第7章 韓国ドラマ映画 
228.韓国ドラマ クィーンメーカー
 
 
S大学での特別講義の準備にかまけてブログ記事執筆が完全に疎かになってしまいました。
おかげで表記ドラマ視聴から大分時間が経ってしまい、ドラマの記事レビュー執筆のパッションが薄れてしまいました。
オマケに他のドラマに押されてデイリーベスト10にもギリギリ10位に食い込んで居る状態で、旬は過ぎてしまった気がします。

 

 

がしかし、このドラマのレビューを書かなければ私のブログの存在価値が大いに薄れるであろうとの判断の元、心を奮い立たせて執筆したいと思います。
幸い、本家(と言う程では有りませんが)映画『キングメーカー』への義理立てが終わったので、ドラマ『クィーンメーカー』を堂々と語れますし(笑)、2つの作品の性格の違いも良く理解出来たので作品の違いについても述べられます。
 
このドラマ、Netflixオリジナルドラマと知り、配信開始から「大作」感がプンプンと匂い、必ず観なきゃと気合い入りました。

 

 

Netflixオリジナルと言う事は『イカゲーム』『DB』『ザ・グローリー』などと兄弟になるワケですよね?
どれも話題作・名作揃いです。
気になって韓国で制作されたNetflixオリジナルドラマを調べましたが、ゾンビ時代劇『キングダム』を皮切りに現在30作目、先日キム・ウビン主演作『配達人』が配信され31作になりました。

 

 

参考までに作品を記します。
 
1-キングダムシーズン1
2-初恋は初めてなので
3-好きなら泣かせるシーズン1
4-私ひとり貴方
5-キングダムシーズン2
6-人間授業
7-保険教師アン・ウンヨン
8-スィートホーム
9-好きなら泣かせるシーズン2
10-ムーブトゥヘブン:遺品整理士
11-明日地球が滅びれば良いのに
12-キングダムアシン伝
13-DPシーズン1
14-イカゲーム
15-マイネーム
 

 

16-地獄が呼んでいる
17-静かなる海
18-いま私たちの学校は
19-少年裁判
20-アンナラ・スマナラ
21-ペーパーハウス
22-ブラックの新婦
23-模範家族
24-ナルコの神(スリナム)
25-グリッチ
26-サムバディー
27-ザ・フェビュラス
28-ザ・グローリー
29-恋愛大戦
30-クィーンメーカー
31-配達人
32-猟犬たち(予定)
 
他にも放送予定が大勢有ります。
私も未視聴のドラマが多いですが、粒よりの作品が多く、高い評価を受けたドラマが多い印象です。
多すぎてとても全ての作品は観られません(笑)。取捨選択するしか。

 

 

『クィーンメーカー』然り、『イカゲーム』や『DP』然り、韓国地上波放送では放送し辛い冒険的なドラマが多い印象で、それだけに制作サイドの情熱を感じます。
 
『クィーンメーカー』の語源が『キングメーカー』である事は皆さんお分かりだと思いますが、今作は大統領を作るお話では有りません。
番組概要に有る様に、イメージメイキングの鬼才で大企業の戦略企画室を思い通りに操って来た「ファン・ドヒ」が「正義のサイ」と呼ばれながら雑草のように生きてきた人権弁護士「オ・ギョンスク」をソウル市長にするために選挙戦に飛び込んで繰り広げられる話です。

 

 

映画『キングメーカー』が現実の歴史をモチーフにフィクションを交えた手法を使ったのとは違い、ドラマ『クィーンメーカー』は架空の世界に韓国で起こった事実を散りばめる手法を使用して居ます。
 
モチーフになった幾つかの事件・事象を見ましょう。
◆ナッツ姫と呼ばれたハンジングループのチョ・ヒョンアのパワハラ事件
◆ノ・ムヒョン大統領のネガティブ攻撃に対する反撃
◆パク・クネ批判の、新聞紙に寝転ぶパフォーマンス
◆ナ・ギョンウォン議員の疑惑〜整形外科疑惑と娘の不正入学疑惑
◆ユン・ミヒャン議員の「正義記憶連帯」での私的流用疑惑
 
以上がナムWikiに書かれた、モチーフになったと思われる実際に有った事件ですが、私はチョグク氏の疑惑をも思い浮かべました。
そしてネガティブキャンペーンは2022年の韓国大統領選挙でも経験済みですし、2017年の映画『ザ ・キングthe King 더 킹』も連想しました。

 

 

キム・ヒエ演じるファン・ドフィの復讐劇になって居る点で、『ザ・グローリー』『財閥家の末息子』『模範タクシー』にも共通する韓国ドラマのトレンドを狙って居る気がします。
確かに不自然な面は有れど、人間を突き動かす動機としては「使命感」よりは「復讐心」の方が描きやすく、分かりやすいとも言えます。
正義に目覚めた主人公があらゆる難関と闘い、最後に勝利を勝ち取るサクセスストーリーは適度の緊張感を与えてくれ、私たち夫婦も2日間で一気見してしまいました。

 

 

このドラマは「持てる者たちの卑怯な癒着を持たない者たちが連帯によって突き破る」と言う韓国ドラマで良く使用されるストーリーを見事に焼き写して居ます。
『MeToo運動』に見えるジェンダー問題、フェミニズム問題を多大に抱えているの現在の韓国でセクハラ問題、女性差別に立ち向かう強い女性主人公2人を前面に出し、女性同士の友情・連帯を描いて新鮮です。
アメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントン候補が「ガラスの天井を破れなかった。きっと誰かが破る」と言った名言をドラマで表現して居る様です。
尤も、韓国では「ガラスの天井」を破って女性大統領になった悪しき例は存在しますが(笑)。

 

 

ドラマは劇的で、ドンデン返しの繰り返しを描く事により観客のカタルシスを誘いますが、善悪の役割がハッキリし過ぎて居て、観る者に少々違和感を感じさせます。
これは上に挙げた2つの映画が現実世界のフィクションを描いたのとは違い、このドラマが現代韓国政治の「理想」、「ファンタジー」を描いたと言う違いから来るのでしょう。

 

 

「政治ドラマ」と言うタブーに切り込み成功して居る事については賞賛しますが、人物をステレオタイプに描き過ぎ、2人の女性を絶対善として描くなど「勧善懲悪ドラマ」過ぎて、「出来過ぎ」感を抱かざるを得ませんでした。
観終わり、現実世界では起こり得ないで有ろうと言う「ファンタジー」感を多いに感じました。
最後にファン・ドフィが汚れ役を買って出る事で、「悪」と「相打ち」する場面は感動しましたけど。

 

 

どうあれドラマの視聴を終え、この類いのドラマは「リベラル」と「保守」が激しく競う現在の韓国で地上波で放送するにはとても困難な企画で、NETFLIXEと言う表現手段によってこそ実現したであろう事実を再度噛み締めます。
民主主義とは何で有るか、どう運営して行くべきなのかを考えさせてくれる良質なドラマです。
未視聴の方は是非。
 

 

#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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