「俺たちのような障害者は死ねってことか⁉︎」 | 一期一縁  人生で一度きりのご縁を大切に

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地域包括支援センター職員のつぶやき

こんばんは、訪問ナース真紀です。
 
今日もいきなり過激なタイトルで
申し訳ありませんあせる
 
なんだか、最近過激なタイトルが
続いているような・・・
 
 
 
実は、ある利用者さんのことで
担当者会議が行われました。
 
簡単に説明しますと、介護保険で
デイサービスやヘルパーさん、訪問看護などの
サービスを利用する場合、
関係者が集まって定期的に会議をすることが
義務づけられています。
 
今日も、そのような担当者会議がありました。
利用者さん(Aさん)は要介護状態の奥様と
2人暮らしです。
今までAさんが奥様の介護と家事を
されてきました。
 
ところがご自身が肺の病気になり、
酸素を吸わないと生きていられない
体調となってしまいました。
 
24時間酸素吸入をしています。
それも一般的な方よりも
かなり多い量の酸素を吸っています。
 
にもかかわらず、少し歩いただけでも
体内の酸素量が減ってしまいます。
本来ならば、自分のことだけで
精一杯な体調です。
 
それでも、いろんな工夫をして、
簡単に調理できるものを利用したり、
酸素ボンベを背負って、ゆっくり
休み休みお買い物に行ったりと
とてもがんばっている方です。
 
がんばっているけれど、どうしても
家の掃除だけは体力的に難しいので、
なんとか介護サービスで、
掃除だけヘルパーさんに
お願いしたい。
というのがAさんの希望です。
 
ところが介護保険の担当者は
「同居家族がいるから、家事の支援はできません」と。
 
そこをなんとか認めてもらうための
会議だったのですが・・・
 
そのAさんに対し、もっと自助努力できませんかはてなマーク
だれか手伝ってくれる人はいませんかはてなマーク
じゃあ、お風呂の掃除は看護師さんしてください。
掃除は週に1回じゃダメですかはてなマーク
 
私は入浴介助のために
訪問しているんですけどね。
 
 
Aさんの体調的に無理だとお話しているのに
なかなか話が通じない。
 
そして、ついにAさんが声を荒げました。
 
「俺たちのような障害者には死ねってことかい!?
必死にがんばっているのに、
ここまでがんばっても助けてもらえないなんて
死ねってことか!?
 
本当に切なくなりました。
いつもとっても穏やかにAさんが
ここまで言うなんて・・・
 
もちろん、その方がお仕事で
言いたくないことを言わざるを得ない
立場であることは理解しています。
 
でも、言い方とか、話の進め方というものが
あると思うんです。
 
Aさんの気持ちを思うと、本当に
胸が詰まります。
あんなにがんばっているのに・・・
 
 
実は、今日の会議には
たまたま実習に来ていた
医学生も連れて行っていました。
 
終わってから、どう思ったか
訊いてみました。
 
「Aさんに、あんなことを言わせてしまうような
話のしかたはダメですよね。
あんな風に思わせてしまうなんて・・・」
 
学生さんの方がよ~くわかっています。
ちゃんと見ています。
しかも、この学生さん、今日初めて
Aさんに会った人です。
 
Aさんの気持ちを察することすらできない、
介護保険に携わる大人。
 
さっき初めて会ったAさんの気持ちを
くみとり、その場の問題点を把握している
学生さん。
 
なんだか立場逆転って感じです。
大人、もっとちゃんとしようよ!!
 
 
もうね、なんとも言えない
やりきれない気持ちになりましたが、
私としては、学生さんがそのことに
気づいてくれていたことが
とっても嬉しく、学生さんに
救われた思いでした。
 
そして、これからも今日の気持ちを
わすれることなく、
素敵なお医者さんになってほしいなあと
思いました。