第7章 韓国ドラマ映画 
217. ポッサム〜愛と運命を盗んだ男❷
 
 
 
BS-TBSで28回に渡って放送された表題のドラマが無事終映しました。
本国韓国では20話で放送されましたから、CMの分量だけ話数が伸びたと言えます。

 

 

以前なら大幅なカットを施して同じ話数で放送したでしょうから、この様な編集は歓迎すべき手法では有ります。
しかし、今回は編集が中途半端で、ラストに盛り上がりや韓ドラ特有の「引き」を作らず1話1話盛り上がりも無しに突如、唐突に終了してしまう編集だったので少々不満は残りました。

 

 

ワガママですが、やはりここは出来ればCM無しに、若しくはせめて1時間半枠で韓国と同じ話数で観たいモノです。
そう思うとNETFLIXEなどの配信サービスの有り難さを身に染みて実感します。

 

ドラマ『ボッサム〜愛と運命を盗んだ男』は韓国のチョンピョン(ケーブル)テレビ局、MBN10周年記念ドラマという触れ込みで放送されたMBN土日ドラマで、仕事人『ボッサム』屋が誤って翁主オンジュをボッサムしてしまった事から起こる波乱万丈な顛末を描いた、クァンヘグン光海君治下の朝鮮王朝時代を背景にしたロマンスフュージョン時代劇で、MBNが初めて披露する時代劇作品としても韓国で期待を集めました。

 

 

このドラマ、私も興味は有ったモノのさほど期待せず観た所、ストーリーや演出が本格派史劇とフュージョン史劇の間を取りバランスが良く、良作に仕上がった事、視聴率もソコソコ良かった事など前回述べました。
特に時代背景をクァンヘグン光海君の時代に設定し、激動の時代を行き抜く主人公ら登場人物を生き生きと描き評判でした。

 

 

時代の近さからも、主人公たちが運命に弄ばれる姿からも、往年の名作『チュノ推奴』を想起させるモノが有ります。
 
ドラマレビュー❶はコチラ
今回は、まずネタバレに気を付けつつ、簡単にあらすじを振り返って見たいと思います。
少々長くなりますが、ご容赦下さい。

 

 

ギャンブル、盗み、喧嘩…お金を稼ぐためには何事も厭わない、ならず者のバウ(チョン・イル)。
妻に逃げられドン底の人生でも、彼は一人きりの息子のチャドルを食べさせるため、東奔西走する温かいお父さんでも有りました。
彼の稼業は未亡人と寡夫をペアにする『ボッサム』。
ある日、とある寡夫の希望する未亡人を包んで連れて来たモノの人違いで、連れて来たのはオンジュ翁主(庶子の王女) のスギョン(少女時代のユリ)でした。

 

 

パウは直ぐさまオンジュ翁主スギョンを元に戻そうとしましたが、光海君に明日一緒に入宮するようにと下命を受けた姑のイ・イチョムはオンジュがボッサムによって消えたという事実を隠す為、スギョンが自害したと言うニセの葬儀を始め、これを既成事実化する為にスギョンを探して直ぐさま殺せという命令を家兵に下します。
 
翁主スギョンを殺そうとする彼女の義父イ・イチョム、彼女を守ろうとするバウと義弟イ・デヨプ(シン・ヒョンス)、そして翁主に死んでくれと要請するクァンヘグン光海君の最側近、キム・ゲシ。

 

 

スギョンは自分の死だけが皆のためだと、川に身を投げますが、息子チャドルの言葉にほだされたパウは、死の直前のスギョンを水中から救い出し、スギョンと一緒に過ごす家を探し、共に住みます。
 
一方、デヨプは父親イ・イチョムに内緒でスギョンを探し、遂に2人を探し当てました。
バウと共に刺客から彼女を救います。

 

 

スギョンの父王の光海君は、イ・イチョムの牽制のために娘の偽の墓を移葬しようと図り、宮中で更なる葛藤を起こしました。
デヨプはスギョンを救う為、免罪の証である「免死鉄券」を父親から盗み、クァンヘグン光海君にスギョンの件を告白します。
 
スギョンと暮らし始めたパウは密貿易船の投資に手を出しますが、船が難破し困境に追い込まれます。
バウを手伝うためにスギョンは、春画と文章を合わせた本を作り大ヒット。
あちこちで話題になり、王宮にまで知れ渡り大きな波紋を呼ぶ羽目になりました。

 

 

しかし、この事件をキッカケにパウは両班リャンバンだった元の身分を取り戻す事になります。
母親と妹も身分を回復し、一緒に住まう事に。
スギョンを妻だと偽り紹介します。
そして、明国への使節として赴く事になりましたが、イ・イチョムはその途中にパウを暗殺する様にテヨプに言い付けます。
鴨緑江近くで明国の兵士に捕まり、絶体絶命の大ピンチに陥るパウとテヨプ。

 

 

一方、実家では男と逃げたチャドルの生母が身分回復を知りいきなり帰って来たので家は大騒ぎに。
スギョンは言われの無い侮辱に耐えるしか有りませんでした。
 
明国の陣を脱出したバウとデヨプは清の兵士たちに捕まり、イ・イチョムが明に送る筈の密書まで清の兵士に発見されてしまいます。
 

 

ところがその清の陣営で、朝鮮の将軍で清国に降伏したカン・ホンリプに出会い、彼の助けで朝鮮に無事に帰って来る事が出来ました。
バウとデヨプは光海君に明と清の対峙状況と戦争を防ぐ方策を報告します。
怒ったイ・イチョムはテヨプを呼んで問責、スギョンを捕まえようとバウの家に押し寄せました。
 
一方のスギョンは光海君にバウとの婚姻を懇願し、許しを得ます。

 

 

しかしその頃、宮中ではクーデターの動きが強まります。
2人の運命は?そしてテヨプの運命は?クァンヘグン光海君の運命は?

 

 

以上の流れでドラマは進行、クライマックスを迎えます。
 
この様にクァンヘグン光海君を巡る歴史的大事件がドラマの背景としてバランス良く溶け込んで居ます。
そして歴史事実を歪曲せず、結末も換えて居ません。
仁祖反正インジョパンジョン(クーデター)で失脚する光海君クァンヘグンの周囲を多面的に描き、歴史的事実とフィクションを矛盾する事無く調和させました。

 

 

ラスト、クーデター成功で終了するので、すわ「サッドエンドか?」と思わせますが、最後に番組のメインモチーフで締め括った所が粋です。
主人公2人がお似合いでバランスが良いので、納得の結末。
 
最後まで可愛いパウの1人息子チャドルに癒されます。
どちらかと言うとリャンバン両班に身分復帰したトリョンニム(お坊ちゃん)の身成りよりも、貧乏なサンノム(良人)姿の方がよりカワイく感じました。
韓国の子役は芸達者が多く癒されます。

 

 

余談ですが、戻って来てイ・イチョムに捕まったチャドルの生母はどうなったやら?
あのまま処断された設定でしょうか?
スギョンの存在をイ・イチョムに知らせる為の存在?
若しくはスギョンがオンジュ翁主で有る事をパウの母親・妹に知らせる為の存在?
何処まで本編をカットしたのか不明な為、多少モヤモヤが残ります。

 

 

どうあれ、途中多少の行ったり来たりの繰り返しで中弛(なかだる)みは有りましたがブレる事無く、歴史歪曲のストレスもさほど感じる事なく最後まで楽しませて頂きました。
このドラマの様な上質な史劇、もっと鑑賞したいです。
日本で未放送のフュージョン史劇を探し出してDVDで視聴するとしますか。
 

 

<参考文献>
한국강사신문 드라마 ‘보쌈 운명을 훔치다’ 줄거리, 정일우·권유리·신현수 출연 ‘생계형 보쌈꾼과 옹주의 인생역전 퓨전 사극! 결말이 궁금’
 
#韓国ドラマ #韓国時代劇ドラマ #韓国映画

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