第7章 韓国ドラマ映画 
235.模範タクシー❷シーズン2
 
 
 
『模範タクシーシーズン2』昨日、無事完走しました。
韓国マートで購入したDVDなので日本語・ウリマルの字幕は有りませんが言葉も分かりやすく、テンポが早いのでサクサク進み、アッと言う間でした。
 
難しい言い回しは番組自体に字幕が付いて居たので韓国での言い回しの勉強になりました。
それ程ドラマを通して「隠語・略語」が多く使用された証拠でも有りますが、この「隠語・略語」については韓国でも世代間のギャップが大きく、言葉が通じないと社会問題化して居ると言いますから、同じ道を辿りつつ有る日本語同様、世代間のギャップは世界的な風潮なのでしょうか?

 

 

このドラマ、シーズン2を見終えて久々にシーズン1から観直したくなりました。
それ程に伏線が凝って居て、観直せば当初見過ごして居たヒントが探し出せて「2度オイシイ」からがひとつ目の理由、そしてシーズン1とシーズン2のテイストが少々異なって居たからと言うのが2つ目の理由です。
 
 
シーズン1はとにかく展開が激しく、理不尽な事件に巻き込まれて亡くなり悔しい思いを抱く被害者の家族が痛々しくも有り、喩(たと)え気持ち良く復讐を果たしたとしても観て居て苦しい想いに駆られる事然りでした。前回のレビューにも書きましたが、見終わり決して愉快な気持ちになれなかったのが確かです。

 

 

しかし、シーズン2は違いました。
ドラマは少々軽やかに進みます。
被害には遭えど犠牲になって亡くなる前に、もしくは事件に巻き込まれて大事になる前に事件を気持ち良く解決してくれます。
シーズン1とはかなりテイストが違うので、安心して観て居られるのです。
 
コレは多分に19禁(19歳未満視聴不可)から15禁(15歳未満視聴不可)に緩和された事と相まって、モチーフになった実際の事件のセカンドレイプ(2次加害)だと、一部で批判が起こった事への対策と見られ、シーズン1よりも視聴率が上昇し、最初回にて魔の20%を越し首都圏21.0%、全国21.8%と言う脅威の視聴率を叩き出す原動力になった事は間違い有りません。

 

 

その分バイオレンス色も薄まり、イ・ジェフンのアクションシーンも大幅に減りました。(最後にどデカく有ります)
コレは我々の様にシーズン1を視聴済みでそのテイストに慣れてしまった視聴者や、激しい展開を望む向きには少々物足りなく感じるかも知れません。
しかしてこの様なバイオレンス色の減少も、コアなファンでは無い一般視聴者や新規の視聴者が途中参入しやすく、心穏やかに視聴出来ます。
その様な意味でシーズン1とシーズン2の違いを、再度振り返って見たくなったと言うのが現在の正直な気持ちです。

 

 

しかし残念ながら録画は全て消去してしまったので、今のところ振り返る事は出来ません(涙)。
いつでもどこでも再視聴出来るNetflixの様な配信サービスの有りがたみを再三ながら実感させられる事となりました。
実際、このドラマがNetflixで同時配信されて居たら…としみじみ思います。
イ・ジェフンはドラマ『シグナル』などで日本でも知られる俳優ですが、韓国での人気に負けず劣らず日本でも大人気になる事間違い無しです。

 

 

何処に貰われて行くか(どのメディアが権利を買うか)によって運命が変わると思う事は、NTTdocomo「d TV」改め「Lemiono」配信サービス開始の起爆剤となるべく独占配信となったソン・ジュンギ主演の人気作『財閥家の末息子』が日本で全く(?)話題にならない事を見ても分かります。
 

 

この『財閥家の末息子』、日本を除く世界各国で同時配信され、去年芸能ニュースでも大きな話題を振り撒きましたが、日本でのみ静かです(笑)。
もし、あの『愛の不時着』KNTV→WowWow→UーNEXT→DVDレンタルと言うルートを辿って居たらコレほど迄にブームになる事は無かったと断言出来るのでは無いでしょうか?
勿論、裏を返せばNetflix未加入者はこれまでもこれからも未来永劫、『愛の不時着』を視聴する事は出来無いであろうと断言出来ますが(笑:抜け道は有ります。韓国のDVDを購入する手です)

 

 

他に韓ドラを同時期に視聴する方法としてはグレーゾーンとして、VPNを購入し楽天Vikiなどで視聴するスベが有りはします。
しかし無料のVPNは危険ですし、有料のVPNで有れば他の配信サービスと変わり有りません。
しかも何かと面倒と来て居ます。
よほどの韓ドラファンで無ければそこまでして観たいとは思わないでしょう。
かく言う私もそこまでして観たいとは思いません(笑)。
幸い韓国マートでDVDを安価で購入する手が残って居るので多いにブラックに近いグレーゾーンと知りつつ手を出して居るのですが…

 

 

韓ドラは言わずもがな大きなマネーになりますから、日本でも利権確保のカルテルが結ばれて居ます。
『冬ソナ』『チャングム』の様に皆が一斉に熱狂する事が出来る日は夢のまた夢でしょうか?
 
戻りましょう。
前回のレビュー記事では触れませんでしたが、ドラマではシーズン1、シーズン2共に各エピソードが終わる度にエンディングコピーが流れます。
エンディングコピーは作中セリフから取る場合が多いです。

 

 

例えば3話で老人を狙った詐欺事件が起こります。
老人を加害者にしてしまう詐欺ですが、ドギと模範タクシーの仲間は詐欺師らに、ムジゲタクシーの代表が化けたチャン老人が途方もないお金を隠した様に見せかけ、執着させ後を追わせます。
詐欺師はチャン老人が(有りもしない)大金を埋めた場所を必死になって掘ります。
終いには、詐欺師は不発の地雷を踏んでしまいジ・エンド。

 

 

シーズン2は監禁専門のグレーゾーンの会社が存在しないので、悪人たちを処断せずに、自爆する状況に追いやり放って置きます。
「後は視聴者の想像にお任せします」と言ったニクい作りですが、私的制裁で半殺しにするよりスマートでユーモラスです。
一般の人には取っ付き易いです。

 

 

この回のエンディングコピーは以下の通りです。
 
「忘れません。あなたはかつて私でした。
そして私はすぐにあなたが歩いた道を歩くでしょう。」
 
老人をカモにする詐欺の理不尽さを説き、彼らを敬う事の重要さを訴えて居ます。

 

 

この様に、毎回最後に流れるキャッチコピーがエンディングをカッチリと纏めてくれ、視聴者が多いに身に染みるメッセージを投げてくれます。
シーズン2では『クムサ会』と言う悪の組織が全般を引っ張ります。
人気グループBIGBANGの一員が関与し、韓国芸能界と政界を揺るがした『バーニングサン』事件をモチーフにした事件が起こり、ドラマは果てしの無い泥沼に陥ります。
最後は呆気なく終わるので、もう少し時間を掛けて描いて欲しい気もしましたが、11話から16話まで波濤の6話でした。

 

 

このドラマ、シーズン2がシーズン1の視聴率を超過して20%を越したと言う事で、韓国では不毛と言われたアメリカドラマの様な「シーズン制」への道を大きく開いたと言われて居ます。
イ・ジェフンを始め、5人の主要メンバー個別の活躍もシーズン1以上に沢山描かれたので彼らメンバーの個性も光りましたが、彼ら自身もシーズン制の続行に前向きです。
イ・ジェフンはインタビューでシーズン制を望む視聴者の要望を、役者として光栄だと語り、シーズン10まで行きたいとその抱負を述べました。
間違い無く、彼の一番の代表作になる事でしょう。

 

 

そして4月、シーズン2終了の次の日にシーズン3の制作決定と言う異例のニュースが流れ、シーズン3を待ち侘びる韓国の『模範タクシー』ファンに喜びを与えてくれました。
事実、実際の事件をモチーフにして居るのでエピソードには困らない事でしょうし、「私的制裁」の良し悪しと言う問題は残るモノの、よりエンタメに近付いたシーズン2の方向で進行して行けば、視聴者に陰鬱な気持ちだけを残す事無く、代理満足とストレス解消を、社会正義の重要性をアピールする良質なドラマとして長らく君臨するで有ろう期待感を抱かせます。

 

 

日本ではまだシーズン2の放送発表が無く、多分何処かのケーブルテレビから放送が始まると思うので多くの一般の方々が視聴するのはまだまだ先になると思われます。
早くて2〜3年後でしょうか?
このドラマの様な良作が、早く多くの視聴者の方々に届く日が来る日を望みながら、レビュー記事と致します。
まずはシーズン1の視聴の機会が、皆様に1日も早く来たらん事を。DVDレンタルが可能な方はご検討下さい。
 
PS:日本での配信docomoLemino(旧dTV)で独占配信される事が決まりました。
可能な方は是非ご検討を。