「何の心残りもありません」 | 一期一縁  人生で一度きりのご縁を大切に

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地域包括支援センター職員のつぶやき

こんばんは、訪問ナース真紀です。

 

全国的にインフルエンザが猛威を

振るっていますが、みなさん大丈夫でしょうかはてなマーク

私は、めずらしく12月のうちに

流行の最先端をいくかのように

インフルエンザに感染しましたあせる

十数年ぶりのインフルエンザでした。

 

全国的に警戒レベルの感染で、

亡くなられている方もいらっしゃいますので、

みなさま、お気を付けくださいね。

 

 

年末にお亡くなりになった利用者さんの

奥様にお会いしました。

 

10年以上の闘病生活。

最後の数か月は動くこともできなくなり、

ベッド上での生活を余儀なくされました。

そんなご主人を、最期まで支え、

ご主人の希望通り、ご自宅で

看取った奥様です。

 

久しぶりにお会いした奥様は

晴れ晴れとした表情で

「何の心残りもありません」

とおっしゃいました。

 

最後まで介護をやり通した、

そんな達成感が感じられました。

 

10年以上前、初めて病気が見つかった時、

余命4年と宣告されたそうです。

しかし、その後の治療が奏功し、

10年以上生きることができたそうです。

 

「俺は運がよかった」

生前、ご主人がおっしゃっていました。

 

大変な病気になりながらも、

いつもいいタイミングで新薬が開発され、

その新薬が効いてくれたおかげで、

4年と言われたのに10年以上

生きることができた。

そうおっしゃっていました。

 

奥様は「もし、入院していたら、もっと

早くに亡くなっていたと思う」

そうおっしゃいました。

 

私もそう思います。

 

「最期まで家で、妻に面倒をみてほしい」

それがご主人の願いでした。

 

その願いを叶えることができて

本当によかった。

 

奥様の表情を見ていたら、

本当にそう思いました。

そして、そのお手伝いができて

本当によかったと思いました。

 

このご夫婦からは、本当に

たくさんのことを学ばせていただきました。

 

生前「俺はね、昔死にかけたことがあるんだよ。

きれいなお花畑があって、大きな川があった。

その川の向こうに知らないおばあさんがいて、

来ちゃダメだって言われて戻ってきた。

あんなにきれいなところで、あんなにいい気分で

逝けるなら、死ぬのも悪くないかもな。

昔の同僚ががんになって亡くなったんだけど、

『おれが先に行って、どんな場所か調査しておくからな』

って言って旅立ったんだよ。

だれもかえって来ないから、いい所なんだろうな」

そんなお話をしてくれたことがありました。

 

きっと、今頃旧友と再会して、調査結果を

聞いていることでしょう。

 

 

遺された奥様が、心残りなくお見送りできたこと、

それが私にとっては最高のプレゼントでした。

 

ありがとうございました。