<ドラマ コクトゥの季節>

 
 
韓国朝鮮の歳時記
22.立春
 
 
本日2月4日は立春です。
立春は二十四節気の最初、春の始まりで、旧暦(太陽太陰暦)では通常「寅月」に入り1年の始まりを意味します。
立春は太陽の黄経が315°になる時で、陽暦では通常2月3日〜2月4日になる事が多いです。

 

 

「春の入り口」と言う名前とはうらはらにこの時期、体感的にはまだ寒い冬の内で、3月の春分の頃にならなければ本格的な春にはなりません。
常々申します様に、二十四節気自体が中国華北地方を中心に定めた名称であり、朝鮮や日本の気候とは良く合わないせいでも有ります。
しかし、この時期太陽が高くなり日光が強く明るくなる事を感じる事が出来、梅の花のつぼみがほころび始めるなど春の始まりを徐々に感じる事が出来る時期です。

 

 

「立春」は春が始まる日なので、前の日を「節分」と呼びます。
そして通常この頃旧暦のお正月が巡って来ます。
お正月、朝鮮での「ソルラル」、中国の「春節」、ベトナムの「テト」は今年2024年は少し遅めの2月10日です。
ご存知の通り韓国・中国では民族大移動が起こります。

 

 

立春は通常お正月の後に来ますが、2024年の様にお正月前に来ることが有り、別名「再逢春」「双春年」と呼びます。
コレは立春が年に2回来る事を意味します。
普段陽暦で生活する我々には理解しづらく少々難しいですが、簡単に説明します。
 
2023年の干支は「癸卯」で、閏2月が挿入され、旧暦では1年が1月22日から2024年2月9日までの384日となります。
西暦では4年に1度閏(うるう)年があり、オリンピックの有る年(2024年)は2月が29日となりその他の年は「平年」で2月は28日となります。
一方の旧暦は月の満ち欠けを基準にしており、「朔望月(新月から次の新月まで)」を1ヶ月としており、その長さは約29.53日です。
1年は354日か355日となり、西暦の365日または366日と比べると11日短いのです。

 

 

旧暦の1年の長さと西暦の1年の長さを近づけるために、昔の人は「閏月(うるうづき)」を入れるという方法を採用しました。以前陰暦の欄で述べましたが、閏月は19年に7回挿入されます。
閏月が挿入される年は、13ヶ月あることになり、長さは384日か385日になり「閏年」とも呼ばれます。
そうする事で、旧暦の19年と西暦の19年はほぼ同じ長さになるのです。
 
 閏月をどの月にするかと言うと、二十四節気の「中気」がひと月に入らない月に入れます。
以前、二十四節気の説明でも述べましたが、二十四節気は「12の節気」と「12の中気」で構成されて居ます。

 

 

外側と言える「節気」は奇数の節気で、「立春、啓蟄、清明、立夏、芒種、小暑、立秋、白露、寒露、立冬、大雪、小寒」を指します。
月の枠(わく)だと思って構いません。
 
内側と言える「中気」は偶数の節気で「雨水、春分、谷雨、小満、夏至、大暑、処暑、秋分、霜降、小雪、冬至、大寒」を指します。
月の中です。
 
コレらは交互に配置されて居ますが、中気が本来割り当てられた月のうちに含まれなくなった時、閏月を挿入します。
例えば、旧暦の癸卯の二月には中気が含まれないので「閏二月」を挿入して太陽暦の1年と合わせます。
そうなると旧暦の癸卯は月数が1か月多いため、本来の「立春」と区切りの外側の意味の「立春」が2度有ることになります。

 

 

この様なイレギュラーな年を「再逢春」「双春年」と呼ぶのです。
統計によると、旧暦の19年のうち7年が「双春年」となる一方、7年は「立春」のない「無春年」。残りの5年は、「立春」が1回の「単春年」となると言います。
 
上記の話しは理解しづらいと思いますので右から左に忘れて下さい(笑)。

 

 

立春は新年を象徴する季節として、この日様々な民俗的な行事が行われます。
その一つが『立春大吉』などと書く「立春帖」(お札:おふだ)を貼る事です。
これを春祝・立春祝とも言い、各家庭で大門柱や梁や天井などに良い意味の文章を書いて貼ることを言います。
朝鮮王朝時代、宮廷では詩の中から縁起の良い文章を抜粋して紙に書き、これを「春帖子」と呼びました。

 

 

立春の日は農業の基準となる二十四節気の最初の季節であるため、大麦の根を抜いて農業の豊年・凶年を占う農業占いが盛んに行われました。また、五穀の種を鍋に入れて炒めて、最初に鍋の外に飛び出す穀物がその年風作になると言う占いも行いました。

 

 

立春の日には節食といって、宮中では「五辛飯オシンバン」を食卓に上げ、民家では「細生菜」を作って食べました。
「五辛飯オシンバン」とはマスタードと一緒に生野菜を混ぜ合わせ食す料理ですが、ネギ、サンガツ、レンギョウ、ダイコン、ニラ、ニンニクなど強い刺激を持つハーブの5つを選んで作ったと言い、冬の間欠乏した野菜を補う意味が有りました。
この風習が民間にも広がったと言います。

 

 

先日の節分の欄でも述べましたが、立春の前日を節分と呼び、以前には朝鮮・日本・中国共に豆を撒きのり巻きを食す行事を行いましたが、中国、朝鮮ではほとんど廃れてしまい日本のみ残った事を触れました。
 
日本でも立春当日の日は「立春大吉」のお札を大門に貼る風習が有りますが、今ではさほど一般的では有りません。
しかし今でもその風習は残って居て、出雲大社の公式サイトには以下の件(くだり)が有ります。

 

 

「立春大吉」は、2月4日「立春」の日に、玄関やお子様の勉強部屋、大切な部屋の入り口等に、外へ向けてのりや両面テープを用いて目より高い位置に貼り付けてください。新春の光を受けてつぼみが花開くように、次第に膨らんできます。
(引用 出雲大社サイト)
 
「立春」まで新年に含めると我々は
❶冬至
❷クリスマス
❸陽暦のお正月
❹旧暦のお正月
❺立春
と新年を5回も祝う算段になり、お正月ラッシュに見舞われます(笑)。韓国で盛んな❻正月十五夜(小正月)まで含めると何と6回!
12月から2月までお正月だらけで、お正月の有り難みが減ってしまいそうですね。

 

 

ですが、何事もキッカケにする日(つまりは記念日)が多ければ多い程、気持ちを新たに出来る機会が与えられる事の裏返しですから、そんな区切りを大切にいつでもフレッシュな気分で物事に立ち向かえば人生いつでもハッピーになれるのでは無いでしょうか?
と、半ばコジ付けの様なセリフを付け加え、私自身また立春を契機に気持ちを改める決意を表明しつつ取り留め無い文を終えます。
皆さんにも多くの吉祥が来たらん事を。

 

 

<参考文献>
한국민속대백과사전
나무위키
人民網日本版
出雲大社相模分祀
 
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