなって

ヒステリック説教になってた。

頭を下げてる男性に、容赦なく降り注ぐ

罵声。あんたらみたいなのがいるから

日本はダメになる!ばかりだ!とか

年金がどーのとか

また大きい事言い出してた。


リュックが当たると

日本は沈没すんのか、そりゃ大変だ。


まだ10代くらいの男子だから

孫に叱る気になったのか。それにしても

延々怒鳴ってる。

辞めればいいのに


という空気感はあるけど

誰も動こうとはしない。

ジーッと見てたら


老婆と目が合ってしまった。


その老婆

よりによって

海碧の前にツカツカときた。


元気やん、このおばーさん。


あんたさっきからアタシの事見てたね!

なんか文句あんの?!

アンタも同罪だ!

こんな女がいるから日本はダメになる。

この極悪女がっ!!


とマスク無しで

唾飛ばし気味に目の前の吊り革握りながら言われた。隣の買い物袋おじさんは

見た事ないくらい丸くなり小さくなり

地震で机の下に隠れる姿勢そのもの。

よく訓練されてるなー

と隣を眺める。


みんな失笑してたが

なんでこんなに海碧は目立つのか

とウンザリする事は多い。

ある一定の年配のおばさま方に

とことん嫌われることが多い。


目の前の罵倒のシャワーをあびてると

言い返してやろうかと思うが

どうせイカれてる。

あと一駅でサヨナラ👋


と思い、目を違う方に向けて知らんぷりする。

これが都会の鉄則。

巻き込まれない事が大事、何事も。


ターゲットが代わり、さっきの男性も

すすっと別車両に逃げた。


それを知ったか、また激しく老婆が怒鳴りだす。


この売女が!!!


バイタという言葉の響きに

流石にカチンと来たが


そんなんだから男ができないんだよ!

お前なんか誰も助けやしないだろ!?

だからアタシが教えてやってんだ、アバズレ!


まあよくも、こんな公共の場所で

知りもしない人間に向かって

あらゆる罵倒語持ってくるわね。


と、スマホ📱見て無視してたら


聞いてんのかこのクソ女!!!


と声を荒げ、

よりによってスマホの画面を

バチ!と叩いた。

さっきダウンロードした

理想の男の壁紙に

女の汚い指が乗っていた。


なにしやがんだ

このババア、、


海碧の怒りボルテージ音が高鳴る

なんとなく

クスリと笑い

振り下ろした

婆さんの手首を掴んだ海碧


老婆の手首は薄く冷たく

曲がっていた

垢まみれの指先

尖った爪


普通なら絶対に触りたく無い

この肌をわしづかみしてる


老婆の手首を掴んだまま

老婆を睨み

海碧はゆっくり腰を上げた

老婆は眉を吊り上げて

小さい体を伸ばそうとしてる


車内は静寂のまま、動画撮影してる人も

きっといるだろうけど


海碧が考えたのは

このババアを連れて

次の駅で警察に連れて行くか

非常ベルを鳴らすかだった

こんな奴を電車に乗せてたら

ろくなこと起きない


しかし、海碧は

老婆のもう片方の手の場所までは

見てなかった


老婆のポケットにキラリ光るものが見えた


その時


い!痛い!!


老婆が叫んだ


掴んだ手首かと思い、

思わず手を離した。

そうじゃなかった


老婆は

もう一つのナイフを持とうとしてた手を

ねじりあげられてた


おい!

もうええやろ!!

何簡単に人殺そうとか

してんねん!!

えー加減にせーよ!

海碧はその声を聞いて

老婆の後ろで手をねじり上げてる男を

まじまじと見た


派手な

シャツとネックレス

細い顎

太めの首


しか

目に入らず

ナイフが床に落ちた


そこから世界がぐーるぐる


ねーちゃん

大丈夫か!!


の声が遠くに聞こえ


大丈夫やない!

このままなら死ぬ!助けて!


もう1人はいやや!

誰も助けてくれん!


とか頭で考えるけど

言葉にできない


どうやらそこで気を失ったみたい。


目を覚ましたら

駅の待合室のベッドだった


久しぶりに爆睡した!

そんな感じ

うわー

今何時?!


でガバっと起きる


目の前にいたのは

心配そうに立つ警官と駅員

そして

この人

はあ?!

誰なん!!


あ!


さっきばーさんを

ねじり上げて

助けてくれた人!


派手なシャツ男!


うわまだ目がぐーるぐる


その人は


海碧が目を覚ますと


アンタ、大丈夫か?


みたいな言葉を吐いて


颯爽と部屋から出て行こうとした。


ちょ、お名前だけでも!!!

連絡先とか!

お礼します!!


海碧にしては

か細い声で言った。


普段のふてぶてしさなんか

電車に置き忘れてしまったみたい。


それなりに

怖かった


あんな小さなバーさんでも


狂気に


恐怖を感じた。


魂が取られるみたいに

腰がすくんだ


警察に言われた


あの老婆は

釈放したばかりの

前科者で

また逮捕したから大丈夫ですよ


よほど、世の中にいたくなくて

犯罪犯しては

刑務所に戻ろうとする

狂気の輩


だけど、命まで奪われなくて

良かったです


あの人が助けなかったら

本当に貴女を刺すつもりだったようです。


海碧は

呆然と聞いていた。

命は

いつ途切れるものかわからない。

1人では

勝てなかった。

自分では

自分の命を守れなかった。


突然現れた

救世主は

どこへ?


と聞くと

もう帰りましたと。


実際今何時ですか?と聞くと

終電前の11時。


2時間寝てたんだ。


そうだよな

このところ変な夢見たり

睡眠不足もいいところ

気を失うなんてほとんどないけど

死んだように寝てたらしい


警官が言った


あの人にお礼かなにかします?

彼は大阪から東京に

仕事で来ているそうで

住まいは大阪みたいですよ


たまたま

良い人が乗ってて良かったですね


ええ


そう言うと

電話番号をもらった

住所は個人情報の観点から

聞かなかったみたい


だけどいい人ですよ

最初貴女の知り合いかと思いました。


なんで?


いやあ、ずーっと貴女が起きるまで付き添うって

言い張るんですよ

起きられたから

本当に帰られましたけど。

大阪に戻らないといけないみたいで、

時間かなりずらしたんでしょうね


このまま
駅に泊まります?
と聞かれたけど
帰ることにした。
家のベッドで
今日のおさらいしたいし

もしかしたら
この派手シャツ男が

運命レベルの人


なんじゃないかと

うっすら感じた


でも大阪の人か


遠いから会うことは

なかなかないかな


ぼんやりとしか

彼の顔が思い出せない。

写真撮ればよかった。


けど

ジーッと見る

透き通るような目が👀

とても綺麗だったのが

印象的な人



ん?
でも待てよ!

こんな時間から大阪に行く
新幹線も飛行機もないな

連絡してみようかな!
近くにいるのかも!
けど
今からだと夜中過ぎ
うーん迷惑だよね。
どうしようーーー

まだ東京にいるなら
せめてお礼が言いたい!

ありがとうて言えてない!

第4話 終わり