中学受験のさなか、小さな塾でしたが
そこでは常にトップクラスの成績でした。
科目によっては1位だったし、
女子の中では総合1位、男子を入れると2位でした。

それでも母親は言うのです。

「あなたにはハングリー精神がない」

同じ塾の、私よりも順位が下の、
ランキングにも入っていない
(科目によっては下の方に食い込んでいることもある)
女の子と比べて

「○○ちゃんはハングリー精神がある。
毎日何時間勉強して、
テストで順位が低いと泣いているそうよ」

母親が私に何を望んでいるのかわからなかった。

ハングリー精神ってどうやって持てばいいの?
テストで思うような結果が出なかったら嘘でも泣けば良いの?

親からしてみれば、ポーカーフェイスで涼しい顔をして高得点を取る娘と
その友達は泣いて努力しても私に勝てないと言う。
もしかしたら親同士の関係のバランスもあったのかもしれない。

だけど、他から見えない家庭内でくらい、
私の成績を褒めてくれてもよかったのではないか。

母親は受験の魔力に飲まれていたのかもしれない。
○○ちゃんのお母さんと、うちの母親が友達でなければよかったのかもしれない。
常に○○ちゃんのママから、
○○ちゃんがどれだけ頑張っているのか聞かされて、
○○ちゃんは私よりも結果も出せていないのに
何故か「受験生はこうあるべき」というような基準となって
間接的に私は苦しめられた。

何故、結果も出せていない子の真似をしないといけなかったのか。
受験とは、結果が大事ではないのか。
中学受験の間中、ずっと疑問だった。

私は、勉強が好きだった。
ハングリー精神とやらがなくても、ある程度の高成績が取れていたのは、そのせいだと思う。

だが、ハングリー精神ハングリー精神と言われ続け、
結果を出しても親からは褒められることもなく、
だんだんと勉強が苦痛になっていった。

ハングリー精神って受験に必ずしも必要なのだろうか。

結果、○○ちゃんは私が受かった中学に落ちた。