「それで、ロンドンではどのくらい待つんだ?」

父に聞かれた。

「6時間だか8時間」

「長いな…旦那に来てもらえっ。愛してるなら来てって、言いなさい」

「だ~いじょうぶだよ~」

…なんつって…

大丈夫かな…

あんまり皆が脅すから、なんだか不安になってきた。

2週間後に迫った渡仏。私は初めてのロンドン(ヒースロー空港)経由で行くことにしていた。

ワーホリ中にロンドンに行った時は、別の空港だったから、今回、ヒースローに行くのは初めてなのだ。


「ねぇねぇ、お父さんが来てもらえだって」
一度は迎えに行こうかと言ってくれたマイキーに、大丈夫!と断った私に

「C' est cher, hein?!(高いよー)350eurosするよ?」

むっ…

「じゃあいいや」

「でも、来て欲しいなら行くよ?」

「大丈夫。」

「Si tu le dis.(まぁ、そう言うなら。)」

えっ!引き、早いんですけどっ?

ちょっと複雑そうな顔をしてると、

「なに、まだむくれてんの?来て欲しいなら行くって言ったじゃん!」←おっしゃる通りです

…そこで夫のパパ登場。

「どうしたんだい?」
「ハッ!喧嘩してるんだよ。いつも、しょうもないことでもめるんだ・笑」

なぬっ!?

しかも、une grande filleって言ったなっ?
※いい大人が、ということ

そんなこんなで、最初は笑い混じりの喧嘩も、段々ヒートアップして、いつしか本気の喧嘩に変わっていた。

「心配だから、やっぱ行くよ。もう決めた!その方が安心だし。

本当はどうして欲しいの?言ってみて。」

「本当は…来てほしい。」

「ほらね!最初からそう言えば良かったのに。僕はそうしたんだから」

…こうして夫は、ロンドン行きを決めてくれたのでした。

「素直になれなくて、ごめんね。ありがとう。」

と、私も初めてそこでホントの気持ちを言ったのでした。