28.2回目のプロポーズ | ゆうとみいのねこだるま

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ぼくの名前はゆう。ぼくはこころの世界に住んでいた。ずっとみいの存在を探して…やっとこの世界に来ることができた。ぼくがこの世界に来て感じたこと、伝えたいことをブログをとおして発信することができたんだ

みやちゃん大好き

282回目のプロポーズ

 

父は昨年の12月に入って、頻脈性不整脈で入院した

毎月の薬をもらう日、かかりつけの病院から救急車で運ばれた

 

本人的には気持ちは元気だったので、入院するというイメージは全くなかったらしい

 

脈が200を超えるぐらい数値で、これを良くする薬を飲んで2週間入院すれば、回復の見込みがあると言われた

 

だけど父は、少しだけ回復したたけで、家に帰りたくなりそれを抑える事ができなかった

点滴は外してしまうし、ベッドから起きてトイレへ行けば病室に戻れなくなり、「家に帰りたい」とナースコールしてしまう

 

2週間キチンと入院して治さないと、後で、間質性肺炎を引き起こすと言われていたのに、結局、看護師さん泣かせで、初日はICUに入院していたような人が3日で退院となった

 

なんと言っても、家には大好きなみやちゃんが待っているから、離れるのが寂しくて家に帰りたいのだと思う

 

私も母も、あまりにも早い退院に驚いた

 

父が予想より心臓は悪くなかったのか、それとも途中放棄されてしまったのか、どちらかで退院とは思ったのだけど、不死身のような父のことだからきっと大丈夫って思った

 

退院した後は、少しの間は具合が悪そうだった

笑わなくなったし、食欲も以前のようではない

 

それも数日経つと、だんだんと以前のように笑うようになって食欲も戻ってきた

 

父が入院してもう一つ心配だったのは、認知症が進んでしまうことだった

だけど入院も3日ぐらいだったので、以前と変わった様子もなく安心した

 

毎日、父は母と昔の話をしていた

私たちや孫のことや、親戚や親戚の子供や孫の話。一人一人名前を言って、親戚の子供や孫の名前までといちいち母に聞いていた

 

そして教員時代の教え子の思い出話は、とても楽しそうに話した

その教え子が大人になったとか、どこかで偶然に会えたとかの話もしていた

 

昔のことは、とても良く覚えていた

 

また近所の人たちと遠い昔にグランドゴルフをどこそこでしたとか、直近に通ったディサービスのボール投げ競争で1位になった話から、独身時代に見たお城のお堀近くにいた食用ガエルの話まで、二人は24時間一緒にいても話題には事欠かないだった

 

ある日、テレビをつけたまま、いつものように二人が話をしていたが突然神妙な話声が聞こえてきた

なぜこの話が気になったかと言うと、少し声が大きめで涙声だった気がしたからだった

「みやちゃんには、たくさん迷惑かけたよね

「オレはいい亭主ではなかったよね

「でもオレはみやちゃんと結婚して、しあわせだったよ!」

「・・・・また、生まれ変わったら結婚してくれる?」

 

私の前で言っていい話なの?って思ったけど、私がいてもいなくても関係ない感じだった

母は「・・・いいよ!」と言った

父はちょっとほっとしたような顔をして、にこにこって微笑んだ

 

 

 

 ※今日の挿絵は  ゆみい でした