あたしの初恋は幼稚園の年少さんのときだ。
相手はMくん。
親同士も仲がよく、お互いの家に遊びに行ったり遠足で一緒にお弁当を食べたりしていた。
親公認の相思相愛カップルだった。
そんなMくんとの思い出で印象深いことが二つある。
一つ目は、幼稚園内での話だ。
自由時間にみんながブロックとかで遊んでいる横であたしはMくんに「あたしのことすき?」と何度も聞いていた。
我ながらなんてうざい3歳児なんだ。
Mくんは答えてたのかな。
周りはどうだったんだろう。
覚えてないな。
たぶん周りなんか見えてなかったんだろうなぁ。
もう一つは、Mくんのお母さんから聞いた話だ。
当時Mくんはアンパンマンのおもちゃを持っていた。
ひらがなが書かれたボタンがあって、それを押すと「あ」とか「え」とか音が出るのだ。
そしてそれは文も作れる優れもので、例えば「おなかへった」と押して再生ボタンを押せば「おなかへった」と音がでる。
その機能でMくんは「○○ちゃんだいすき」という文を作っていたらしい。
○○ちゃんとはあたしのことだ。嬉しいかぎりだ。
このように幼いながらも真剣にラブラブだった初恋は自慢だったし、大切な記憶だった。
のだが。
その後恋多き私はいろんな男に恋をしながらもMくんに年賀状を送ることだけは欠かさなかった。
特別な感情とか交流があったわけじゃなくて、もう当たり前の習慣だった。
そして一昨年ある事情ですごく久しぶりにMくんに会ってアドレスを交換した。
Mくんは男子校に行っててしょぼい感じだと聞いていたので会ってもショックとかはなかった。
何回かメールしたけど、そのときいろいろあってMくんの相手をする余裕がなくてすぐにメールは途絶えた。
それから一ヶ月後くらいかな。Mくんからメールが届いた。
内容はあんまり覚えてないけど「やらせて」みたいなくだらない内容だったと思う。
その直後にまたメールがきて「今の友達のいたずらで、本当ごめん」みたいな謝罪メールだったけどあたしは返事をしなかった。
幻滅したとかじゃなくて、同じクラスの男子たちもいたずらメール大好きだったから慣れてたし、メールの内容じゃなくて、なんか、そういういたずらメールを送る相手が10年以上前の知り合いのあたししかいないのか・・・と思ってあきれてしまった。
まぁ笑い話のネタが増えてよかったよ。
さらばMくん。初恋をありがとう。