藤井聡太名人推しだ。
けれど、他の棋士も好きだ。
子どもの頃に一生を捧げたいと思うような好きなことに出会い、それをやり続け、実力と運を手にして棋士となった方々。何十年とやっていても、飽きることなく大好きな将棋を語る。
そういう人になりたかったんだよね〜、私。一言で言うと。
けれどそれは得られず、そういう人達を応援する側になった。やっと、そこにたどり着いたというか。
藤井聡太先生のデビュー後から「観る将」になった。Xを見ていると自分の推し活など「へ」のようなものなのだが、それでも飽き性の私がまさか6、7年も推しているなんて想像出来なかった。
18、19日に行われた名人戦第4局。
藤井名人の初防衛がかかっていたが、負けてしまった。それでも挑戦者の豊島九段も好きなので、やっと手にした白星にどこか安堵した気持ちもある。複雑な乙女心だ(笑)
21日の朝日新聞に載っていた名人戦の記事を読んで、
「おーーーーー!」
と声が出た。
豊島九段へのアンケート形式の質問が、
「かなえていない夢はなんですか?」
対する答えは、
「木のような人になる」。
脳みそがザワザワした。
木のような人とは、どんな人なのかと記者が問うと、
「樹木のように、根を張っていくような人です」。
また、
「運命とは決まっているものか、切り開くものか」
に対しては、
「切り開いてはいないですが、しなやかに生きてきて、たまに良いことが降りてくるイメージです」。
なんと豊島九段のイメージらしい、イメージそのままの答えだろう。
豊島九段の表情?を捉えて、ファンの間では「虚無」と言われている。知っているつもりでいたけど、「虚無」とはなんぞや???
きょ‐む【虚無】 の解説
1
もなく、むなしいこと。 。
2 この世に
するすべてのものに や を認めないこと。「—感」
3
であること。「— の心」
4
の 。大空。 (こくう) 。5 古代中国のので、万物の・は、はかりがたく無であるということ。
☝️「goo辞書」より。
11と2の意味しか頭になかったけれど、3、4、5はまさに豊島九段の佇まいに現れている気がする。豊島九段ほどに強い棋士ならばオーラが強い人が多いと思う。棋士は勝ち負けの世界に生きる勝負師だ。けれど、豊島九段に関してはそれは当てはまらない。
運命の捉え方も、とてもなるほどと唸らされた。私もそういう体で生きていきたい。
名人位初防衛となるか、何より叡王戦は初の角番である。ファンとしては様々な思いがあるものの、静かに、ただ両対局者がベストを尽くされるよう祈りたい。
迫力あるね(笑)