奇談 | つうこんのいちげき

奇談

でもって、もう1本観た映画。

原作諸星大二郎「生命の木」の映画化「奇談」です。

映画の公式サイトなどには諸星大二郎の最高傑作などど書かれていますが、いやー、妖怪ハンターシリーズひとつとっても他にもっと面白いというかすごい話はいろいろありますので。

日本には「生命の木」「生命の種」がいろいろありますのよ。(笑)

原作は「世界開始の科(とが)のお伝え」という、隠れキリシタンらしき人々による変形されたキリスト教「創世記」を調べにきた稗田礼二郎という考古学者が遭遇する「奇跡」なんですがね。

映画では、これに「神隠し」をからめているのですが、こちらがちょっと消化不良気味かな。

これにかかわるは、佐伯里美や鈴子、新吉といったキャラクターは、諸星さんぽくてとてもよいのですがねえ。

神隠しにかかわる諸星大二郎さんの作品では「とおりゃんせ」をモチーフにした傑作がありますが、これにでてくる七五三の少女の雰囲気、これを鈴子役のちすんさんがもってまして、おもわずゾクリとしました。


と、映画中で語られない、コミックにある符丁を。

「善次(ぜんず)」が十字架にかけられた山が軽張山(かるばりやま)。軽張山は隠れキリシタンが処刑され骨が撒かれた山なんですが、

「ゴルゴダとは、「カルヴァリウス」しゃれこうべ、すなわち骨山なり。」

つまり軽張山で十字架にかけられた「ぜんず」は・・・


「善次」の声、三ツ矢雄二さんがあててました。「みんなぁ~、ぱらいそさいくだ~」


ひとつのおどろおどろしい奇跡を観たい方は劇場へどうぞ。