さぁ、手作りハンバーガーも食べたことだし…先ずは、ちょっとお昼寝♪(おいー)
(フランス語では “faire la sieste"(昼寝をする)と言うが、フランス人はお昼寝が本当に好き!→むしろお昼寝するのが当たり前)
じゃ、後でね、とそれぞれの部屋へ入り…
本気で昼寝。ちゃーんとベッドに入りました。
時計なんか、見ちゃいませーん。
目覚めた時が、起きる時。
日本の職場では、お昼休憩の時に確かにうっすら眠くなって、5分か10分くらい目をつぶることはあるけれど…
それはきっと昼寝って言っちゃいけないんだ!!!(そーだ、あれは目を閉じただけなんだ!!)
…
…ガラガラガラ!!!
テラスで物音がして目が覚めた。
パパ達が起きたみたいだ。
起きたら、即、行動!!!! コレが我が家の家訓。(←なんじゃないかっていう、想像)
パパはもう一眼レフを首からさげ、帽子をかぶり、準備万端だった。
私も慌ててパーカーをはおり、マイ・一眼レフ様を首からさげた。
「よし、行くぞ~っ!」
「おーーーっ!!!」
ズンズンズンズン。
家の目の前にある山道を入り、戻ると今度はチクチク、針金のバリアーをよけ、牛達のいる牧草地帯へ入り(←いいのか?)…
…牛の糞を右へ左へよけながら、3人の探検家は、すっかり桑の実摘みに夢中になってしまった。
「Viens voir!!(ちょっと来てみて!!)」
「おぉぉ~っ!!」
牧草地帯のヌシか。
超・巨大の蜘蛛が、大きな家(巣)を構え、じっと来客(獲物?)を待っているようだった。
興奮した私たち。しばしパパと私の撮影会。
パパはレンズをズームに替え、大きくアップした写真を自慢げに見せてきた。
(…きもっ…
)
“蜘蛛の主の撮影会”はそこそこにし、桑の実摘みの再開!
薔薇みたいに、棘があるから気を抜くとチクッと刺さり、意外と危険なこやつら。
牧草地帯のバリアー(針金の)もチクチク危険なので、3人で針金を持ち上げながらくぐり抜けた。
…そして村の中へ戻り…
ポツポツと生えている木の下を見ると、見覚えのある実が落ちていた。
「胡桃だよ!」
「コ・コレガ??!」
上を見上げてみると、実はまだ青々としており、普段日本で見る、茶色くなったあの殻はしっかりと果実で覆われていた。
(そう言えば、アルザスで葡萄摘みの仕事したとき、農家さんが“胡桃なんてそこら辺に生えてる”だとか、“大体の家にある”などと言っていたっけ…)
日本で言う、柿とか、みかん的存在なのかな?
落ちている青い果実を開けてみると、先ほどの様なしわくちゃの殻、まさに、胡桃が出てきたのだ。
「割ってみようか!」
「うん!」
パパが殻を割ってみると、あのしわくちゃな中身が、まだフレッシュな白さを残しつつ、ひょいと出てきた。
「持ってく?」
「うーん…いいや。」
そして、また歩き始めた3人の探検家。
今日は良いお天気。
至る所に畑や牧草地帯が広がり…
そよ風で草が揺れ、キラキラと輝く。
しばらく歩くと、沼地の横に山へ続く小さな小道が見えてきた。
「こっち入ってみようか!」
「おぉぉーーーっ!!
」
3人は縦一列になり、パパ・私・夫と続いた。
ズンズンズンズン。
うっそうと生い茂った木々の中、ひたすら前に進んでいった。
途中、黄色い目印が木の幹にポツポツとあることに気づいた。
「迷子にならないようにだね。」
そして、また歩き始めた。
なんだか、ヘンゼルとグレーテルみたい。
・・・
「ねぇ、今どこかな?」
「わかんない」
「ボクもわかんない」
…
(もしや…迷ったってやつ?)
「どうやら…迷ったみたいだね、僕たち。」
ひぃぃ~っ!!
…ここまでもう大分歩いて来てしまった私たち。
今更引き返すのも危険な気がする…
これって、これって、山にきのことか採りに来て、道に迷っちゃうパターン?
ど、どうしよーーーー![]()
「怖い?」
「うん、ちょっと(かなり)」
…ふと、携帯で時間を見た夫がこう言った。
「あ、携帯の電池がなくなりそう!」
「えぇぇっ
」
(も、もし…何かあったら…どうするんだろう~っ
)
さっきまではのん気に写真なんか撮ってたりしてたけれど、もうそれどころじゃない私。
細くてデコボコした山道を、3人の列を崩さないように歩くので必死だった。
歩いても歩いても、まだまだ続く山道に、本気で怖くなってきた。
唯一、大の男二人の存在がせめてもの救い…。
…
…
陽がだんだんと傾いてきた。
ヤバイかも。真剣に、ヤバイかも…。
…ふと、道の上に馬の足跡と、フンのようなものが。
「ここ、人が通るみたい。」
そのまま突き進んでいくと、突然、機械で畑を耕す音がしてきた。
「うおおおおぉーーー!近い!人の気配がする~(*^o^*)」
草木で見えないけれど、明らかにすぐ近くで人の気配を感じた。
そしてその時、何か明るい光りが見えてきた。
「あそこに出てみよう!!」
そこは、だだっ広い、何もない牧草地帯だった。
しかし、この木々のすぐ脇で、車がビュンビュン走る音が聞こえてくる。
高速のすぐ隣みたいだ。
「よし、この坂を登ってみよう!」
「おぉーーーっ!」
最後の力を振り絞り、この長くて急な坂道を登り始めた。
結構きつい~~![]()
途中で何度も歩くのをやめたくなった。
それでも何とか登りつめ、木の壁をくぐり抜けた時…
「この道、知ってる!」
パパと夫に安堵の笑みが。
私も無性に嬉しくなってきた。
「ここに出てくるのか~!」
「さぁ、家に帰ろう!!」
「オォー!」
帰り道、出会った牛達も、ご機嫌な私たちに写真の大サービス。↓
歩いていると、とうもろこし畑の合間合間に、↓こんな何にもない土地がポツポツ。
ここは元々は畑なんだけど、一年おきに(確か)こうして何も農作物を作らず、土を休ませるんだって。
そうしていくうちに、ポツポツと家が見えてきた。
よその犬が、猛烈な勢いで吠えて駆け寄ってくる。
たったそれだけのことですら、
「帰ってきたんだ~…」
とホッとさせる。
そして、とうとう家の門が見えてきた。
ママはテラスで椅子に腰掛け、犬と私たちの帰りを待っていたようだった。
「どこ行ってたの、遅かったじゃない!! 電話も通じないし、心配したわよ~!」
「携帯の電池、切れちゃってさ。」
「こんなにMures、摘んだんだよ!」
「さぁさ、おやつの時間が過ぎちゃったから、早く食べましょ!」
Carrefour(スーパー)で買った、フランボワーズのソルベ(シャーベット)と、コーヒーのアイス。
夫はフランボワーズは食べれないそうで(偏食大王だから)、私がその代役を果たした。
摘みたてのMuresをたっぷり添えて…。
―― 沢山歩いた午後…。
疲れ果てた私たちは、その夜、ぐっすりと深い眠りに入ったのでした。








