看取りナース 私のこだわり | 一期一縁  人生で一度きりのご縁を大切に

一期一縁  人生で一度きりのご縁を大切に

地域包括支援センター職員のつぶやき

こんばんは、元訪問ナースの真紀です。

 

明日からはいよいよ、新しい職場へ

出勤です。

今度の職場、人生初の徒歩出勤です。

はい、自宅から徒歩5分!!

私史上、最短距離です爆  笑

家を出る時間が遅くなる分、

朝の時間を有効活用できるように

心がけたいと思います。

 

 

新しい職場では、直接「看取り」に

関わる機会はほとんどなくなると思います。

 

実は5年前の今日、

私は前職を退職しました。

ひとつの場所に腰を据えて

働けない性分なんです(笑)

 

前職は老人ホームの看護師でした。

老人ホームと言っても、

特養ではなかったので、比較的

お元気な方が多い所でした。

 

そのかわり、50人を超える利用者に対し、

看護師は私ひとりでした。

 

思い起こしてみれば、そこでも

私の仕事の締めくくりに

お二人の利用者さんの

お看取りがありました。

 

お二人とも入所されて何年も経つ、

90代後半のおばあちゃんでした。

 

いつの頃からか、特別何があった

というわけでもないのですが、

お看取りの際に、私が心がけるように

なったことがあります。

 

それは、きれいなお顔にして

ご家族の元へお返しする。

という事です。

 

そんなの当たりまえでしょ!!

 

と言われそうですが・・・汗

悲しいことに、意外とできていないことが

あるものです。

 

たとえば、数年前、

旅先で急逝した伯父のお通夜に

行った時のことです。

70歳を過ぎた伯父の顔は

ファンデーションで白く塗られ、

赤い口紅が塗られていました。

 

また、私が訪問していた50代の女性。

最後は苦しくて家に居られなくなり、

入院して、病院で亡くなりました。

自宅へ戻ったとの知らせを受け、

お顔を見にお邪魔すると、

なんと、ノーメイク。

まだ50代、しかも商売をされていた方。

しっかりとしたお着物を着ているのに、

ノーメイクはあまりにも悲しいものでした。

 

旅立ちの支度は、一般的に

看護師によって行われます。

(最近では湯灌などをされる方もいるので

その場合は専門の業者さんが行います)

 

つまり、すべて担当した看護師の

センスに任されるということです。

 

私が旅立ちのお支度(エンゼルケアと言います)を

お手伝いする際には、ご家族に

「いい顔だね」「きれいになったね」

そう言ってもらえるように行うように

しています。

 

亡くなる直前よりもきれいにしてあげることが

私のこだわりなのです。

 

前置きが長くなりましたが、

前職での最後のお看取りの際、

ひとりのおばあちゃんが、

とても苦しそうなお顔のまま

お亡くなりになったのです。

 

それはまさに「鬼の形相」

遠方から駆けつけるご家族が

このお顔を見たら、

どんなに切ない思いをされることか。

 

私は、自分の経験・知識を

総動員して、思いつく限りの方法を

使って、エンゼルケアを行いました。

いつもよりもだいぶ長い時間をかけて

ようやく、安心してご家族に

迎えに来ていただけるお顔に

なりました。

 

この時ほどホッとしたことはありません。

最期の経過を見ていないご家族にとって、

「今」の表情がすべてなのです。

 

先日の最後のお看取りの際も

エンゼルケアを進めていくうちに

その方がどんどんいいお顔になって、

最後にはずいぶん「いい男」になりました。

 

エンゼルケアのあと、ご家族や

関係者の方たちが「いいお顔してるね」

「穏やかな顔しているね」

「きれいにしてもらってよかったね」

そう言って下さることは

何よりもうれしいことでした。

 

そして、それこそが私が

エンドオブライフケアに携わっていこうと決めた、

原動力なのだと思います。

 

image

 

明日からは、立場はちょっと変わるけれど、

ちがった形でエンドオブライフケアに

関わり続けようと思います。

 

引き続きよろしくお願いいたします。