「でも意識があったらかわいそうな気がして・・・」 | 一期一縁  人生で一度きりのご縁を大切に

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地域包括支援センター職員のつぶやき

こんばんは、訪問ナース真紀です。

 

一旦、冬へと進みかけた季節も

ちょっと足踏み状態ですね。

明日も暖かいとか。

 

このところ、とっても日が短くなったので、

お日様の光は本当にありがたいです。

 

 

今日、ある利用者さんのご家族と

今後のことについてお話をしました。

 

利用者Aさんは95歳のおばあちゃん。

最近訪問を始めたのですが、

これと言って悪い所はありません。

 

典型的な「老衰」です。

最近、ご飯もあんまり食べられなくなってきました。

それでも、とってもいい表情をしていて、

気の利いたセリフも得意な

かわいいおばあちゃんです。

 

とはいえ、このまま食べられな状態が

続くと、やはり命に関わります。

 

しかし、Aさんは95歳。

 

 

ここで質問です。

 

もしもAさんが、あなたのお母さん、

もしくはおばあちゃんだったとしたら、

ご飯が食べられなくなったら

あなたはどうしますかはてなマーク

 

 

今日のご家族は

「意識があったらかわいそうな気がするから、

救急車で病院へ行って、どうにかしてほしい」と

おっしゃいました。

 

 

そうですね、

ご家族としては、意識があって

徐々に衰弱していくおばあちゃんを

見ているのはつらいかもしれません。

 

が、しかし!!

 

もし仮に急に呼吸や心臓が

止まってしまった場合、

救急車を呼ぶと

どうなるか知っていますかはてなマーク

 

24時間以内に医師の診察を

受けていた人の場合は

問題ありません。

その先生に連絡して死亡診断書を

書いてもらうことができます。

 

でも、もし24時間以内に診察を

受けていない場合は、

救急隊が駆けつけた時に

すでに亡くなっている状態であると

判断されると、救急隊は搬送することが

できません。

かわりに警察に連絡が行き、

検死という悲しい結果になってしまう事も

あるのです。

(私は、実際その現場に立ち会ったことがあります)

 

それともうひとつ、仮に

運よく、救急隊が搬送してくれるとしましょう。

その場合、何が行われるか知っていますかはてなマーク

 

心肺停止の状態であれば、

心臓マッサージやAEDなどが行われます。

場合によっては、肋骨が折れることもあります。

 

今日のご家族にも聞かれました。

「それをやらずに運んでもらえないのですかはてなマーク

 

う~ん・・・汗

よく考えてみてください。

救急隊のお仕事は何でしょうかはてなマーク

救急車はタクシーではありません。

人命救助が仕事なのです。

その救急車を要請したという事は

「助けてください」という事なのです。

 

だから、たとえ95歳であろうとも、

100歳であろうとも、

命を救う事が最優先なのです。

 

多くの人は救急車を呼ぶことで

そのあとどんな展開が待っているかを

知りません。

 

私は95歳までがんばってきたおばあちゃんを

最後の最後で、救急車に乗せて、

苦しい想いはさせたくないです。

ということをご家族にお伝えしました。

 

Aさんの人生のエンディングが

どうか穏やかでありますように。