主演の佐藤二朗が映画用に執筆した原作を実写化した、サイコバイオレンス映画『名無し』

白昼のファミレスで起こった無差別大量殺人事件の犯人と思われる中年男性の手にはあるはずの凶器がなく、防犯カメラにも写っておらず、その犯人の正体も不明で警察の捜査も難航するなかで、容赦なく見えない凶器で繰り返される大量殺人。やがて男の正体が過去に万引きの疑いで調書をとられた”山田太郎“であることがわかり、彼の家からは彼と幼い頃から一緒に暮らしていた花子の遺体が発見され、彼を追う警察をもその手にかけ、拳銃を奪い、大量殺人を繰り返す男・山田太郎の凶行はどんどんエスカレートしていくのですが、全編通してとにかく殺しまくるだけで、何が彼のサイコパスのスイッチをいれてしまったのか、なぜあんな凶行に至ったのかは今一つピンと来ないんですよね。。。

並行して明かされる過去の彼の少年時代の回想シーンから、コードでぐるぐる巻きに封印された右手で触れた”もの“は消えてしまい、その名を知る生物に触れるとその生物を壊してしまうと言う謎の能力をもつことはわかるのですが、なぜそんな力があるのかや、それは何のためのものなのか、なぜ花子を殺してしまったのかもはっきりしないので、何もわからないままなのもなんだかもやっとします。。。★★★65点

そんな手をもったことから名前も与えられず、不遇な生い立ちであったことはわかりますが、だからといって彼のやったことは許されるものではなく、彼の過去を知る国枝刑事(佐々木蔵之介)が厳しく言い放ったように確かに“クソ”ですね。。。

結局最終的に何の解決もしないままですし。。。

オフィシャルサイト

SF映画の金字塔、「スター・ウォーズ」のドラマシリーズ「マンダロリアン」の続編となる劇場版『スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー』

時系列的には映画3作目、エピソード6「ジェダイの帰還」の数年後の話で、どんな依頼も完遂する伝説の孤高の賞金稼ぎで戦闘集団マンダロリアンのディン・ジャリンと、マスター・ジェダイのヨーダと同種族らしい幼い孤児でディン(マンダロリアン)の弟子のグローグー(言葉はまだ喋れず、見た目も行動も子供のような感じですが実年齢は50歳前後らしい)のコンビの冒険譚で、ドラマシリーズはシーズン3まで全24話あり、本作はその続きになるみたいで、ドラマシリーズを観ている前提なのか、キャラクターの詳細な説明とかはほとんどないので、初見だとそもそもマンダロリアンが何なのか、あのちっちゃいヨーダはなぜ一緒にいるのとか、何が敵で何が味方なのかすらわからないまま、物語はどんどん進んでいきます。。。

まぁ、今回のストーリーは新共和国のウォード大佐(シガニー・ウィーバー)の依頼で、悪党の双子の”ハット・ツインズ“から帝国側の情報を得る代わりにある惑星に囚われている彼らの息子・ロックを奪還する任務を引き受けるところからで、凄腕のライバルの賞金稼ぎに捕らわれたり、ハメられて凶悪なモンスター達と戦闘を強いられたり、数々のピンチに見舞われながらも、噂通り任務を遂行していく流れで、一匹狼(?)の傭兵なので敵味方自体はっきり名言されているものでもないですし、キャラクターの相関や過去の経緯については興味あれば自身で検索してねなスタイルっぽいですが、多少わからなくても楽しめる作りにはなっています。個人的にも本作が初見でしたが、ストーリー的には王道な展開でわかりやすいですし、ほどよいピンチと強力・強大なモンスター討伐などの見せ場も十分でよかったです。★★★★85点

目新しさと言う点ではちょっと物足りなさはありますが。。。

 

雇い主の新共和国の大佐役のシガニー・ウィーバーさんはエイリアンシリーズやアバターシリーズなど、大御所のベテランSF女優ですが、スター・ウォーズシリーズは76歳にして今作初登場なんですね。レイア姫ばりに前からいたかのような貫禄はありますね。
オフィシャルサイト

映像化不可能と言われた医療小説家・久坂部羊の衝撃的な老人デイケア治療を扱ったデビュー作を染谷将太主演で実写映画化された問題作『廃用身』

老人デイケア医療に携わる主人公の医師・漆原は脳梗塞等による麻痺でリハビリをしても回復の見込みのない動かなくなった”廃用身“と呼ばれる手足を切断して、痺れや痛みを根本から無くし、ウエイトを軽くすることで介護者の負担も軽減する斬新かつ画期的なAケアと名付けられた治療法を施したところ、負担軽減以外に、身体負担や痛み等のストレスの軽減もあってか性格が穏やかになったり、認知症が改善されるなどの付随効果もあることが見受けられたことから、出版社の矢倉の協力も得て、Aケアの有用性と可能性を世に問う手記の出版を進めていたところ、順調に見えたその治療が、内部告発とある事件を発端に、有用と認められるより先に悪魔の所業として悪評が広まっていく中でマスコミや疑念を抱く関係者に追い詰められていく医療サスペンスです。

切って軽くすることで本人・家族・介護員の三方良しになる残酷だけど理にかなっているだけに、本当に有用なのではと錯覚すらしてしまう前半と、実際に施したら確かにこうなる可能性も高く、最悪こういう結末も想定はできると言う受け入れ難い現実を突きつけられる後半でガラリと雰囲気が変わり、観る側としては単に異常な医師の暴走とは言えない高齢化社会の課題を突きつけられるような確かに賛否分かれる問題作といえます

★★★★☆90点

最初はあくまでも治療の選択肢の一つとして、ガイドラインを作って患者の意思で進めており、彼も患者に向き合って理解を示したうえで辿り着いた治療法でしたが、確かに施してしまえば後戻りができないですし、普通に考えればそういう治療自体倫理的に許され難いものと思われます。また、患者の同意を必須となっているものの、(そのつもりはなくとも)介護される老人の側からすれば、劇中でもあった通り、強制されたわけでなくても、本心で望まなくとも、治療を受けた人の様子や家族の負担を考えればその選択も仕方ないと思って承諾してしまうこともあるかもしれません。。。

将来近しい状況になったらどうするべきかも考えさせられるお話でした。

オフィシャルサイト

 

地鎮祭で祠を破壊してから嘘がつけない呪いにかかった不動産営業マンが正直営業で嘘だらけの不動産業界を渡り歩くビッグコミックに連載中の人気コメディ漫画がNHK で山下智久主演で実写ドラマ化されスペシャルドラマ、スピンオフドラマを経てついに劇場版『映画 正直不動産』が公開

漫画原作は一巻だけお試しで読んだ程度ですが、直近で話題になった不動産業界絡みの事件なども取り入れられたりする風刺漫画で、周りからも面白いとは聞いていましたが、ドラマの方は今回の映画が初見になります。。。

いきなりテキサスの荒野で彷徨う場面から始まりますが、正直このシーンって余りストーリーにも影響しないし、後半にも少し登場する恋仲の榎本美波を登場させるためだけの尺合わせ的なシーンな気が・・・

劇場版は、ライバルのミネルヴァ不動産との地上げトラブル、後輩の月下咲良の元同級生の定期借家契約トラブルといった細かい案件を片付けつつ、6万坪の農地転用案件に絡む大きなプロジェクトがメインの事案で元同僚の不動産ブローカーと対立、共闘しつつ、呪いの風の力も借りつつ問題を解決していくのですが、初見の感想としては、無理矢理織り込んでいるかのようなコメディシーンをそういうのが向かない山ピーに演じさせるせいで余計に滑ってしまっていて、わざとらしいというか、漫画を実写化した際の良くない感じがふんだんに出てしまって残念な感じでした。。。ディーン・フジオカにタップダンスさせる必要とかあります??

最終的な解決策も別にそんなに意外性のあるものでもなく、ミネルヴァの対応も何だったんだ感しかなく、なんだかいろいろともったいない内容でした。。。★★☆50点

劇場版にするほどの内容だったのかも疑問です。。。

オフィシャルサイト

生放送のクイズ大会「Q-1グランプリ」の決勝戦で両者どちらかが正解すれば優勝となる最終問題で、問題を一文字も聞かずに正解し優勝した対戦相手がなぜ問題を聞かずに正答できたのかを解き明かす異色のミステリー『君のクイズ』

直木賞作家の小川哲原作の小説を中村倫也、神木隆之介主演で実写映画化された作品です。

問題を聞かずに正解するとか普通に考えたらやらせか問題のリークくらいしか考えられないところですし、劇中でも“魔法”と称されるだけに、まさか未来視とかオカルトな展開までになるとミステリでもなんでもなくなってしまうなと思いながら鑑賞しましたが、やらせ疑惑で炎上し、番組側もやむなくその真相を解明する検証番組を企画し、失踪しているゼロ文字正答した本庄のいない中で、問題となる決勝戦を振り返りながら、ゼロ文字で答えることができたのはなぜかを探っていくなかで、早押しクイズでよくある「何でそこでわかるの?」の疑問も、膨大な選択肢の中からたったひとつの正解を導きだすのに最低限必要なキーワードが揃う“確定ポイント”が仕掛けられたクイズ問題の構成や、その答えに行き着くだけの知識量と記憶力、確定ポイントのワードが聞こえそうなタイミング(問題読み上げ者の口の動きなど)で先んじて答えたり(読ませ押し)、時には相手より早く答えるためにある程度答えが絞られた時点で賭けに出る(ダイブ)などのテクニックなど、知らなければ魔法としか思えないような答え方が論理的に説明され、最後になぜあの答えにたどり着いたのかは、一つ一つの問題と答え方だけを見ているだけではたどり着けない作りになっていて、いやいや、思った以上に“クイズ”に本気で向き合った、正にその頂点にいる二人と、その生きざますら、良くも悪くも“エンタメ”として利用し、視聴者に最も“ウケる”ように演出するプロデューサーとのガチンコの読み合い、せめぎ合いで、最も答えだけを求めてその表面だけを見て「ヤラセだ」「いんちきだ」と批判する視聴者が陳腐に見えてしまうほど、その“答え”を選択した本庄絆(神木隆之介)とそれを解き明かす三島玲央(中村倫也)に“早押しクイズ”の真髄が垣間見えた気がする、個人的には非常に興味深い、確かに誰も死なないミステリーでした。

★★★★85点

あの舞台に立ち、最後にあの問題にたどり着いた二人の歩んだ人生の過酷さと覚悟の差がこの結末だったんだろうなと思いますが、個人的には本庄との最後の会話とその後の番組側とのやり取りで終わっても良かったのに最後の語りと再会は要らないなぁと思いました

オフィシャルサイト