前作からもう7年か…
いやー前作は読みきるのが本当に大変だった
だってやたら長いのに話は中々進まないしただただ辛い状況が続くし
新作は読み切りだからまぁすんなり読めたけど、やっぱ辛い描写多めというか、気持ちが晴れやかになるような話では無かったな
でも、よくよく思い返してみれば実際に辛い描写が多いのは最初の短編くらいで、他はそんなに辛い展開でも無いんだけど
なんでこんなに鬱々とするのかなー?と考えた時、「救い」が圧倒的に足りないんだと感じた
辛い描写が「これでもか」と積み重なって読者にフラストレーションを溜めまくるくせに、それを解消するカタルシスが全然無い
私は「図南の翼」が過去作では一番好きで、次いで「風の万里 黎明の空」「月の影 影の海」が好きなんだけど、どれも作中で「うぉぉー!やったー!」みたいな胸熱展開があるし、ちゃんとそれまでの行動が報われるような描写があるんだよ
そりゃ現実では物語みたいに都合良くはいかないだろうし、国という単位で見れば犠牲もとんでもないものなんだろうけど
犠牲を書くなら救いも同程度は欲しい
十二国記はファンタジー小説というフィクションなんだから、犠牲というリアルだけを表現しないで欲しい
私は十二国で生きる幸せな民の生活が読みたい
エンよりも長く続いているという一番長命な国の話とかね(国名覚えてない)
十二国記は基本傾いた国の話だけだから、平穏に生きてる人々の様子とかよくわからんし
あとはギョウソウがその手腕できちんと国を建て直した話とかでもいい
とにかく戴の人たちの幸せな様子が見たい
最初の短編で王を売った人の罪滅ぼしが描かれるけど、最後の短編でも言われてるように、国が傾いたのは王・麒麟・臣下、さらには天のせいなんだから、この人言うほど悪くないんじゃない?と思った
始めから王を売るような人間性だった訳じゃないじゃん
6年も耐えても、それでも終わらない苦境に心が折れたなら、そうなる前に国を建て直せなかった王の責任だよ
ギョウソウは自分が救えなかった民にそのまま仇を返されただけ
そしてその結果、自分の仲間や臣下という民を更に失った
それなのに、罪滅ぼしで墓を建てる彼が周りからも白い目で見続けられるのはなんだかなと思った
心情は理解できるけどね
読者の視点は王や麒麟側になっちゃうから、「責める立場になくない?」と思っちゃうな
まぁ書きたいのは「罪」というものの多角的な視野なんだろうけど
泰麒もなー
篷山に居た頃はあんなに活躍してたのに、使令も持たずに自らの手で人を殺めて病むとか弱くなったよねー
逆に強くなったとも言えるけど、デバフかけるより普通に使令で無双してくれた方が読んでて面白いのに
ギョウソウはめちゃくちゃ強くて有能と言われてる割に全然活躍しないし、戴の苦境を長引かせるために色々展開が逆ご都合主義にも感じてくる
結局は民を苦しめてるのは天というか作者の小野さんだしね
現実と違って子供も中々産まれないから、こんなペースで国が困窮したら普通に滅ぶんじゃない?と読んでて何度か思ったことがある
十二国記の世界って、小野さんの与える苦難に耐えられるほど耐久値高くないと思う(笑)
次があるなら幸せな話だといいな~