第7章 韓国ドラマ映画 
237.韓国ドラマ わずか1000ウォンの弁護士 천원짜리 변호사
 
 
 
最近、家内と共に「取り憑かれた様に(笑)」韓ドラを視聴して居ますが、気持ちだけが忙しくて中々レビュー記事執筆まで手が回りません。
一気見するドラマ、毎週配信されるドラマなど分刻みで(?)ドラマ三昧なのですが、どのタイミングで記事を書くか悩ましいのです。

 

 

分かりやすいのは1話ずつ書いて行くパターンで、そうすれば比較的簡単なのかも知れませんね。
しかしそれは、つい自分のスタイルでは無いと敬遠しがちです。
トータル的に書きたいと言うこだわりが少し有ります。感想って話数毎に変化しがちですから。
特に最近の韓国ドラマは途中の失速や最終回での失策などが多く、最後まで観ないと評価し難いな〜と感じて居ます。

 

 

この『わずか1000ウォンの弁護士』もその類い。
どう視聴者を納得させてくれるんだろう?と半分祈りながら視聴しましたが、納得行く答えはついぞや得られずモヤモヤ感と消化不良の残骸が残りました。
決して面白くないワケでは無いんですが。
「信じて見る俳優」「視聴率男」の異名を持つナムグン・ミン主演作と言う事で期待し過ぎたのかも知れません。
彼がストーリーを作っているワケでは決して無い事は分かっているんですけど(笑)。

 

 

ご存知の通りこのドラマ、日本ではディズニープラスで独占配信されて居ます。
それをつい忘れた私はいつもの如く韓国マートでDVDを買い求めてしまいました。
日本語字幕が無いので、ひとときも神経の休む間はございません、聞き取るのに精一杯です。理解出来ない韓国専門用語が頻出するので。

 

 

例えばヒロインのペク弁護士はインターン生と言う事で、ドラマ中一貫して「ペクシボ」と呼ばれます。
「ペクシボ」と聞くと「115ペクシボー」か?と勘違いしてしまいますが、勿論違います(笑)。
当然、主人公の名前が1000(チョン)ウォン弁護士に引っ掛けてチョン・ジフン、ヒロインは千と対照の「百」に引っ掛けペク・マリ(100匹?)にした事が想像出来ますが、「シボ」とは漢字で「試補」と書きます。
漢字を見てやっと理解可能です(笑)。

 

 

最近では韓ドラ現代劇視聴の際に理解出来ない言葉をスマホで入力して検索する行為が習慣になって来たので、韓国で使われる言葉に大分詳しくなって来ました(笑)。
毎日スマホと葛藤です(笑)。
たまに探し切れない言葉が残ります。
それらはいつか韓国に行った時、現地の人に教えて貰う事にしましょう(笑)。
 
さて、前置きはコレくらいにして本論です(まだ前置きだったのかよ!)

 

 

ここで制作意図を。

 

受任料はわずか1000ウォン(100円)、実力は断然最高

「神のコスパ弁護士」チョン・ジフンがバックの無い依頼人たちの最も心強いバックになってくれる痛快な弁護士活劇!

 

(引用 公式サイト)

 

いつも長い韓国ドラマの制作意図にしては短文です()

余りにもタイトルが単純明快なオカゲ?

私も韓国で放送された頃からこのドラマ、タイトルを見ただけで観たくて堪りませんでした。

何故なら、もちろん「1000ウォン」と言うワードが余りに刺激的で。

 

 

1000ウォンは日本で言えば100円
韓国では1000ウォンもお札ですから何となくサマになりますね。
日本でも少し前(と言っても大分前ですが)500円がお札だった頃を記憶する人が多いでしょうからそんな感覚では無いでしょうか?
一番下のお札。

 

 

なので「100円の弁護士」と翻訳してしまうワケには行かないですね、日本でもせめて「500円」とか「1000円」としないと。
ちなみに韓国と日本、レートは10倍近くですが物価も殆ど同じ、1000ウォンは100円の価値しか有りません。
と言うワケでそのまま「1000ウォンの弁護士」となったのでしょうが、受任料がそうなったワケは劇中、重いおはなしとして語られます。

 

 

でも私は、受任料をそう設定した理由が明かされた後も、少し納得出来ませんでした。
100円と言う価格は少々ふざけ過ぎて居て、本来ならせめて1000円でしょう(コレでも充分ふざけてる)。
もっと言えば1万円。
コレくらいならホントっぽいですね。
インパクトを狙ったタイトル&ストーリーなので文句言っても仕方有りませんが、その金額には裏が有るのでは?と勝手に思ったワケです。
受任料は格安だけど、裁判で勝利して悪徳被告側から大金をせしめるのかな?と。

 

 

義賊ホンギルドンでは有りませんが、弁護士版ネズミ小僧かな?とか。
そうしなければ幾ら何でも食べて行けないし、いくらフィクション&メルヘンとは言えドラマの蓋然性が無くなります。
 
しかし、金額面では最後まで整合性は取れず、収入は1000ウォンのみ。
それもその事件受任すら2件ほどで、プラスチックのキャンディー箱に千ウォンの束だけ溜まって居ます。

 

 

アニメじゃないんですから、もう少し蓋然性にこだわって欲しかったです。
 
そして主人公はドラマの間中、終始一貫して大家が家賃を取りに来ても「のらりくらり」で誤魔化して逃げます。
コメディを狙ったのかも知れませんが、不動産業に従事する私の様な人間にとってはとっても不快です。
大家だって市井の庶民の筈。
彼らの生計を奪う行為をして庶民の味方とな?

 

 

余談ですが、我らが不動産(賃貸)業で一番困る迷惑客は何と言っても弁護士です。
家賃を踏み倒したり、法律を盾に難癖を付けて威張ったり、悪徳弁護士の賃借人に困らされた経験も幾度か。
出来れば一番付き合いたく無い賃借人かも?
 
コメディドラマ、例えば仲間由紀恵『トリック』でもこう言う家賃滞納の場面が出ますが、当人は下手に出ます。
はぐらかしたりはしても決して開き直ったりしません。
もし、ホントに経営が成り立たないなら事務所は借りず、家や事務所無しでやれば良い。
家賃滞納もドラマの重要な要素とは言え、弁護士が平気で法を犯す場面は観たく有りません。

 

 

この様にこのドラマ、ツッコミどころが満載で、面白い事は面白くても最後まで没入出来なかったと言うのが大まかな感想です。
こんなにネガティヴ意見ばかり述べてしまうと面白く観た人、これから観たいと思って居る人に迷惑かも知れませんね。
 
ドラマ自体、と言うよりも進行、そしてナムグン・ミンはじめ主要人物たちの造詣は見事で楽しかったです。
特に主人公ナムグン・ミンの七変化は見事と言う以外に。
カッコいいナムグン・ミン、コミカルでお茶目なナムグン・ミン、変人のナムグン・ミン、苦悩する憂い有るナムグン・ミン…
カメレオン俳優のナムグン・ミンの演技力、存在感が120%全開で彼の魅力にハマる事間違い無しです。
これ程までの演技者とは…

 

 

『黒い太陽』以来の共演となったキム・ジウンとのケミ(相性)もバツグンで、彼女のオーバーな演技が映えました。
韓国でも前回に比べ彼女の演技に評価が高かった模様です。
 
このドラマ、制作サイドの問題が持ち上がり、14話が12話に短縮されてしまいました。
また欠放(放送休止)が相次ぎ視聴者の流れをたち切ってしまった様で、視聴率が思った程伸びず仕舞いでした。
週2回の放送が週1回に減り、「コレじゃ1000ウォンでは無く500ウォンの弁護士だ。」と言うイヤミも多く出た模様です。
理由は様々言われて居ますが、作家と制作会社の不和に有る事は紛れもない事実でしょう。
実際、11話は特にストーリーが不自然でした。

 

 

結局、8話で15%を記録した以降伸び悩み、最終回全国15.2%、首都圏15.8%と言う微妙な数字で終わりました。
このドラマの開始時にナムグン・ミンが是非視聴率20%を狙いたいとの意気込みを見せましたが、当初の14話と言わず16話にしてキッチリ描けば20%超えも夢では無かったと思われるので、この様な不完全燃焼での終了は非常に残念です。
 
韓国で視聴率10%を越したドラマで私が視聴して満足しなかったドラマは皆無なのですが、今回のドラマはDVDを購入して視聴する程でも無かったかも?と後悔した作品になってしまいました。
金額面を考えてもディズニープラスに1カ月加入して視聴しておしまいで充分でした。

 

 

コメディ調の弁護士ドラマとしては、大ヒットドラマ『ウヨンウ』の後手に回ってしまった事も不運だった事でしょう。
そもそもこの作品の方が先で2015年のSBSシナリオ公募の最優秀賞受賞作だと言いますから。
『街の弁護士チョ・ドゥルホ』との剽窃騒ぎに巻き込まれ、発表が遅れたそうです。
上記のドラマを観ておりませんが、設定が極めて似ていると言います。

 

 

もっとも、このドラマ『わずか1000ウォンの弁護士』は弁護士ドラマと言うよりも「探偵ドラマ」の様なドラマです。
弁護は2回しか出ず、他は事件を嗅ぎ回り、解決します。
それと主人公の過去の話し。

過去の部分はシリアスを通り越して真っ暗、重た過ぎです。

そして、韓国での評価にも有りましたが偶然の重なりが多すぎます。

ネタバレは避けますが、彼が転身するキッカケになった2つの事件が同じ犯罪だなんて余りにEASYです。(他、事件解決も偶然のオンパレードで「わずか偶然の弁護士」と言った体(てい)です)

 

そう言う話しを細かく描くより、もう少しお金の無い庶民を1000ウォンで見事に助けて弁護士として面目躍如の姿を見たかった様な。

 

 

それと同時に、彼が奇抜な服装をするワケももう少し知りたかったです。
結局、ドラマの面白みを増すためだけの設定が多く、他にも色々と消化不良が多く残念でした。
せめて当初の予定通り14話で放送がされていれば私のモヤモヤも少しは解消されて居たかも。
 
最近では韓ドラも最後まで面白いと思えるドラマが少なくなりました。
ワンパターンは当然の事、竜頭蛇尾が増え、最後に蛇足で台無しにしてしまうなど残念なドラマが目立ちます。

 

 

こう言う意味でも最後まで観ないと評価し辛くなって居ます。
かなりの量を視聴して居るせいでも有りますが、安心して最後まで楽しめるドラマにもっと出会いたいです。
 
とは言え、このドラマ、ナムグン・ミンの七変化を見るだけでも観る価値大です。
彼の魅力を知らない方たちにもっと彼の魅力を知ってもらいたいと思わせるドラマでした。
是非『ストーブリーグ』『昼と夜』『黒い太陽』のいずれかと共にこのドラマを観て頂きたいです。
 

 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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