泣いたり、怒ったり、すねたりして、ようやくゲッツしたParis行きチケット。

ここLyonからTGV(新幹線)で2時間というお手軽な距離にありがならも、パリへのチケットは、どこの街に行く切符よりも高い。(気がする)



今回の目的は、観光でもショッピングでもなく、“ケーキめぐり”!

いや、正確に言うと、Paques(イースター)のディスプレイを見たいが為の、チョコレート屋さんめぐり!

イースターとは『キリストの復活祭』で、この頃になると、復活の象徴である卵やウサギ、神の象徴である鐘の形をしたチョコレートが街のお菓子屋さんに溢れ、大賑わいなのだ。私は、この時期のお菓子屋さんめぐりが大好きなのである。


朝から夜まで、目一杯時間を取ったが、段取りよく済ませたかったので、事前にインターネットで調査☆



何せ、今回の渡仏は“国外退避の夫に着いてきた妻”。着の身着のまま、精神的にも張り詰めた状態で来たため、当然のんきにケーキめぐりなどしようという考えは全くなく、パリのお菓子屋さんガイド類は全て東京に置いて来た私である。

急に決めたことだから、インターネットで調査するしかない、という訳だ。


日本人の口コミもいいが、それよりフランス人の口コミがたまらなく面白い!!

日本人は日本国内のお菓子屋さんの評価については割りと辛口になれるけれど、フランスのお菓子屋さんについては、興奮していることもあってか(?)割とソフトな評価が多い。

その中での地元フランス人の評価というのは、実に面白いのである。



…とは言え、どんな評価であっても、それが自分でどう思うかというのは、やはり行ってみないとわからないので、ここは“百聞は一見にしかず”精神で、リストアップ!それでガッカリしても、しょうがない、ということで。

けれど結局、フランス人の口コミに夢中になって、時間が足りず、調査不足でパリに行く羽目になってしまった。




――朝7時20分。

私と夫はLyonのPart-Dieu駅にいた。

ヒンヤリする空気の中、私はしっかりレザーブルゾンのチャックを閉め、売店で雑誌を立ち読みしながら時間を待った。


久しぶりのTGV(新幹線)。


TGVを以前は素晴らしいと感じることはなかったのだが(1度だけ格安で1ere classe(1等席)に座ったが、さすがにその時はウキウキした)ここのところ指定席のないter(急行電車)に乗る機会が多く、時間帯によっては座れない場合もあったので、なんだか今日はTGVが素敵に見えた。


売店でお菓子を買いたかったけれど、今日はお菓子めぐりの日。

パリで美味しいお菓子達が待ってるから、我慢我慢!



今日はプラスチックのスプーンを一本。バッグに忍ばせて来た。


ここで、普段の“ケーキめぐりキット・イーン・フランス”を紹介しよう。

・エコバッグ(何かと便利)

・お弁当のフォーク(ケース入り

・ウェットティッシュ(日本から持参)

・お菓子のガイドブック←最寄の駅など調べる手間が省ける

・メトロの地図を含めた、パリの地図(小さめのもの)

・カメラ

・タッパー←つぶれては困る焼き菓子類を入れるのに便利


今回は“緊急特番”の為、リヨンでたまたまゲットしたプラスチックのスプーンを捨てずに取っておき、ウェットティッシュ(日本から持参)、エコバッグ、カメラと前日に買ったパリの地図で対応。


忘れちゃいけない、ケーキ屋さんのアドレスを書いた紙切れ一枚。

青空の下、私達を乗せたTGVは菜の花が一面に広がった畑を駆け抜け、私は用意しておいたお菓子屋さんのアドレスをじっと見つめ、“さて、どこから周ろうか”と考えていた。



――そして10時。



私達は、ついに、Parisへとやって来た。



「どこから周る?」


夫が私に尋ねた。


「う~ん…(←すでのどこから行ったら良いかわからなくなってきている)…じゃ、取りあえず、Odeon!(←もうヤケクソ)」



なんだかもう忘れてしまったけど、Odeonは何度かお菓子めぐりで行ったことあるし、取りあえず行けば何かあるだろう!という安易な考えだった。

Gard de Lyonから橋を挟んで隣の、Gard de Austerlitzへ歩いて、そこからメトロに乗ることにした。



――つづく