第7章 韓国ドラマ映画
249. マイディアミスター私のおじさん
 
 
このドラマ随分前に視聴し概(おおむ)ね好意を持ちましたが、敢えてコレまでレビュー記事を書かずに居ました。
大体多くのブロガーさん・ドラマ批評家の意見と同じで自分独自の新たな感想がさほど無かったのでワザワザしゃしゃり出る必要性を感じなかったせいです。

 

 

他のリアルタイムで放送されるドラマのレビュー記事執筆に忙しかったせいも有ります。
しかし、ブログの書籍化を間近に控え書籍にどうしても欠かせない作品なので語らずを得なくなりました(笑)。
タイミング悪くイ・ソンギュンが麻薬容疑で事情聴取中ですがご了承下さい。

 

<パク・へヨン作家>

 

視聴から大分経つので大まかに述べる事しか出来ませんが、その分こなれてエキスを上手く抽出出来ると思いますので宜しければご一読を。
 
このドラマ、観る事になったキッカケはパク・へヨン作家『私の解放日誌』配信開始です。
上記のドラマも話題を呼びましたが、ドラマ配信開始時に「あのマイ・ディア・ミスター〜私のおじさん〜の作家の新作」と盛んに宣伝されました。
少々暗い展開ながらも人間のヒダを上手く描いたとの評を得た『私の解放日誌』を私も意義深く鑑賞したので、同じく上質なヒューマンドラマとの評価を得た本作品に俄然興味が沸いたのです。

 

 

聞けば韓国では放送開始前に言われの無く中傷を浴びたと有り、「初盤は暗くてリタイアしそうになるのでガマンが必要」との評論家のレビューも有ったのでどれだけつまらないのかと多少構えて視聴し始めましたが、リタイアしたくなる程に苦痛と言う程つまらないワケでも無くスムーズに視聴出来ました。

 

 

後で知った事ですが、韓国でこのドラマが当初誹謗中傷を浴びた理由は主演2人の年齢差に有った模様です。
主演イ・ソンギュンIUことイ・ジウンとの年齢差が18歳と言う事で、日本以上にコンプライアンスやルールに厳しい韓国ではドラマ設定上でも厳しい眼が存在するので、年齢差の大きい2人がラブラインを形成するのでは?と不快感を催す視聴者が多かった事に端を発します。

 

 

中年男性が歳若き女性をたぶらかす如き設定と誤解した一部ネチズンの勇み足だったワケですが、ドラマ放映が始まり話数を重ねる事でかような内容では決して無い事が判明し段々と誤解は解けて行きました。

 

逆に「足長おじさん」の如く不幸な身の上に置かれた境遇の若者をサポートする主人公男性と、彼の誠実さに段々と感化され道を踏み外し掛けた若い女性が身を持ち直すストーリーが視聴者の共感を呼び視聴率は伸びて行きました。
3.923%から始まった視聴率が7.35%、8.170%まで駆け上り、大ヒット作までは行きませんが心に残る作品として語られるようになりました。

 

 

ここで制作意図を。
 
ドラマの中の主人公の男性はすべて能力者だ。
 
医者・弁護士・実業家の様に羨望の職業を持っているとか、
記憶力・推理力のような優れた知的能力を持っているとか、
却って現実世界のどんなこだわりも受けない「宇宙」から来た人だとか、

 

 

いずれも能力者だ。さて、我々の周りに実際にそのような能力者が居ただろうか?
居たとしても、そんな能力者たちのおかげで感動した事があったろうか?

 

人に感動したい。大仰(おおぎょう)では無く人間の根源に深く根付いている人に。
 
ここにおじさんがいる。見上げるキャリアも、羨ましいほどの能力もない。ただ人の道理にのっとって生きて行くだけだ。

 

 

しかしその中には9歳の少年の純粋さがあり、惰性に染まらない鋭さもある。人間に対する本能的な暖かさと愚直さもある。
我々が忘れていた「人間の魅力」を見せてくれるおじさん。彼を見ると、澄んだ水に目と耳を洗われる気がする。
 
路上に溢れている何処にでも居るおじさんたち。みすぼらしくてなさけ無く見えた彼らが、愛らしくて悶えるだろう。涙が出る程笑い転げて視聴しながら終いにはワンワン泣くだろう。
 
(引用 公式サイト)

 

 

う〜ん、この説明はドラマを観た後で無いと理解し難いかもです。まわりくどい表現なので尚更。
視聴し終わった後に読めばナルホドと言う思いにもなります。
 
このドラマの主人公は紛れも無い、冴えない中年のサラリーマンです。
後輩に出世で抜かれオマケに妻まで寝取られ(後輩と不倫され)、と一向に冴えません。
勿論ルックスは充分カッコ良いんですが(笑)。
その彼が会社で出会った複雑な境遇の21歳の不思議な女の子と出会った事で彼の奥底の人間性が滲み出て来ます。
その彼の真摯な姿勢にほだされ、道を踏み外して居たヒロインも段々と立ち直って行きます。精神的にも人生に於いても。

 

 

ただ、私が視聴して感じたのは主人公の男性が全くの曇りも無く偏見を持たない聖人君子で有る事に「出来過ぎ」感、違和感を感じました。
皆がヒロインを「前科者」だと罵ろうとも断固として彼女を庇い彼女を信じます。
彼女はお金の為に頼まれて彼を「盗聴」しますが、彼女が居ない場でも彼が彼女を擁護する言葉を(盗聴して聞いて居るので)彼女は絶えず聞いて居ます。

 

 

その彼がどんな場でも彼女を擁護し悪く言わない事実にヒロインはほだされ正しい道に進む事になりますが、人間で有れば10の内1〜2は悪口や愚痴などが表れる筈。
自分の子どもの様にその人間の人生を長い間見て来たなら信念を持って擁護出来るでしょうが、100%擁護は行き過ぎです。
「普通の冴えないおじさん」では無く「イエス・キリストの様な聖人」です。真似は出来ません。制作意図で言う所の「能力者」です。

 

 

そう思うと制作意図とは反対で、主人公はこの世にほぼ存在しない特別な「宇宙人の能力者」のオジサンになります(笑)。
 
ドラマなので多少この様にオーバーな設定は有りますが、現実の市井のオジサンも「買春」や「援助交際」「セクハラ」などを繰り返す輩(やから)ばかりでは有りません。

 

 

損得なしに若者の人生を憂い、彼らの為に一肌も二肌も脱ごうと必死に行動するオジサンも多いです。
まだまだ若者のつもりの私もオジサン、間違えればオジイサンですから同じ境遇に置かれれば主人公に近い行動をすると思います。
(勿論、1度や2度は文句や悪口を言うと思います。そうでも無ければバカらしくて行動出来ません。)
 
主人公2人の眼に見えない友情(と言えるかどうか)が実って行く展開がこのドラマのキモと言えそうです。

 

 

他に、他の方のレビューで主人公男性の兄弟3人の関係性が見どころだと有りました。
確かに主人公以外はどうしようも無い兄たちですが、底辺に置かれながらも必死にもがく姿、心の奥底で強い兄弟愛で結ばれて居る3人の関係性、そして下町の人情有る街で彼らと周辺の人たちが織りなす風景も見どころと言えます。

 

 

舞台になった「ペクビン踏み切り」がヒューマンドラマの名場面に欠かせない名所として最近購入したドラマロケ地本『韓ドラTrip!』に掲載されて居ました。
確かに踏み切り近くの夜景が印象的です。
ソウルの下町風景が心に染みるような。

 

 

 

この様に多少教科書的では有りますが、「人を救うのは真心から来る愛情のみ」で有る事を実感させてくれる秀作ドラマ『マイ・ディア・ミスター〜私のおじさん』、まだ未視聴の方はどうぞご覧下さい。
心がホクホクする事間違い無し。
 
余談ですが、最後に主人公2人が結ばれるか否か、韓国でも意見が真っ二つに割れたのでご自身なりにその後を想像するもコレまた一興です。
私の見解ですか?長くなるのでまたいつか機会がありましたら(笑)。

 

 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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